不定代名詞の主なものは、all、both、one、none、other、another、some、any、each、either、neither などです。ここでは、これらの基本的な用法と注意点をまとめてゆきますが、この他にsome やanyがthing やoneと結びついて出来ているsomeone、something、anyone、anything なども不定代名詞の仲間に入ることを覚えておいて下さい。
1.all 代名詞としてのall は「全ての人(もの)」の意味で用いられ、数を表す時は複数扱い、量を表す時は単数扱いとなります。また、形容詞、副詞としても用いられ、可算名詞、不可算名詞ともに修飾しますが、定冠詞、指示代名詞、所有格の名詞や代名詞より前の位置に置かれます。これと異なり、目的語が代名詞の場合は、その目的語の後に置かれます。代名詞用法と一緒に、これらの用法や置かれる位置もセットにして覚えておきましょう。
@) 代名詞用法 ex) All were happy. = We all were happy.(Weと同格) = All of us were happy. (みんな、喜んだ。) 代名詞としてだけではなく、「万物、森羅万象」「一切合財の所有物」などの意味で名詞として使われることもあります。「万物、森羅万象」という意味では、「All」と大文字で始めることが多いようです。
A) 形容詞用法 ex) All the books here are mine. (ここにある全ての本は、私のです。) She helped her mother all day long. (彼女は一日中、母を手伝った。)
B) 副詞用法 ex) I was all alone. (私は全く一人ぼっちだった。) We are all happy.(みんな、すっかり喜んだ。)
C) 注意すべき all の位置 @ 定冠詞、指示代名詞、所有格の名詞や代名詞と共に使う時は、これらの前に置く ex) all the books all those friends all his money
A 目的語が代名詞の時は、その後に置く ex) I love my friends. I love them all. (私は友達が好きです。彼らみんなが好きです。)
D) 部分否定 all が否定語を伴う時は部分否定となり、「すべてが〜とは限らない」という意味になります。全否定の場合と区別しましょう。 ex) All those books are not interesting. (それら全ての本が面白いとは限らない。) ・・・ 部分否定 ⇔ None of those books are interesting. (それらの本は、どれも面白くない。) ・・・ 全否定
2.both both は「両方」の意味なので、常に複数扱いされます。代名詞の他に形容詞、接続詞としても使われるので、置かれる位置とも合わせて覚えておきましょう。また、否定語を伴う時は all 同様に部分否定となることに注意して下さい。 @) 代名詞用法 ex) Both of his parents came to the party with him. = His parents both came to the party with him (同格)
A) 形容詞用法 ex) Both his parents came to the party with him. ※形容詞用法のbothは、all 同様に冠詞、指示代名詞、所有格の名詞や代名詞より前の位置に置かれます。 I love my parents. I love them both. = I love both of them. ※目的語が代名詞の時は、all 同様にその後に置きます。
B) 接続詞用法 接続詞の場合は、「both A and B (AとB両方とも)」の形で用いられます。A、B の部分に入るのは名詞とは限りませんが、動詞と動詞、節と節のように、文法的に同じ成分を並べなくてはなりません。 ex) Both Mary and Tom came to the party with him. (メアリもトムも、彼と一緒にパーティに来た。) She can both sing and dance. (彼女は、歌も踊りも両方できる。)
C) 部分否定 both が否定語を伴う時は部分否定となり、「両方とも〜というわけではない」という意味になります。全否定の場合と区別しましょう。 ex) Both of his parents are not at home. (彼の両親ともに、家にいるわけではない。) ・・・ 部分否定 ⇔ Neither of his parents is not home. (彼の両親はどちらも家にいない。) ・・・ 全否定 ※ Neither はひとまひまりにして否定する語なので、常に単数扱いである点に着目して下さい。
3.one @) 前出の名詞を受ける 前出の名詞を受ける代名詞としては、it と one があります。これらはそれぞれ使い方が違いますので、整理して覚えておきましょう。
ex) My sister has a beautiful dress. (姉はきれいなドレスを持っている。) - She let me wear it at the party last night. (昨日のパーティで私にそれを着させてくれた。) ・・・ 同一のドレスそのもの - She bought one like that for me. (私にそれと同じようなのを買ってくれた。) ・・・ 同じようなドレスで別もの
A) 一般的な人を表す ex) One must take good care of oneself. (身体を大事にしなければいけない。) この用法では、原則としてone を受けるのはone になりますが、米語では一般にheで受けます。また、oneにsome、any、every、each、noなどが付いている場合は、he で受けます。 ex) Everyone must take good care of himself. (みんな、身体を大事にしなければいけない。)
4.none none は、「誰も(何も)〜ない」の意味ですが、数を表す時は複数扱い、量を表す時は単数扱いとなります。全否定である点に注意して使いましょう。 ex) None of the girls are not students. (その少女たちは、誰も学生ではない。) None of the money is mine. (その金は私のではない。) 代名詞の他に、too やsoと共に用いて「全く〜でない」という意味に用いられることもあります。この場合のnone は副詞です。 ex) It's none too good. (それは全然良くない。)
では、以上のような点に注意して、以下の日本語を英語に直してみて下さい。極力、日本語で考えず、イメージを自動的に英語にする努力をしましょう。もちろん、発音やイントネーションにも注意して下さい。すぐに言えなかった場合は正解例を見て記憶し、少し時間を置いてから言えるかどうか試してみます。これを何回か繰り返すうちに、日本語に対応した英語が難なく出てくるようになると思いますよ。
2007.11.17..-11.18.
>> 基礎確認篇その12.代名詞4.不定代名詞 A)other、another、some、any
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