「不定詞」「動名詞」「分詞」は、動詞が一定の形に変化して文中で様々な品詞として機能するものですが、これらを準動詞といいます。通常の動詞として用いられる場合と違って、 ● それ自体に決まった形があるので、主語の人称、数などによって変化しない ● 動詞でありながら、名詞、形容詞、副詞などの性質を合わせ持つ という特徴を持っています。その中でも特に不定詞は関係詞と同じくらい頻出するものなので、まずこれから使いこなせるようになりましょう。
まず、皆さんご存知のように、不定詞には以下の2つがあります。 ●to不定詞・・・ 「to+動詞の原形」で用いられるもの ●原形不定詞・・・ 「動詞の原形だけ」で用いられるもの to 不定詞になるか原形不定詞になるかは、どういう用途で用いられるかによります。 ⇒ 先行する動詞が何かによって影響される場合については、研究篇その1.動詞の目的語/その2.使役動詞を参考にして下さい。
では、実際の例文で不定詞がどういうふうに使われているか見てみましょう。 ex1) She wants to go there. / I want to go there. (彼女は/私は、そこに行きたい) この例文で不定詞は動詞wantの目的語になっているわけですが、wantにはこのようにto不定詞が目的語として続きます。ご覧のように通常の動詞として使われている"want"が主語に影響されて変化しているのに対し、不定詞として用いられているgoは、主語が何であってもtoの後に原形が来て語形に変化はありません。「to不定詞」はこのように必ず「to+動詞の原形」で用いられることを覚えておきましょう。 さて、この例文では「to go」は"want"の目的語になっていますので、「to go = 名詞」として機能していることが分かります。これを「不定詞の名詞的用法」と呼びますが、元は動詞の"go"に、"to"が付くことによって不定詞となり、その不定詞が名詞として働いて文中で目的語の役割を果たしているということです。しかし、このgoには副詞である"there"が続いており、"副詞は、動詞、形容詞、副詞を修飾する"という定義から見て、この"go"は動詞としての性質も同時に持っていることになります。 別の言い方をすれば、この例文では「行く(go)」という動詞を「〜したい(want)」に続けようとしても動詞"go"のままでは動詞の目的語に出来ないため、これを不定詞にして「行くこと(to go)」の意味を持つ名詞として続けている。つまり「行くことをしたい」という意味で、英語では動詞がダブルで用いられているのですが、これを自然な日本語にすると「行きたい」になるわけですね。また、先にも書いたように「to go」は名詞として機能していますが、「go」には動詞の性質が残っているために副詞"there"を続けることが出来るのです。 以上のように、不定詞は動詞でありながら、同時に名詞、形容詞、副詞の役割を果たせる大変便利なものであるがゆえに、英文では頻出することになります。詳細については順に解説してゆきますが、不定詞の代表的な用法や型は以下の表のように分類できると思います。それぞれの詳細な解説は、各項目をクリックすればを見ることができます。
<<不定詞の種類と用法>>
<<不定詞の否定と時制>>
※不定詞に関する練習問題は、それぞれの用法について詳細を解説しているページに添えていますので、そちらをご覧下さい。 2009.6.6.+6.10.+10.15.
>> 中級篇★その2.準動詞1.不定詞 A)to不定詞の用法
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