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SPECIAL CAKE Vol7. いちごのヴァシュラン

 

Vol6のボムグラッセに続いて、アイスクリームケーキの登場です。今回もボムグラッセと同じイチゴのシャーベットを使いますが、パルフェを組合わせたボムグラッセと違って、こちらはシャーベットの方が主体なので、ぐっとあっさりした清涼感のある仕上がりになります。全体に甘さ控えめですが、平たく焼いた乾燥メレンゲを組合わせてあるので、この甘みがアクセント。表面を覆っている生クリームは凍らせてもあまり冷たくならないので、生クリームとメレンゲがシャーベットで冷えた舌を元に戻してくれる感じです。ちょうどアイスクリームに付いてるウエハースのような役割を果たすわけですね。

ショートケーキを作った時にも使いましたが、今回も表面全体を生クリームで覆うので、製菓用の回転台、7"のパレットナイフがあると便利。それから、最後に周囲にギザギサの模様を付けるために、三角のケーキカードもあると良いですね。写真のものはセットで200円でしたが、半円の方はボールに残ったタネをキレイに擦り落としたり、ロールケーキなどの生地を平らに均すなどにも使えるので、セットで持ってると重宝しますよ。

 

★材料★

 

●いちごのシャーベット(直径15cmの丸型一台分)

牛乳 500cc、 生クリーム 200cc、卵黄 6個、グラニュー糖 150g、レモン汁 1/2個分、いちご 300g(1パック)

 (作り方はこちらを参照して下さい。)

※使うのは出来上がりの2/3くらいなので、材料を2/3にして作っても十分足ります。残りは容器に入れて冷やし固めると単体で食べられます。

メレンゲの乾燥焼き(直径18cmの円形のもの2枚)

卵白 3個分、グラニュー糖 150g、レモン汁 1/4個分

※このメレンゲは円形に乾燥焼きして本体のシャーベットアイスをサンドするのに使いますが、スポンジケーキで代用することも出来ます。その場合は、直径15cm、厚さ1cmのものを2枚用意しましょう。スポンジの材料と作り方は、こちらを参照して下さい。スポンジには洋酒を含ませると、更に凝った味わいが出ます。

 

●仕上げ用生クリーム 300cc、グラニュー糖 15g、いちご6個、飾り用アンゼリカ

 

 

 

作り方 : 

 

1.直径15cmのケーキ型に、いちごのシャーベットを詰めて堅く凍らせる。3〜4cmくらいの高さに詰めておくとよい。

※底取れタイプの型を使うと抜きやすくて便利です。

 

2.卵白をピンと角が立つくらいまで堅く泡立ててから、グラニュー糖を小分けにして加えながら更に堅く泡立てる。最後にレモン汁を加え、混ぜながらよく泡立てる。

※糖分を加えると卵白は柔らかくなりますが、このメレンゲは乾燥焼きにするので、カラっと仕上げるためにもピンと角が立つまでよく泡立てて下さい。あればハンドミキサーを使うと効果的です。

 

 

 

3.オーブンシートを敷いた天板の上に、直径1.2cmの丸型口金を使って、写真のような渦巻き状にメレンゲを搾り出す。これを2枚作る。(底部分に2枚敷く場合は3枚作る。)

※直径は本体より少し大きめで、18cmくらいにしておきます。

※うまく搾れなくても、大体が円形になっていれば大丈夫。オーブンシートに予め型を乗せて形を書いておくと搾りやすいです。隙間が出来てしまったら、均しておきましょう。

 

 

4.150〜180度くらいにオーブンを予熱し、火は止めた状態でオーブンに入れて余熱で乾燥させてゆく。予熱した中に入れて30分〜1時間置き、再度予熱してから火を止めて放置するのを4〜5回繰り返すと、湿気が飛んで指で触れられる状態になり、オーブンシートから自然に底がパリンと剥がれるようになる。この後、ダメ押しで150度くらいに熱したオーブンでもう1度乾燥させておくと完璧。中途半端だと後でベトベトしてくるので、徹底的に乾燥させておくこと。

※予熱する時に暖めすぎると、焼き色が付いてしまうので注意しましょう。二度に一度くらい天板を取り出して段を入れ替えるようにすると、均等に乾燥させることができ、焼き色が付くのも防げます。

※季節によって室温が異なるので、乾燥焼きの放置時間も異なります。一般に室温15〜20℃なら、40〜50分ごとに暖めます。目安としては、オーブンが冷めてきたら暖めると考えると良いでしょう。

※乾燥メレンゲは本体と合体させる直前に作るようにしましょう。放置しておくと湿気を吸ってベトベトに逆戻りしてしまうので、保存しておくなら乾燥剤をたっぷり入れた密閉容器に入れておくこと。なお、湿気てしまっても、もう一度乾燥させれぱ元に戻ります。

※メレンゲが余ったら、丸く小さく搾り出して一緒に乾燥させるとメレンゲロッシェになります。これも保存する時は、乾燥剤を入れた密閉容器に入れておくようにしましょう。

 

 

5.メレンゲの周囲を切り落として、本体の大きさに合わせる。

 

 

 

6.1の本体を型から抜き、6の乾燥メレンゲでサンドする。

※完成して1〜2日置いておくと、メレンゲは溶けてシロップ状になってしまいます。特に底部分が早く溶けるようなので、円形メレンゲを3枚作って、底だけ2枚敷きにしておいても良いでしょう。なお、溶けても全体の味にはあまり変わりありません。

※型から抜く時は形を崩さないように注意しましょう。抜く前に型ごと数秒水につけると表面が少し溶けて抜きやすくなります。また、周囲に竹串を差し込んで一周させても抜きやすくなります。金串を使うと型を傷つけてしまうので、必ず竹串を使うようにし、あまり強くこすらないようにします。

※型から抜いたら、一時間ほど冷凍庫に戻して再度固めるようにすると扱いやすくなります。溶けかけていると、その水分をメレンゲが吸収しやすくなってしまうので、必ず固めなおしてから合体させるようにしましょう。

 

 

 

7.氷を入れたボールに生クリームとグラニュー糖をの入った別のボールを乗せ、固く泡立てる。

※ボールや生クリームは冷たい方が泡立てやすいので、ボールは使う前に冷蔵庫で冷やし、生クリームも使う直前に冷蔵庫から出すようにしましょう。こうすると10〜15分くらいで泡立てることが出来ます。

※あまり激しく掻き立てないで、軽くホイップするようにします。特に、しぼり出しで模様を描くような場合は、激しく掻き立てたクリームだと空気が入りすぎてキレイに模様が出ません。このため、ハンドミキサーより泡立て器で丁寧に泡立てるのが美味しく作るコツです。

 

 

 

8.7の本体の表面をクリームで覆い、パレットナイフで平らに伸ばす。

※回転台があるとキレイに表面を均すことができます。特に側面は、パレットナイフを当てて回転台をゆっくり回すと自然に平らになります。なお、最終的に表面を均す時は、パレットナイフの平たい面をケーキに当てて伸ばすようにすると、クリームが削られずにキレイに仕上がります。

※最後にトッピングのため少量の生クリームが必要になるので、少し残しておきましょう。

 

 

 

9.キレイに表面が塗れたら、周囲にギザギザのケーキカードを一周させて模様をつける。

※ケーキカードのギザギザには3サイズありますが、今回は中サイズの辺を使います。

 

 

106等分した位置にパレットナイフで小さく印をつけ、星型口金で残しておいたクリームを搾り出す。

 

 

11.軽く洗って水気を拭き取ったイチゴにグラニュー糖をまぶし、搾ったクリームの上に乗せて飾る。

※イチゴは少し湿り気味の方がグラニュー糖がキレイに付くので、水気はぬれふきんで拭き取るようにすると良い。

 

 

12.2mm角くらいに細かく切ったアンゼリカを中央に散らして出来上がり。

 

乾燥メレンゲを作るのは面倒なんですが、あやぼーとしてはあっさりしているヴァシュランにはスポンジケーキよりこちらの方がよく合うような気がします。こういうケーキってボムグラッセの時にも思いましたけど、アイスクリーム単体より、いろいろな味が融合して味に深みが出るというか、一度こういうのを食べるとアイスクリームだけじゃちょっと物足りなくなるかも。ここではボムグラッセもヴァシュランもイチゴシャーベットで作りましたが、フレーバーを変えるだけでいろいろ違ったバリエーションが楽しめそうですね。

実は今、夏向けにアイスクリームをいろいろ研究してるんですけど、フレーバーは既に抹茶とプラリネとコーヒーのが美味しく出来ています。それに、今年の夏は自家製アイスを冷凍庫にいろいろ山ほど作って、パフェとかのカフェ・スイーツのデザインを考えてみようかなと思ってるんです。そんなわけなので、そのうちそういうのもページになって登場するのではないかと思われます♪

2007.3.28.+.4.24.+5.1.

photo : 2007.3.26.+4.15.+4.26.

layout : 2007.3.28.+4.18.+4.28.

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