Doritos Live Chat Part3

2000.1.18.

      

Part 3

Karina: さあて、再びドリトス・ライヴに戻って参りました。私はカリーナ、そして今日のゲストはスクリッティ・ポリッティです。ドリトス・チャットについて、詳しくは www.doritos.comまでアクセスして下さいね。ところで、グリーン、貴方はご自分のレコードを聞かないそうですね。エゴみたいなものって、持ってらっしゃらないんですか。

Green: そんなことないよ、誰でも持ってると思うけどね。ただ、ぼくは自分の歌を聞いても自尊心を満足させることなんて出来ないだけなんだ。そんなことしたらどうなると思う? せいぜい、「くそっ、もうちょっとなんとかならないのかよ」って気になるだけだもの。

Karina: なるほど...。

Green: 心のどこかでね、楽しいのは作ることそのものなんだって知ってるんだよ、ぼくは。

Karina: この作品は特にそうですよね、4枚の中でも。どうして?

Green: ウエールズ住まいから抜け出してきたあとだからじゃないかな、と思うけど。で、まだやれるな、ってわかって、それも思ってたより作るのがずっと楽しかったんだよ。今まで何枚もレコードを一緒に作って来たデイヴ・ギャムソンと一緒だったしね。

Karina: スクリッティのキーボーディストですよね。

Green: ぼくの親友さ。

Karina: 随分長く会ってらっしゃなかったんでしょ?

Green: 7年くらいね。

Karina: そのことについて伺ってもいいでしょうか。

Green: 業界にイヤけがさしてもうやめようと思った時に、デイヴや他のみんなとも連絡を断ってしまって、そのまま7年間つきあいが途絶えたままになってたんだよ。

Karina: すごいですね。どうやって友情を取り戻したんですか。手紙を書いたり、とか? 

Green:  手紙を書いたか、って? その通りさ。昔なつかしい「手紙」をね。

Karina: 昔懐かしい、って、つまり封筒に入れて送るやつ?

Green: うん。それでね、またレコードが作りたくなったんだけど、って書いたんだ。そりゃ、とにかく長い時間が経ってしまってたからなあ。でもそれはすごく大事なことに思えたんだよ。そしたら、なんとデイヴは英国まで飛んで来てくれてさ。まあもし、このレコードが他に何も成し遂げるところがないとしても、彼との友情を取り戻せただけで意義があると思うよ。

Karina: じゃあ、ミシェル・ンデゲオチェロと仕事するのはどうでしたか。

Green: そりゃ、凄いの一言だよ。音楽を創るというのは、ある意味、人と出会う口実みたいなところがあってね。ぼくは自分がすばらしいと思える人たちと会うのが、とても好きだし。

Karina: なるほど...

Green: もしその人のやった仕事が気に入っていたら、その人がどこにいるのか見つけるのはわりと簡単なんだよ。ただ電話を取り上げて知ってそうな奴にかければいいだけ。

Karina: そりゃあ、誰だって貴方の名前は忘れてやしませんからね...

Green: あんなに長くシーンから消えてたんだからね、それはどうだかわからないけど。

Karina: 貴方がカム・バックしたことについての、音楽業界のリアクションはどうでした?

Green: ヴァージン・レコードに戻って、「やあ、ぼくだけど」、って言ったんだ。ぼくは見放されてはいなかったけど、何もしないわけにはいかないからね。で、デモを聞かせたんだけど、すると連中は「なかなかいいじゃない、作ってみろよ」って。運がいいんだろうけど、ぼくが一緒に仕事をして来たレコード会社の連中は、いつでもそんな感じで任せてくれて、だから曲についてあれこれ指図されることもなかったな。

Karina: それって厄介ですもんね。 

Green: ぼくの友達なんか、レコード作ってる最中に会社からああしろ、こうしろ言われてたしさ。

Karina: 何か作ろうと思ったら、回りから指図される前にやっちゃわないとね。

Green: なかなか根性がいるよ。ぼくは上手い具合にそういうのには付き合わないで済んでるけど。まあ、そういうわけで我が道をゆく、がやれたわけなんだ。ある意味おかしなことなんだけど、ぼくのレコードっていろいろな所から影響を受けてるじゃない。それなのにやりたいようにやらせてもらえたんだ。

beautiful_1_2000_2000: 80年代と90年代とで、それぞれ主要な影響というのは、どのあたりから来てるんでしょうか。

Green: 80年代ね...、たぶん...。いつでもビートルズからの影響は背景にあったと思う。それに特に80年代はマイケル・ジャクソンもね。ソングライティングや制作の面で、80年代には大いに影響されてるよ。そもそもぼくは怒れるパンク世代から出てるわけで、でもその後Shalomanなんかを聞く方が好きだなと思うようになったからね。

Karina: んー。

Green: ニューヨークのバンドは言うに及ばず、ザ・システムなんかもね。それにクインシー・ジョーンズみたいに本当に洗練されたR&Bってやつも。

Karina: それについてのお友達の反応はどんなものだったんですか。

Green: あの頃は...、まあ何でも議論しなけりゃ始まらないって時代だったから。自分の計画や姿勢を守るにはね。おかげでバンドのメンバーを二人は失ったし、新しく二人探さなきゃならなくなった。それがぼくのポップ志向に対する連中の反応だったな。

Karina: 大変でしたね。でもやっぱりご自分の姿勢を守り通すというのはさすがですよ。

Green: で、90年代なんだけど、80年代からヒップホップは大好きだったんだよ。でも90年代になってやっと取り入れることが出来たんだ。DJ Premiere、EMPD、Pete Rock....、それに山ほど他の凄いプロデューサーやラッパーなんかも。それに、ザ・フーファイターズ。

Karina: ザ・フー・ファイターズですって?!!!!

Green: とか、その周辺の人たちもね。

Karina: トリップ・ホップ・ムーヴメント全体については、どう考えてらっしゃるんですか。

Green: よくプルー・ノートに行ったもんだよ。トリップ・ホップ・ムーヴメントはそこから始まってるからね。しばらく夢中になってた。でもそのうちニューヨークから出たヒップホップの方が聞きたくなって、そのうちトリップ・ホップは終わってしまったし。

Karina: ええ。

Green: そのジャンルからすばらしいレコードが何枚も生まれてるのは確かだと思うけど、ぼくはそれよりずっとイースト・コースト・ヒップホップにご執心だったんだ。

Karina: わかりました。では、もうひとつ質問を聞いてみますね。

o_c_c_a_m_s_r_a_z_o_r: 最近読んだ本を三冊挙げて下さい。

Green: カール・マルクスの自叙伝、今年出たんだけどね。

Karina: ええ...

Green: ビーチボーイズについての新しい本も読んだよ。そういうのは初めてだったけど。それに認識論理の概論も読んでる。面白いよ。...まあ、ある程度は。

Karina: 深いですね...! さて、では今度は"Smith and Slappy"を聞いてみましょうか。

Green:  "Smith and Slappy"! それって二つともぼくがマスター出来なかったスケートボードのテクニックなんだよ。

Karina: そういう意味なんですか?

Green: スケードボードもぼくに大きな影響を与えたもののひとつだからね。

Karina: では、どうぞ!

(Plays: Smith and Slappy)

Part 1<<

Part 2<<

>>Part 4