あやぼーの文法教室*文法なんてカンタンだ! - 研究篇3. 複合的主語の人称 (RSS2.0)

四の五の言わずに黙って暗記 - 文法なんてカンタンだ!!

研究篇★その3. 複合的主語の人称

  

主語の人称に対して述語動詞の形が決まってくることは基礎篇★その1. be動詞と一般動詞で書きましたが、以下のように主語が複合的になっている場合には、どちらに合わせたら良いのか迷うことがあると思います。そこで、このページでは人称の判断が紛らわしい慣用表現について、何を基準に判断したらいいのかをまとめて解説しておきましょう。なお、ここで扱う either、neither、every、both、all などの不定代名詞について詳しくは、基礎篇★その12.代名詞 4.不定代名詞 @) A)B) を参考にして下さい。

      

1.Either A or B 〜 (AかBどちらかが〜である)/ Neither A nor B 〜 (AもBも〜ない)

● 原則として述語動詞に近い方に一致 (either、neitherは接続詞)

ex1) Either you or I am wrong.  (あなたか私のどちらかが間違っている)

主語が複数扱いになって Either you or I are wrong.となることもありますが、これは稀なようで、更に、

Either you are wrong or I am. / Either you or I must be wrong. 

などの方が、より実際的であるともされています。口語ではこちらの方がよく使われると思われますし、原則は厳密な判断が必要になった時の知識として覚えておけば良いでしょう。

ex2) 

Neither Mary nor her friends were in the room. (メアリも彼女の友人たちも、部屋にはいなかった)

Neither Mary nor her mother was in the room. (メアリも彼女の母も、部屋にはいなかった)

      

2.Either of 〜 (〜のうちどちらか)/ Neither of 〜 (〜のどちらも)  

● either はどちらか一方が主体、neigherは両方まとめてひとつの主体と考えられるので原則として単数扱い。ただし、口語では複数扱いすることもあります。(either、neitherは代名詞)

ex1) Either of her parents was at home. (彼女の両親のうち、どちらかが家にいた)

 (口語)  = Either of her parents were at home. 

ex2) Neither of her parents was at home.  (彼女の両親は、どちらも家にいなかった)

 (口語)  = Neither of her parents were at home. 

● なお、代名詞のeitherは「どちらか一方」を指す他に、

・否定文"not 〜 either of ・・・"の形で用いられると「・・・のどちらも〜ない」

ex) I don't know either of her parents. (私は彼女の両親のどちらも知らない)

 = I know neither of her parents. (私は彼女の両親のどちらも知らない)

・肯定文で用いられて「どちらでも」

ex) Either of the two will do. (ふたつのうち、どちらでも良い)

 ⇔ Neither of the two will do. (ふたつのうち、どちらも良くない)

などの意味に用いられることもありますので、文脈や前後関係をよく見て意味を判断するようにしましょう。

     

3.A as well as B 〜 (B同様にAも〜 / BばかりではなくAも〜)

● 実質的に文意の主体はAなのでA(前の方)に一致

ex1) Her mother as well as her sisters was very kind to me. (彼女の姉妹同様に、お母さんも私に親切にしてくれた)

ex2) Her sisters as well as her mother were very kind to me. (彼女のお母さん同様に、姉妹も私に親切にしてくれた)

     

4.Not only A but (also) B (A ばかりではなくBも)

● 実質的に文意の主体はBなのでB(後の方)に一致

ex1) Not only Mary but (also) her parents were at home. (メアリばかりではなく、彼女の両親も家にいた)

ex2) Not only Mary but (also) her brother was at home. (メアリばかりではなく、彼女の兄/弟も家にいた)

※3のas well as と、文意の主体が逆位置になっている点に注意して下さい。

     

5.Both A and B (AとB両方とも)

● 常に複数扱い

ex) Both Jane and Mary were there. (ジェーンもメアリも、どちらもそこにいた)

     

6.One of 〜s (〜のうちの一人)

● 主語はoneなので、常に単数扱い

ex) One of the students was not there. (生徒のうち一人が、そこにいなかった)

     

7.It is <人/もの> who/that 〜 (〜なのは<人/もの>だ)

● 原則として<人/もの>の人称、数に一致。ただし、まれに仮主語 It に一致することもあります。

ex) It is you who/that are to blame.  (責められるべきは、きみだ)

 = It is you who/that is to blame. ・・・まれに仮主語Itに一致

     

8.A number of 〜(s)  (たくさんの〜)・・・ 複数扱い / The number of 〜(s)  (〜の数) ・・・単数扱い

ex1) A number of people were injured. (沢山の人々が怪我をした)

ex2) The number of the crew was only ten.  (乗組員の数は、わずか十人だった)

※crewは集合名詞扱いなので、多人数でも複数形にはなりません。なお、この例文の場合は主語が「(乗組員の)」ですから動詞は単数形になっています。

冠詞 A/The のどちらが用いられるかで意味がまるで違うので、注意して下さい。なお、a number of 〜(s) を用いて数の大小を更にはっきり言いたい時は、number の前に large、small、greatなどを付けます。

ex) A large number of people were injured. (非常に沢山の人々が怪我をした)

     

9.A lot of 〜s (たくさんの〜)

● 〜が可算名詞ならば複数扱い、不可算名詞ならば単数扱い。ちなみにa lot of は可算、不可算、どちらの名詞にも付けることができます。

ex1) A lot of diamonds were in the safe. (たくさんのダイヤが金庫に入っていた)

ex2) A lot of gold was in the safe.  (多量の金が金庫に入っていた)

     

10.Every A and B 〜 (どのAもBも〜) ・・・ 単数扱い / All the A and B (全てのAもBも) ・・・複数扱い

ex1) Every boy and girl holds a flower. (どの少年も少女も、花を持っている)

ex2) All the boys and girls hold a flower. (全ての少年、少女は、花を持っている)

※everyに続く名詞は単数形、all the に続く名詞は複数形になっていることに注意して下さい。

     

11.None of the + 複数名詞 

● 「全くない」という意味なので動詞は常に単数扱い

ex) None of the students was injured. (怪我をした生徒はいなかった)

     

*****************

 

では、以上のような点に注意して、以下の日本語を英語に直してみて下さい。極力、日本語で考えず、イメージを自動的に英語にする努力をしましょう。もちろん、発音やイントネーションにも注意して下さい。すぐに言えなかった場合は正解例を見て記憶し、少し時間を置いてから言えるかどうか試してみます。これを何回か繰り返すうちに、日本語に対応した英語が難なく出てくるようになると思いますよ。

1. 昨日、私が電話で病欠すると届けた時、あなたかメアリがそこにいたと思う。

     

1. I believe (that) either you or Mary was there when I called in sick yesterday. 

     

2. 昨日、私が立ち寄った時、メアリもあなたもそこにいなかった。

     

2. Neither Mary nor you weren't there when I dropped in yesterday.

3. その(2冊の)本のうち、どちらか手に入りますか?

     

3. Is either of the books available?

     

4. その(2冊の)本は、どちらも手に入りません。

     

4. Neither of the books is available. 

5. 彼の両親同様に、トムも責任感が強い。

     

5. Tom as well as his parents has a strong sense of responsibility.  

      

6. メアリばかりではなく、彼女の子供たちも大変礼儀正しかった。

     

6. Not only Mary but (also) her children were very polite.

     

7. メアリも彼女の子供たちも、大変礼儀正しかった。

     

7. Both Mary and her children were very polite. 

     

8. 彼女の子供のうち一人は、考古学者だ。

     

8. One of her children is an archaeologist.

     

9. その事故に対して、責任があるのはきみだ。

 

9.  It is you who are responsible for the accident. 

 

10. その巨大なビルを建設するためには、沢山の労働者が必要だった。

     

10. A number of workers were needed to construct the enormous building. 

     

11. 彼の支持者は、それほど多くなかった。

     

11. The number of his supporters was not so many. 

      

12. この農場では、沢山の家禽が育てられている。

※家禽類 = 七面鳥、ホロホロ鳥、ガチョウなどのこと

     

12. A lot of poultry are raised on this farm. 

    

13. 冷蔵庫に沢山の肉がある。

     

13. A lot of meat is in the refrigerator. 

     

14. このペットショップの中では、どの犬も猫も檻に入っている。

    

10. Every dog and cat is in a cage in this pet shop.

 = All the dogs and cats are in a cage in this pet shop. 

    

15. 何が起こったのか知っている委員は全くいない。

    

15. None of the members of the committee knows what was happened. 

     

解答例1.call in = (会社などへ)電話で届ける、報告する、call in sick = 病気で休むと電話で届ける

解答例2.drop in/by = stop in/by = step in = 立ち寄る

解答例5.have a sense of responsibility = 責任感がある、特に強弱を示す場合は have a strong/weak sense of responsibility

解答例9.be responsible for 〜 = 〜について責任がある

解答例12.poultry = 「家禽」は集合名詞のなので複数でも形は変わりませんが、可算名詞ですからa lot of が付くと述語動詞は複数扱いになります。なお、pultlyは「家禽の肉」という意味で物質名詞として用いられる時は単数扱いです。

「農場で」と言う場合の前置詞はonで、例えば「農場で働く」なら"work on a farm"となります。

解答例13.「肉」は物質名詞で不可算名詞なので単数扱い、in the refrigerator = in the frige = 冷蔵庫の中に

      

2011.2.13.-2.14.+2.21.-2.22.+2.24.

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