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基礎確認篇★その10.助動詞

1.willとwould

 

これまで現在形、過去形、未来形、そして進行形や完了形など、基本の言い方を勉強して来たわけですが、これに助動詞が加わることによって更に多様な表現をすることができるようになってきます。従って、助動詞は必ず動詞とセットで用いられ、その意味やニュアンスを補足する語であると言えますね。では、この章ではまずwill とwouldで表現できることについて解説してゆきましょう。

1. will

willは基本的に未来形を作るのに用いられる助動詞で「単純未来」と「意志未来」を表現しますが、この他にもいくつか別の意味を示す用法があります。(未来形については、基礎確認篇その6.未来形を参考にして下さい。)

@)強い意志、主張、固執 「どうしても〜しようとする」(肯定形で) /強い 拒絶 「どうしても〜しようとしない」(否定形で)

ex1 She will have her own way. (彼女はどうしても思い通りにしようとする。)

ex2) This door will not open. (このドアは、どうしても開かない。)

意志を強調する場合は、will が特に強く発音されます。

 

A)習慣、習性、傾向 「よく〜する、〜するものだ」

ex) She will often forget her promise. (彼女はよく約束を忘れる。)

 

B)推量 「〜だろう」

ex) This book will be hers. (その本は、彼女のだろう。)

 

2.would

would は基本的にwill の過去形ですが、丁寧な言い回しをしたい時や「would like to (〜したい = want to)」のように、過去形という概念から離れて、現在のことについて言う場合に使われることもあります。合わせて覚えておいて下さい。

@)時制の一致

He said, "It will rain tomorrow."

 → He said that it would rain tomorrow.

「He said」の部分を「主節」、「that it would rain tomorrow」の部分を「従属節」と言いますが、主節の動詞が過去形の場合は、このように従属節の動詞や助動詞も過去形になるというのが「時制の一致」と言われる現象です。従って、will はwould に変換されます。

 

A)過去の強い意志「どうしても〜しようとした」(肯定形で) / 過去の強い拒絶 「どうしても〜しようとしなかった」(否定形で)

ex1) She would try to do it by herself.. (彼女は、どうしても一人でそれをやろうとした。)

ex2) He wouldn't listen to my advice. (彼は、どうしても私の忠告を聞き入れようとはしなかった。)

 

B)過去の不規則な習慣 「よく〜したものだった」

She would often play tricks on me. (彼女はよく私にいたずらをしたものだった。)

過去の習慣について言う言い方としてwould を使う他に「used to」がありますが、これは過去のかなりの期間に渡る習慣や持続的な状態など、過去の事実を端的に述べる傾向があるのに対して、「would」は情緒的、感情的なニュアンスを持っています。「よく〜したものだった」という意味では互換性がある場合もありますが、特に以下の例のように「過去の単なる事実」を述べる場合には、would を使うことは出来ません。(「used to」については、基礎確認篇その9.助動詞 補説・be/have/do/need/used toを参考にして下さい。))

The site used to be a field. (そこは昔、野原だったものだ。= 現在はそうではない。

 

C)丁寧、婉曲

Would you write your name and address here? (ここに、あなたの名前と住所を書いて頂けませんか?)

Would you mind turning off the radio? (ラジオを消して頂けませんか?)

※ 「Would you mind 〜ing 」は、「〜してもらえませんか、〜してもよろしいですか」と丁寧に尋ねる時によく使われる慣用表現です。この形で覚えておきましょう。

 

D)現在の意志や願望 「〜したいと思う」

願望を表現するのに「would like to」という形をよく使いますが、この他にwould のみを用いて強い意志や願望を表すこともあります。

ex) If you would (= wish to) earn money, work hard. (金を稼ぎたければ、一生懸命働け。)

 比較) I'd like to go with you. (ご一緒したいと思います。)

 

E)慣用表現

 @ What would like to do? (何をしたいのですか?)

 A I would rather die than do it. (そんなことをするくらいなら、死んだほうがましだ。)

  

では、以上のような点に注意して、以下の日本語を英語に直してみて下さい。極力、日本語で考えず、イメージを自動的に英語にする努力をしましょう。もちろん、発音やイントネーションにも注意して下さい。すぐに言えなかった場合は正解例を見て記憶し、少し時間を置いてから言えるかどうか試してみます。これを何回か繰り返すうちに、日本語に対応した英語が難なく出てくるようになると思いますよ。

1. 私は独力でそれをやって見せる。

1. I will do it by myself.(発音するときはwill を強く言う。).

2. 彼女は30才を過ぎているでしょう。

2. She will be over thirty.

3. 彼はよく何もしないで長時間座っていたものだ。

3. He would often sit for hours doing nothing,

4. 彼女は決して彼の裏切りを許そうとしなかった。

4. She wouldn't forgive his betrayal.

5. (食卓で)塩を取って頂けませんか?

5. Would you pass the salt?

2007.9.29.

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