四の五の言わずに黙って暗記 - 文法なんてカンタンだ!!

基礎確認篇★その10.助動詞

補説・be/have/do/need/used to

 

will 、shall、can、may、mustなど、一般に助動詞としてよく知られているものについて解説して来ましたが、動詞としてよく使われるbe、have、do、needにも厳密に分類してゆくと助動詞用法というものがあります。例えば、進行形を作る時に用いる「be 〜ing」のbeや完了形を作るhave などがそれで、文法的につきつめてゆくと助動詞ということになるのですが、よく使われているものなので特に目新しい用法というわけではないでしょう。

ここでは、日常あまり助動詞と意識せずに使っているbe、have、do、needの助動詞用法と、また、動詞でありながら「ought to」と同様にto不定詞を伴って助動詞的用いられる「used to」について解説します。動詞にニュアンスを添える助動詞として、全てセットにしておくと理解しやすいと思いますので、文法的な知識として覚えておいて下さい。

 

1. be

@)現在分詞とともに進行形を作る

We're working overtime on them this week. (私たちは今週、その件で残業をしています。)

 

A)他動詞の過去分詞とともに受動態を作る

My father was killed in the war. (父は戦争で亡くなりました。)

 

2.have

助動詞としてのhaveは、過去分詞とともに完了形を作る場合にのみ用いられます。

Have you ever been to New York? (ニューヨークに行ったことがありますか?)

 

3.do

@)一般動詞を伴って否定文や疑問文を作る

Don't take me wrong. (私を誤解しないで下さい。)

What do you mean by that? (それはどういう意味ですか?)

 

A)「do (does、did) + 動詞の原形」で用いて、肯定文で動詞の意味を強める

この場合、do(does、did)が強く発音されます。

I did go, but I couldn't see him. (行くには行ったが、彼とは会えなかった。)

Do be quiet! (とにかく静かにしなさい!!) 

 

B) 「副詞 + do (does、did) + 主語+ 動詞の原形」の倒置文で、強調を表現する

A)の用法と似ていますが、伴われている副詞を文頭に出した後に助動詞と主語の倒置が続く形です。

Never did I think of it. (そんなことは全く考えもしなかった。)

Well do I remember. (とてもよく覚えています。)

 

★Point★ 以上は助動詞としてのdoの用法ですが、動詞の繰り返しを避けるために代動詞として用いられる場合もあります。この場合のdoは動詞なので、区別して覚えておきましょう。また、代動詞は単に一語を代用するばかりではなく、前出の語群をひとかたまりにして代用することもできます。

I love you more than he does. = I love you more than he loves you. (私は彼より貴方を愛している。)

 

4.need

need not + 動詞の原形(〜する必要はない)」という形で用いられるneed は助動詞用法で、これは一般に否定文、疑問文に用いられます。同じことは動詞としてのneed を用いて言うこともできますが、形は「don't need to 不定詞」になります。否定文、疑問文ともに、このように形が変わる点に注意してください。

@ <<否定文>>

You need not give up the plan.  ・・・ need は助動詞

= You don't need to give up the plan. ・・・ need は動詞

(あなたは、その計画を諦める必要はない。)

 

A <<疑問文>>

Why need your son work? ・・・ need は助動詞

= Why does your son need to work? ・・・ need は動詞

(どうしてきみの息子が働かなくてはならないのか?)

 

5.used to

@)過去の規則的な習慣「よく〜したものだった」

この意味ではwould を用いて言うこともできますが、would にはよくoften が伴います。

We used to play tennis when we were young. 

= We would often play tennis when we were young.

(我々は若い頃、よくテニスをしたものだった。)

 

used を助動詞的に用いて否定文や疑問文を作ることも出来ますが、口語では一般に動詞として用いて否定形を作ります。

@ <<否定文>>

She used not ( usedn't ) to answer my question. ・・・ 助動詞的に用いる

= She didn't used to answer my question. ・・・ 動詞として用いる (口語)

(彼女は私の疑問には答えないのが常だった。)

 

A <<疑問文>>

Used you to play tricks on your friends? ・・・ 助動詞的に用いる

= Did you used to play tricks on your friends?  ・・・ 動詞として用いる (口語)

(友達に、よくイタズラをしかけましたか?)

 

A) 過去の単純な事実

この場合にused to を使うことは出来ますが、would は情緒的、感情的ニュアンスを含んで「よく〜したものだった」という意味になるので使うことは出来ません。

The site used to be a field. (そこは昔、野原だったものだ。= 現在はそうではない。

 

★Point!★ 「used to」は「be used to 〜ing (〜するのに慣れている)」と形が似ているので混同しがちです。意味がまるで違うので、区別して覚えておいて下さい。

She used to beat down the price. (彼女はよく値切ったものだった。)

She was used to beating down the price. (彼女は値切るのに慣れていた。)

 

2007.10.14..

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