★熱が〜★
なんか、本格的に梅雨に突入したような天気が続いてますね。こんな天候のせいなのか、野菜が不足気味だったためか、なんか先週のAyapooを更新した翌日くらいからすっごく調子が悪くなって、お薬飲んでも37度近いところまでしか熱が下がらない状態が続いています。平熱が35度ちょっとしかない私にとって、この熱は平熱36.5度のヒトの38度以上に匹敵するわけで、なんか微熱が張り付いちゃったみたいで、何する気力も起こってきません。ただでさえ、気力不足だってのに〜。
しかし幸い、今回は神経性の歯痛が出るとこまでは行ってないんで、とにかくお野菜を大量に食べるとともに、血行を促す努力をして回復に努めてます。1週間もすれば元に戻るんじゃないかと思うけど、まあ原因はこのところまたちょっと野菜を食べる量が減ってたってのがてきめんに出たんじゃないかな。しんどいよー。
そんなこんなで申し訳ありませんが、Dialogue
連載開始まで、いましばらくお待ち下さいまし。
★奇跡のオレンジ★
新作の手芸作品は、この天気のせいでまだ写真撮れてないので来週に回すとして、今回の話題はコレ、「奇跡のオレンジ」。
写真見てもらえば分かると思いますけど、何の変哲もないオレンジに見えるでしょう? しかし実は、これは昨年買ったオレンジなんです。本当にっ!!!
昨年、12月頃だったでしょうか。オレンジのタルトを作ろうと思って買ったオレンジが5個、なかなか作れないので2個くらいはサラダにして食っちゃったんだけど、残り3個が使わなくちゃ〜と思ってる間にそのまま放置され、冷蔵庫の一室で保管されること約半年。
ふと気づくと他の2個はさすがに傷んでしまってるのに、なぜかこの1個だけが殆ど無傷で生き残っていた!!
表面的にはなんともない。しかし、食えるのか?
ここでひとつ解説を加えますと、このオレンジが保管されていた冷蔵庫の一室というのは、今で言う「チルド室」のようなものらしく、以前からここに入れてある野菜が長持ちするなとは思っていたんです。ただ、うちの冷蔵庫はかれこれ20年使ってるGE製なんで、これを買った当時はまだ日本の冷蔵庫に「チルド室」なんてものは装備されてなかった。だから、当時のGEのパンフレットにも「野菜や肉を新鮮保存!!」みたいなことは書いてあっても「チルド」という言葉は使われていなかったんです。しかし、さすがにGEですねえ、20年前に既にそんなものが付いていたとは。日本の冷蔵庫が「チルド室」をウリ文句にし始めたのは、それからずいぶん経ってからだったなあ...。
で、まあそんな所に入れてあったので、ふつうより長持ちするのは分かるんですけど、それにしても半年は長すぎやしないかい?
第一、同じ条件で保管してあった他の2個は誰もが予測する通り、当然の結果としと傷んじゃってるんですよ。だから、コレなんともないように見えるとはいえ食えるんだろうか...、と思うのはふつーですよね?
そこで私は皮をむき、切ってみたのでした。それが横の写真です。→→→
う〜ん、やっぱりなんともない。しなびてすらいなくて、みずみずしいふつーの、昨日買って来たばっかりのオレンジみたいだ...。
中身の見た目もこれだけなんともないんだから食っても大丈夫だよなと思い、いくばくかのためらいはありましたが、ブロッコリーと一緒にサラダにして食っちまいました。そして、既に5日は経とうとしているのですが、人体に全く影響はございません。
他の2個よりちょっと小さめだったからかとか、チルド室の中でも特に条件のいい場所にいたのかとか、もしかすると、他の2個が「おまえだけでも生き残って、立派に食われてくれ」と願って、自分たちは犠牲になって「気」を送り続けていたのかとか、いろいろ考えてみたんですけど、当然のことながら答えは出ません。しかし、このオレンジが半年間、無傷で生き残ったこの事実は消えない...。
ともあれ、ちょっとびっくりな出来ごとでしたが、ちなみに、バナナだけはこのチルド室に入れといてもダメでしたね。あれは南国の果物なので、冷蔵庫に保管すると返ってダメになりやすいとか後になって何かで読んだんですけど、たいていの野菜やフルーツはここに入れとくと長持ちします。かなり長くもったレモンもありました。それも、切り身になって半切れになってたのに、ラップにくるんで入れといたら、あれは3ヵ月くらいもったのかな?
しかし半年は最長記録だ。なんか面白いから、そのうち今度は意図的に実験してみようかなという気もするぞ。
★エヴァちゃんのお願い★
・この話について初めて読まれる方、登場人物等についておさらいしたい方は主要登場人物、用語等解説をご覧下さい。
・また、この話については2005年8月からAyapooで断片的にプロットをご紹介しています。小説本文はまだ公開していませんが、興味がおありの方は専用のSTORY
INDEXをご参照下さい。Ayapooの過去ログ内の記事を順を追って読むことが出来ます。
アレクがエヴァとデュアンに「何でもおねだりを聞いてやる」と通達していたのは先日公開したEpisode1を読んで頂いた方はご存知かと思います。デュアンはまだ何をおねだりしたのか教えてくれないんですけど、エヴァちゃんは「IGDに就職させてください!」とゆー、壮大なお願いをしたのだとか。とはいえ、エヴァちゃんのことですから、縁故就職で「楽していいとこにお勤め」とかは全然考えてなくて「一生懸命勉強して、役に立つくらい賢くなりますから使って!」とお願いしたんですってさ。
彼女の両親もそれなりお金持ちらしいから、ヨソに就職しなくても親の仕事を継ぐとか、いいお婿さんをもらって継いでもらい、自分はリッチな奥サマ稼業とか、いくらでも楽な道がありそうなんですが、何を好き好んで「ヒト使いが荒い(給料は破格らしいが)」と評判のIGDに就職したいのか。どうやらそれは、「デュアンと少しでも同じ世界にいたい」という、健気な乙女心からのようなんですね。可愛いじゃありませんか。
ま、なにしろデュアンが画家志望なのは周りのみんなが知ってるんで、中学から先はアートスクールとか美大とか、とにかくそういう方面に進むことは間違いない。でもエヴァちゃんは自分には芸術的素養はないようなので、一緒にアートスクールに行くなんてことは考えられない。そうするともう道はすぐそこで分かれてしまう上、デュアンは将来の伯爵さま。このままではどんどんどんどん違う世界の住人になっていってしまうじゃないのー。
そう思ったエヴァちゃんは、唯一これからも上流階級と接点を持てるとしたら、IGDのようなスーパースペシャルな企業に入って、それなりの地位につくことしかないのでは?
みたいな結論に達したらしい。自分はピアノを習っても、バレエを習っても、とてもそれでプロになれると思うほどの芸術的才能はないが、幸い勉強は好きで成績もいい。それを生かして伸ばせば、IGDに入ってそれなりな仕事が出来るんじゃないか、と考えたようです。それに、他の企業と違ってIGDは特にモルガーナ家との繋がりが強い。だからそこにいれば、少なくともデュアンとまるっきり縁がなくなってしまうってことはないだろう。例え相手にしてもらえなくても、せめて近くにいたいのよとゆー、分かるなあ、その気もち。
で、まーからそれを聞いたアレクは「あんな可愛いコがうちに来てくれるんだったら、おれの秘書にしよう」とか言ってけっこう喜んでるらしいですけど、この先、なんかメリル兄ちゃんがこのエヴァとデュアンの間に割り込むというか、まあ、デュアンの方が全然恋愛感情持ってないんですから割り込むってのとも違うと思いますけど、絡んでは来そうな気配がしなくもないんだな、私は。しかし、あの内気なメリルくんのことですから、これはまとまるとしても相当難航するというか、そんな話はこのコたちみんながハタチを大幅に過ぎてからになるでしょうしね。それもまた、そのうち、な世界ではありますな。
2008.6.13.
★発見★
一昨年に買ったパソコン、グレアムくんにはホームページビルダーのお試し版のようなものが付いている。愛用のフロントページとは全然違うので使ってみたことはなかったが、せっかく付いてるんでどんなもんかと見てみたら、可愛い素材がいっぱい入ってたことを発見した。アニメーションGIFとか、イラストとか、使ってみたいのがいっぱいあったので、コピーしてフロントページでも使えるようにしたのだ(←あくまでもビルダーの使い方を覚えようとはしないやつ)♪
そこでこれから、このページのトップでアイソを振りまいているあやぼー画像の下に、その日の気分に合ったものがあったら貼り付けてみようと思う。ということで、初日の今日の気分は、
なのであった。なぜなら、今日は掃除や洗濯をやりまくったので家中ピカピカで気持ちがいい。動き回ったのでちょっと疲れているが、お風呂にも入ったし、お部屋も整然としているし、まあまあ良い気分でリラックスしているから、こんなもんじゃないかな?
そうそう、久しぶりに手芸作品もひとつ仕上げたのでした♪
それはテーマが「七夕」なんで、来週あたりお見せしようかなと思ってます。
★フリーセル・その2★
連勝記録は123勝でストップしまいましたが、ふたつほど1回で上がれなかったのが出たとはいえ、それも結局解けたので、現在124番まで来てます。とりあえずの目標は1000番。いつ頃たどり着くのかなあ...。
★ホーローセット★
最近、例の新しく出来たJuscoがなかなか気に入ってまして、先日もお気に入りの生クリームを買いがてら行ってきました。
かれこれ3回目になりますが、まだ全館見て回っていなかったので、今回は2階をウロウロしてみたんです。すると、カントリーな雰囲気の、わりと大きな雑貨屋さんが入ってるのを見つけました。ちょっと覗いてみると、以前から欲しかったホーローのポットとミルクパンが同柄である!
今まで使ってたのがだいぶ古くなってたんで、いいのないかなーと探してたんですけど、なかなか気に入るものがなかったのよね。
最初は色違いで白にくすんだピンクでドットとレースの柄が入ってるやつを見つけたんですけど、写真のべージュのはミルクパンしか見当たらなかった。どちらかと言うとベージュの方が欲しいなと思いましたが、ないもんは仕方ない。それでセットにしたかったこともあって白を買おうとしかけたら、お店に出てるのは残念ながらちょっとキズがついてたのよね。それで、どうしたもんかなとウロウロしてたら、なーんと、ベージュのポットが棚の上の方にあるじゃないですか。ディスプレイ用のカップボードの天板の上に乗ってたんで最初は気がつかなかった。でも、おお、あるあるってことでお店の人に頼んで取ってもらって、こちらはキズもなく、もともといいなと思ってた方の色だったから、めでたくミルクパンとセットで購入。
写真ではちょっと可愛らしさが分かりにくいと思いますけど、優しい色合いのベージュにドットとレースの柄で、カントリーなムードもばっちし。これは、あやぼーのすごく好きな雰囲気なんです。これが気に入ったんで、また悪いクセなんですが色違いも欲しくなって、今度行ったら白の方の新品をお取り寄せしてもらえないか聞いてみよっかなーと思ってます。
ところで、カントリーな雰囲気の雑貨屋さんってあちこちにあるけど、どこで見かけても入ってしまうな。で、何か買ってしまうのよね。それで今更ながらふと思ったんですが、うちの居間を!
雑貨屋さんのような雰囲気にしたら楽しいかもっ!!
買ってきたものをずらずらずらっと並べて、手芸作品なんかも飾って〜とか考えてるだけでも楽しい。そう言えば、以前言ってたカーテン自作計画も頓挫したままだし、そのコンセプトで再開してみようかな。でも、そんなことしたらまた散財が増えそうだ〜♪
★マセラーティの謎★
・この話について初めて読まれる方、登場人物等についておさらいしたい方は主要登場人物、用語等解説をご覧下さい。
・また、この話については2005年8月からAyapooで断片的にプロットをご紹介しています。小説本文はまだ公開していませんが、興味がおありの方は専用のSTORY
INDEXをご参照下さい。Ayapooの過去ログ内の記事を順を追って読むことが出来ます。
以前から話に時々出てくるディの愛車。彼の瞳の色とそっくり同じに特注した深いブルーメタリックのスポーツタイプなんですが、ひとつ不思議だったことがある。ディはものすごく美形だけど、決してナルシストではありません。それどころか、どちらかというと、あの容姿のためにいろいろひどいめにも合ってるんで、特に十代の頃までは自分の容姿なんか見るのもイヤ!!
みたいな感じだったようです。そうするとそのディが、自分の瞳の色と同じ色のクルマをわざわざ特注したりするだろうか?
どうもディの性格とはそぐわないような気がして、なんで?とか思いつつ書いてたんですけど、どうやらあのマセラーティは、彼が祖父から爵位を継いだ18歳のバースディに、その記念として両親が作らせたものだったみたいで、なるほど、それならディが特に大切にしてるのも納得がいくなあと最近になってから分かりました。まあ、色を決めたのはおそらくロマンティストのロベールさんでしょうね。最愛の妻と息子が同じ瞳の色してんですから、何を贈ろうかとか、当時まだ存命だった妻と相談した時に、ビーチェが18歳だしそろそろクルマなんてどうかしら、とか言って、ロベールさんが、じゃあ、きみとディの瞳と同じ色がいいなあ、とか言い出して、ってありそうだもんな。なにしろ、熱愛夫婦だったからなあ、ディの両親は。
そういう経緯があれば、ディがその後30年近く経ってもこのマセラーティを手放さず、他にもクルマいっぱいあるのに、プライヴェートではいつもコレに乗って出かけるのもよく分かる。うんうん、これで納得がいったぞ。
クルマのナゾはこれで解けましたが、先週、ディがダイアモンドの指輪はめて出かけたとか書いてたでしょう?
あれ、あのダイヤも「母の形見」とかだったりするかもしれない。サイズは当然変えてるだろうけど、それ考えると、元々、先祖代々受け継がれている宝石とかも山ほどありそうだし、ロベールさんがビーチェに贈った宝石類もおびただしい数ありそうで、でもディは結婚してないから、今のとこモルガーナ家でそれを使う女性はいないんだなあ。ディの代では現れそうにもないし。でも、そのうちその宝飾品のコレクションとかも話に登場させてもいいな。お?
実は今、デュアンくんに少年探偵団みたいなことをやらせてみたいなとか思ったりしてるんだよね。古式ゆかしいお城もあることだし、今思いついたんですけど、そのへんにこの宝石コレクションって使えないかな。エヴァちゃんとか、そのライバルの女の子とかもイメージ見えて来てるし、なんかまた、意外な方向で話が出来て来たりするかもしれない。ほんと、突然どこへ行くか分からないのが私の話だからなあ...。今や、まーなんて完全に脇役と化してるし、本編はいったいどこ行っちゃったんだろう???
2008.6.6.
★フリーセル★
また更新もせんと何アホなことやっとんじゃと思われそうですが、Windowsに昔からずっと付いてるフリーセルというゲーム、Windowsを使ってる方ならご存知ですよね?
ランダムに場に並んでいるカードを移動させて赤黒交互になるように降順に並べてゆき、A(エース)が移動できる位置に出てきたら場から出して別のところに置ける。その後、こちらにはマークごとに昇順で場から出して積み上げてゆくことができるので、最終的に全てのカードが場から出てマーク別に積み上がったら勝ち、というアレです。
これまで、前のパソコン(ウィリアムくん)でも確か68連勝とかまではやったことがあったんですけど、自動的に出てくる問題を漫然と解いてたので何番が解けたのかとかは全然記録してなかったんです。でも、これってカードの並び方で100万通りも問題があるそうで、解説を見ると「フリーセルでは、どのゲームでも勝つ可能性があると信じられています (証明されてはいません)。
」と書いてあるのよね。
「証明されてはいない」ということは、少なくとも公式に全部解いたという記録があるわけじゃなさそうだし、本当に解けるのかな?
と思っちゃったわけです。
まあ、なにしろ100万通りですからね。千人がかりとかで何番から何番とか割り当ててやれば本当に全問解けるのかどうか知ることもできるかと思いますが、一人じゃ一日10問解いたとしても、100年かかったって解き終わらない。しかしまあ、どのくらいまでいけるかやってみようと、このたび1番から解き始めたのでした。で、今68番まで解き終えてるんですけど、やはりここまでのところは全部ちゃんと解けました。画像が78連勝となってるのは、1番から始める前に10連勝してたからです。とりあえずはまず100番まで連勝できるか?!って感じですが、う〜ん、残りの半生をかけて解くとして、いったい何番まで解けるんだろうなあ。ま、これについてはまた、どれだけ解けたか折りにふれてご報告してみたいと思います。
2008.6.3.
★セーブルとダイアモンド★
・この話について初めて読まれる方、登場人物等についておさらいしたい方は主要登場人物、用語等解説をご覧下さい。
・また、この話については2005年8月からAyapooで断片的にプロットをご紹介しています。小説本文はまだ公開していませんが、興味がおありの方は専用のSTORY
INDEXをご参照下さい。Ayapooの過去ログ内の記事を順を追って読むことが出来ます。
Ayapoo初の試みである短期集中連載第1話もつつがなく終了いたしまして、常連の皆さまがたには、よく呆れず、見捨てず(呆れてはいたかもしれないが)、長らくお付き合いいただきましたことに心より感謝しております(合掌)。
いやー、自己満足でもなんでも、一生懸命書いたものを読んで頂けるというのは、それだけで本当に嬉しいものです。それに味をしめて、現在第2話を執筆中なわけですが、先日書いた通り、今度はデュアンくんとディの出会いから始まり、いろいろあって親子にあるまじき関係まで発展してく過程を描いてます。メリルとデュアンが大げんかするシーン(っつーか、デュアンが一方的にメリルに怒りまくってるって感じですが)とか、子供たちのことがロベールさんにバレて、ディがめちゃくちゃ怒られるシーンとか(この親子は書いててけっこう面白い)、ディとデュアンのことだけじゃなく、モルガーナ家のファミリードラマ的なシーンもちらほら見られるんじゃないかと思います。ハイライトはやっぱり、デュアンがディに告白しちゃうシーンでしょうけどね。「ぼく、お父さんが好きなんです!」とかって。きゃはははは。たいへ〜ん♪
ま、それなりお楽しみ頂ける出来になるといいんですけど、それはともかく、やっぱり私の小説って根本的に明るいなあと改めて思ったりする今日このごろ。なんてったって、デュアンくんなんて設定だけ見たらめちゃ暗いキャラじゃありませんか、本来。
私生児で、10才くらいになるまで父親の顔を見たこともなく日陰(?)で育って、しかも母親の違うにーちゃんが二人もいて、父親はあんなんで、40も過ぎたってのに未だに子供ほっぽらかして結婚もしないで遊び歩いてる。おまけにその15年来の本命の恋人ときたひには男の子だし、それもアリシアが13才くらいのころからずーっと続いてるってのが「有名」だったりするしなあ。ふつーの神経だったら、どっぷり暗いコになってても仕方ない境遇なんだが、デュアンの場合、それに積極的に参加してるもんな。
まあ、こういう父親を持った場合のふつーの反応を一番示してるとしてたらメリルくんの方でしょうね。しかし、このメリルでさえ、「お母さんはちゃんとした人なのに、結婚してあげなかった」とか、「家族揃って一緒に暮らしたかったのに」とかいうカドで親父に怒りまくってはいるけど、元来「絵を描くことの他はわりとどーでもいい」ってとこがあるから、「本当ならぼくは伯爵家の長男なのに」などとゆー、世の中よくあるタイプの怒りってのは全然持ってない。なにしろ、「家継げ」と言われて、「やだ」と言い切ったヤツだし、要するに地位や財産なんかまるっきり目に入ってないのよね。
やっぱりこのへんの明るさは、作者の性格なんだろうなと思う。そりゃ、私だってお金は好きですよ。お金儲けだってキライじゃないです。でもなあ、思うに「金、金言ってるヤツのとこにほど金は回ってこない」、これはひとつの法則としてあるんじゃないかという気もする。まるっきりそんなの欲しがってないとこに回ってくるもんってゆーか、この話の場合、デュアンのママのカトリーヌさんは、ディのことは好きだけど「伯爵夫人の地位」なんてものにはまるで興味がないし、それ目当てみたいなことになるのを何よりイヤがってる。だから、そういう母親のもとで育ったデュアンもディのことを画家として尊敬こそすれ、その財産とか地位には元々全く興味を示してなかったのに、どっちも転がり込んで来たりしちゃう。でも、それをラッキ〜とか思うようではダメで、そこで「重い責任」を自覚するくらいでないとそんな地位についてもらっちゃ困るんだが、ともあれ、そういう人間ばっかり寄ってる話だから、陰湿とか暗くはならないんだろうな。
ある意味これは「人間的」とは正反対のものなんでしょうけど、私はそういう種類の「人間的」ってヤツが大キライでね。結局それって、すごく卑しくて低い人間性を反映してるだけじゃんって思う。そんなもん深刻ぶって克明に描いても何が文学かと思うし、そーゆー現実になんぼでも転がってるようなもの、なんでお話の中にまでわざわざ持ちこまなきゃならんのか分からんし、私にとってはつまらんだけだな。で、そんな「現実」もしくは「現実の人間」にう〜んざりしてるから、私の話ってのは「徹底的に現実離れ」しなきゃおさまらないんでしょう。
「現状に甘んじていたのでは発展も向上もない。理想に向って邁進する努力こそ肝要なのだ。」
**************
さて、本日のワン・シーン、今回のタイトルは「セーブルとダイヤモンド」。ある日、ディがオシャレしてお出かけするところに出くわしたデュアンくん。するとディはセーブルのロングコートとおそろいの帽子(ロシア風ので、メーテルがかぶってたみたいな形のやつ)、指には大粒のダイアモンドって格好だったりするわけです。ふと、私は現実世界でこんな格好をして決まる男なんているだろうかと考えて、即座にフェリーさんが思い浮かんでしまいました。ああ...。あの先生だったらねえ、まあ決まるでしょうな。イメージ浮かぶもん。
で、そんな格好をしているディを見てデュアンくんはぼーっとなっちゃうわけですが、見とれて上の空で「いってらっしゃい、早く帰ってきてね」と言って見送るデュアンにディはにっこりして頷いて見せるだけで出かけちゃう。ディの部屋の扉の前で、その後姿を見送ってぼーっとしたままのデュアンに、ディとすれ違うようなタイミングでこちらに歩いてきたケン(ご存知のように、ケンはデュアンのボディガードをすることになったのでモルガーナ家にいます)が声をかける。
「デュアンくん?
どうかしたんですか?」
「え?」
「どうしたんです?
こんなとこでぼーっとして」
「あ、ディとすれ違わなかった?」
「ああ、ええ、先ほど。どちらかにお出かけのようでしたね」
「うん...、たぶんデート」
「はあ...」
「じゃ、見たよね?」
「何をです?」
「ディ」
「ええ、ですから先ほど」
それへデュアンは深いため息まじりに言った。
「なんで、あんなに素敵なんだろう」
「は?」
「あんな男なのにぃ。見た目あれじゃ、いくらでも女の子がひっかかって当たり前だよね」
すっかり感嘆している様子で言うデュアンを内心微笑ましく思いながらケンは答えた。
「それは確かに伯爵は素敵な方だと私も思いますよ」
「ねえ、ケン」
「はい」
「みんな、ぼくってディの子供の頃に生き写しだとか言うんだけど」
「ええ、そうらしいですね。今見てもデュアンくんは確かに伯爵と顔立ちがよく似ておられると思います」
「だとしたらぼくが年を取ったら今のディみたいになるってことだよね?」
「まあ...、そうでしょうね」
「でもさあ、ぼく、あの年になってもセーブルやダイヤの似合う大人になんか絶対なってないと思う。なんか腹立つなあ、そう考えると。ほんと、あんな男なのになんでああなんだろう」
何と答えたものかと黙ったままのケンには構わず、デュアンは続けた。
「ディって、なんか容姿だけじゃない気がする」
「そうですねえ...」
「思ってたんだけどさ」
「はい」
「ケンってちょっと、ディと同じタイプって気がするの」
「私がですか?」
思いがけないことを言われて驚いているケンにデュアンは首を傾げて考え考え言った。
「なんかさあ、優しそうなくせに根性の据わり方がナミじゃないっていうか、ぼく、あなたがどんなに強いかよく知ってるしね。でもふと、ディにも同じものを感じたりとかするわけ」
ケンはデュアンの言いたいことを何がなし納得できたような気がして答えた。
「ああ、それは確かにそうかもしれませんね」
「ケンもそう思う?」
「ええ。この前のデュアンくんの誘拐騒ぎの後で、うちの隊長が言ってたんですが、あの時、予定ではアリシア博士とルーク博士が我々と踏み込むことになってたんですけれど、結局、ロウエル卿と伯爵も一緒に乗り込まれたそうなんです」
「ほんと?」
デュアンはちょっと驚いて言った。それは誰からも、もちろんディからも聞いていなかったからだ。
「はい。ロウエル卿は元々軍人ですし、クランドルでは陸海空軍、最終的にどこに配属になるにしても、士官クラスは全軍を把握する目的で海軍の場合は陸、空軍に出向して訓練に参加しますからね。彼が軍人としても大変優秀なのは我々誰もが認めるところです。まあ、そうでなくては、私たちのような人間を使いこなすのはちょっと無理でしょうけど。でも、隊長が言うには、そのロウエル卿、それにああいう事態には比較的慣れてらっしゃるアリシア博士やルーク博士と一緒に、伯爵は先陣を切って乗り込んで行かれたそうですよ」
「それ、本当にほんと?」
「はい」
それを聞いてデュアンは深く考え込んでいる。それは確かに自分のことを心配してくれていたからなのだろうが、しかし実弾がマトモに飛んでくるような場所に、伊達や酔狂や冗談では乗り込んで行かれまい。常識で考えて回りだって止めるだろうし、本当に危険と感じたらアレクやマーティアが一緒に行かせるわけはない。
「隊長が射撃も相当な腕前だと感心してましたし、私も話を聞いてちょっと驚きました。でも、確かにそういう意味では、デュアンくんが伯爵に私たちと近いものを感じても不思議はないでしょうね」
「くっそ〜」
思いっきり怒ったようにデュアンが叫んだので、ケンはびっくりして尋ねた。
「どうしたんです?
デュアンくん」
「なるほど、そういうことだったのか。迂闊だった」
「デュアンくん?」
「ねえ、ケン!」
「はい?」
「ぼく、強くなりたい!」
「え...」
「それは前から思ってたんだけど、乗り込んでったってことはマーティアもアリシア博士も強いんでしょう?」
「はあ、それは確かにそうですが」
「で、ディもなんだよね?」
「はい」
「誰もそんなこと教えてくれないもんだから、ずーーーっと不思議だったんだ。アレクさんはそうなんだろうなと思ってたけど、いい男ってやっぱり強くないとなれないんだ」
「まあ、ある意味そうかもしれませんが、そればかりとも...」
「ううん!
少なくともディだけじゃなくて、ぼくが憧れてる人はみんなそうなんだ。ということは、あんな風になるにはぼくも強くならなきゃならないってことなんだよね。勉強だけしててもダメなんだ」
ケンは未来の伯爵さまがそんなふうに強くなるのもそれはそれで...、と考えて、答えに窮している。
「どうやったら、ケンやアレクさんみたいに強くなれるの?」
「それはまあ、いろいろ訓練とか」
「じゃ、教えてくれるよね?」
「私が?」
「うん」
「いや、しかし...。それなり危険が伴いますし。伯爵が何と言われるか」
「ディなんて自分だって強いんじゃない。文句なんか言わせないよ」
「でも」
「イヤ?」
「いえ、そういうわけでは...」
「そうだ。この際だからさ、ケン、ぼくの家庭教師になってよ」
「家庭教師?!」
「そう。どう考えても、アレクさんやディならともかく、ぼくがあなたを使う立場にいるって無理があると思ってたんだ。そうか、家庭教師になってもらえば良かったんだな」
自分の名案に深く納得した様子で頷きながら言うデュアンに、ケンの方があわてている。
「ちょっと待って下さい、デュアンくん。私はボディガードや運転手はやれても教師なんて」
「ディから聞いたよ。アレクさんと同じ大学を二十歳で出てるって」
「それは確かにそうですが」
「だったら問題ないじゃない。教えてもらうことっていっぱいありそうだし、先生、よろしくね」
「先生って、デュアンくん、そんな勝手に...」
「じゃあ、ディがいいって言ったらいい?」
「えーっと...」
「四六時中一緒にいるんだし好都合じゃない、ディだって絶対いいって言うよ」
思いもかけないことで詰め寄られてケンは困った様子で考えこんでいたが、彼のアタマからして家庭教師というのもやってできないことはない。それに、デュアンが熱心な生徒になりそうなのは見ていて分かるし、それはそれで楽しいかもなと考え直して、ケンはデュアンを見ると言った。
「じゃあ、伯爵が良いと仰ったら、お教えしてもいいですよ」
「本当?」
「はい」
その答えにデュアンはにっこりして、じゃ、ディが帰ってきたら話すからね、と言った。瓢箪からコマのような話ではあったが、どうやら自分は強引に家庭教師にされてしまうことになりそうだと思いながらケンは笑っている。
「でもディ、今日帰ってくるかなあ...」
言いながら、ちょっと淋しそうなデュアンに、ケンが言った。
「デュアンくんは、本当にお父さまのことが好きなんですね」
「え?」
この前のこともあったので、たぶんケンは自分とディの関係について気づいているんだろうなと思いながら、デュアンはまあね、と答えた。
「でもさ、セーブルとダイアモンドの似合うプレイボーイの父親を持つってのもね、これでなかなか大変なんだよ」
デュアンがまだ幼い少年に似合わず、悟りきった様子で言うのがケンには可笑しかったが、まあ、確かにそれはそうだろうなとも思う。ともあれ、デュアンの可愛らしさも手伝って、この仕事は彼にとっても楽しいものになりそうな気がしていた。
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と、ゆーことで、前にもどこかで書いたと思いますけど、いい男ってやっぱり根性据わってないとダメなのねってお話でした。それ言えば、フェリーさんもそれに当てはまるよねえ。なにしろハイジャックされて墜落寸前!
って大騒ぎやってる中で、ぜーんぜん落ち着いてたってヒトですから。「まるでサロンでマティーニを楽しんでいるようだった」という、他の乗客の証言もあるしな。ま、そういうヒトだからこそ好きなんだけど、うちの美少年、美青年ってのも、みんな強いからな。「女々しい」ってのは私、蛇蝎の如くキライなキャラなんで、どうしてもそうなる。うちの場合は男の子だけじゃなく、女の子も強いけどね、レイとかエヴァちゃんとか。まあ、これは性格的にってことですけど、6月半ばに連載始めると言ってるDialogueの主人公の加納綾、これがうちで一番強い女の子だが、まあ、どんなヤツかは近々分かるよ。