あやぼーの文法教室*文法なんてカンタンだ! -  中級篇2. 準動詞 (RSS2.0)

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中級篇★その2.準動詞

1.不定詞 D)原形不定詞

   

前章までは主に「to + 動詞の原形」で用いられる 「to不定詞」について解説して来ましたが、ここでは動詞の原形だけで用いられる「原形不定詞」についてお話してゆきましょう。こちらは to不定詞に比べれば限られた用法しかないのでそれほど難しくはありません。原形不定詞が使われるのは、以下のような場合です。

. 助動詞の後に用いられる

助動詞の後には動詞の原形が続くことはずっと前の章で解説しましたが、この「助動詞に続く動詞」も原形不定詞です。

ex) 

He can speak English fluently. (彼は、英語を流暢に話すことが出来る

She must turn in her report tomorrow. (彼女は明日、報告書を提出しなければならない

         

2. 知覚(感覚)動詞の補語として用いられる

ex) 

I never heard him sing. (私は、彼が歌うのを聞いたことがない

I saw him break the window. (私は、彼が窓を壊すのを見た

She felt the house shake. (彼女は、家が揺れるのを感じた

これらの例では、知覚動詞(heard、saw、felt)の補語として動詞の原形が用いられていますが、これも原形不定詞の扱いになります。また、これらは第5文型(SVOC)で、受動態になる時には to不定詞が用いられることも合わせて覚えておきましょう。

   ↓ ↓ ↓

He was never heard to sing by me. (彼は歌を歌っているのを、私に聞かれたことがない)

He was seen to break the window by me.(彼は窓を壊すのを、私に見られた)

The house was felt to shake by her.(家は、揺れているのを彼女に感じられた) 

 ※第3文は実際にはこういう言い回しはしないと思いますが、受動態にするとすればこの形になります。

なお、知覚動詞は原形不定詞の代わりに分詞を取ることもあります。原形不定詞を取った場合と分詞を取った場合でニュアンスが異なりますが、これについては、中級篇2. 準動詞2.分詞 A)分詞の用法を参照してください。

        

3. 使役動詞 make、have、let の補語として用いられる (※使役動詞getはto不定詞を取る)

ex) 

He made me laugh. (彼は、私を笑わせた

I had my mother wash my blouse. (私は母に、ブラウスを洗濯してもらった

I'll let you go. (あなたを行かせよう・・・ let は強制ではなく、許可のニュアンスを持つ使役動詞

⇒ 使役動詞について詳しくは研究篇★その2.使役動詞 make/have/get/let を参照して下さい。

      

4. 慣用表現 ・・・ 以下の慣用表現にも、原形不定詞が続きます

@) had better 〜(〜する方がいい) / had better not 〜(〜しない方がいい)

ex)

You'd better see a doctor at once. (きみは、すぐに医者にかかった方がいい

You'd better not lend your car to him.(きみは、彼にクルマを貸さない方がいい

     

A)cannot but 〜(〜せざるをえない)

ex) I could not but  attend the meeting.. (私は、その会に出席せざるをえなかった

ちなみに、「cannot help 〜ing」の形で「〜せざるをえない」という意味にすることもできます。

   = I could not help attending the meeting. 

   

B)do nothing but 〜(〜してばかりいる)

ex) She does nothing but cry. (彼女は、泣いてばかりいる

        

では、以上のような点に注意して、以下の日本語を英語に直してみて下さい。極力、日本語で考えず、イメージを自動的に英語にする努力をしましょう。もちろん、発音やイントネーションにも注意して下さい。すぐに言えなかった場合は正解例を見て記憶し、少し時間を置いてから言えるかどうか試してみます。これを何回か繰り返すうちに、日本語に対応した英語が難なく出てくるようになると思いますよ。

1. きみは、すぐに仕事を始めるべきだ。

1. You should set to work at once. 

2. すぐに分かりますよ。

2. Soon you will see.

3. 私は、彼が逃げるのを見た。

  

3. I observed him run away. 

  = I saw him run away. 

(受動態)He was observed/seen to run away by me.

    

4. 私は、彼が態度を変えるのに気づいた。

4. I noticed him change his attitude.

(受動態)He was noticed to change his attitude by me.

    

5. 彼は、ジェーンを行かせた。

(「強制的に行かせる」という意味に)

    

5. He made Jane go.

(受動態)Jane was made to go. 

6. 彼は、ジェーンを行かせた。

(「その意志に任せて」という意味に)

6. He let Jane go.

(受動態)Jane was let go. 

※letを用いた受動態は原形不定詞が単音節の場合のみ可能。通常はbe allowed/permitted toを使うのが普通。

7. 私の息子に、クルマで送らせましょうか?

(makeより弱い強制を示すhaveを使って)

     

7. Shall I have my son drive you home?

     

8. きみは即刻、彼女に謝った方がいい。 8. You'd better apologize to her immediately.. 
9. 私は、彼を笑わずにいられなかった。 9. I couldn't but laugh at him.
10. 彼は一日中、本を読んでばかりいる。 10. He does nothing but read all day long. 

解答例1. set to = 始める、(仕事に)専念する、真剣取り組む

解答例3. run の代わりにrunning を使って、I observed/saw him running away. とすることもできますが、解答例が「逃げる」という事実そのものに焦点があるのに対し、running を使うと「(まさに)逃げているところ」という動作の進行に焦点が置かれるので、よりヴィヴィッドな表現になります。

解答例4. この例文を分詞を使って言い換えるとすると、理論上はchangingを使えなくもないのですが、先に書いたように現在分詞を使うと臨場感のある表現となり、この例文の内容ではニュアンスが可笑しくなる恐れがあります。それよりも、I noticed his attitude changed.= I noticed that his attitude was changed. (彼の態度が変えられたのに気づいた)の方が、表現としては自然でしょう。このように、文法上は可能でも内容によっては相応しくない場合も出てきますので、常に「何を表現しようとしているか」というニュアンスを正しく把握するよう心がけて下さい。

解答例10. "read"は、その後に何も続けなくても、「読書する」という意味に使えます。

all day long (一日中)= all day、all the day

    

2009.10.27.+10.29.+11.5.

      

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