あやぼーの文法教室*文法なんてカンタンだ! - 研究篇1. 動詞の目的語 (RSS2.0)

四の五の言わずに黙って暗記 - 文法なんてカンタンだ!!

研究篇★その1.動詞の目的語

5.「S+V+O+to不定詞」の形を取れる動詞

  

前章までで、動詞によって続く目的語の形が変わることを学びましたが、ここでは更に「〜が・・・することを」の意味で不定詞との間に目的語を間に挟んで使える動詞をピックアップしてみます。不定詞を目的語に取る動詞であっても、間に目的語を挟んで用いることが出来ない動詞もあるので、入れても良いものについて、ここでしっかり把握しておきましょう。

         

advise

I advised him to keep it a secret. 

私は彼に、それを秘密にしておくようにと助言した

 = 私は彼に、それを秘密にしておくことを勧めた

allow I can't allow you to go there. 私はきみに、そこへ行くことを許すことは出来ない。

 = 私はきみを、そこへ行かせるわけにはゆかない。

ask/

beg/

request

I asked him to  accompany me. 

I begged my husband to accompany me.

He requested me to go.

※どの語も「請う、頼む、願う」などの意味で用いられますが、askが最も一般的です。なお、begは「お願いだから〜してくれ」、requestは「要請する」くらいのニュアンスを持っているので、場合に応じて使い分けられるようにしておきましょう。なお、desireも「望む、頼む」などの意味を持っていますが、これについてはこちらを参照して下さい。

私は彼に同行するように頼んだ

私は夫に同行してくれと頼んだ

彼は私に行ってくれと頼んだ

bring I can't bring myself to tell you the truth. 

 

私は、あなたに真実を話す気にはなりません。

(bring=「〜に・・・させる」。通例、否定文、疑問文で用います。例文は直訳すると"私自身にあなたに真実を話させる気にはなりません"となります。)

cause/

lead

The experience caused her to decide to go to college. 

 = The experience led her to 〜

その経験が、彼女に大学へ行く決心をさせた

(cause = 〜させる、〜する原因(理由)となる)

Subsequent events led him to reconsider his position.

 = Subsequent events caused him to 〜

その後起こったいくつかの出来事が、彼に自分の立場というものを考え直させた

(lead = 〜する気を起こさせる、〜するように仕向ける)

command/

order

The captain commanded his men to attack.

 = The captain ordered his men to attack.

隊長は部下に攻撃せよと命じた

(command/order = 命じる)

compel/

force

She compelled her son to go to college.

 = She forced her son to go to college. 

彼女は、息子を無理矢理大学に行かせた

(compel/force = 無理に〜させる、compelledのスペルに注意。)

desire He desired me to stay with him.

※desireは「望む、頼む」の意味に使われますが、ask, beg, requestとも違い、「切望する、熱望する」などのかなり強いニュアンスが加わってきます。

また、「[人に]望む」場合ばかりではなく、「[物事を]願う」場合にも使われます。ex) He desired to have a good result. (彼は良い結果を得たいと願った。)この場合は動詞と不定詞の間に目的語を必要としませんが、ニュアンスや用法にこのような違いがあることを覚えておいて下さい。*注1)

彼は私に一緒にいてくれと強く望んだ
determine The news determined me to act at once.

 = I determined to act at once as soon as I got the news..

※determine は、decideよりも更に強い決意を表現し、「決定する」の他に「(人に)決心させる、決意させる」という意味があります。このため、双方の意味に応じて主語が変わるわけですが、意味から考えて「determine+O+to不定詞」にはなっても、「decide+to不定詞」でしか使えないことも覚えておきましょう。

その知らせは、私に即刻行動に移る決心をさせた

 

direct I directed him to leave the room.   私は彼に、部屋を退出するように指示した

(direct = 指図する、指示する、命じる。ただし、command/orderより、命じるニュアンスは柔らかめになります。)

drive The heat drove us to rest 酷暑は我々に休息を余儀なくした

 = 我々は、酷暑のため休息を余儀なくされた。

(drive = 無理に〜させる、余儀なく〜させる。この意味ではだいたいにおいて、compel/forceと互換性がありますが、driveは元来「〜に追い込む、追いやる」という非常にきつい意味を持っているので、ニュアンス的にはcompel/forceより更に強要の度合いが強い表現になるようです。)

enable Computers enable us to do a lot of things easily.

※Computers enable us 〜 

= A computer enables us 〜 

= The computer enables us 〜

「〜というもの」と、その種類全体を指す時は、どの言い方を使っても構いません。

コンピュータは、我々が多くのことを容易に行えるようにする

 = コンピュータを使えば、我々は多くのことを容易に行うことが出来る。

(enable = (行為などを)可能にする、容易にする)

encourage His father encouraged him to fight for what he desired. 彼の父は彼に、欲しいものは戦い取れと励ました
expect I expect the bus to be late.

※expectは主に「期待する」という意味ですが、日本語のように「好ましい結果を求める」ばかりではなく、単に「予期する、予測する」というニュアンスで使われる場合もあり、特に口語では「思う、考える」程度の意味にも使われます。

私は、そのバスが遅れると思います

 

forbid I forbid you to say anything against her. 私は、あなたに彼女の悪口を言うことを許しません

(forbid = 禁じる、差し止める、許さない)

get I will get him to mow the lawn.

 = I will have him mow the lawn. *注2)

私は彼に、芝を刈ってもらおう
help Jane helped her mother (to) cook the dinner. 

*注3)

ジェーンは母が、夕食を作るのを手伝った
instruct The doctor instruct me to diet 医者は私に食餌制限するようにと指示した
invite The singer invited the audience to join him in singing. その歌手は聴衆に向って一緒に歌いましょうと呼びかけた

(invite = (丁寧に/正式に)求める、請う、誘う。ただし、この意味のinviteは改まって言い方で、口語ではaskを使う。)

leave I'll leave you to think it over. そのことは、あなたにじっくりと考えておいてもらいましょう

(leave = 〜にさせておく、〜に任せておく)

like I like you to go at once. *注4)  

 or)  I'd like you to go at once. 

米) I like for you to go. at once

私はきみに、すぐ行ってもらいたいのだ。

 

oblige The law obliges everyone to pay his taxes. 法律によって、誰でもみな、税金を払わなければならないことになっている

(oblige = (法律、命令、道義心、必要性などによって)強いる、無理に〜させる。force/compelに近い意味ですが、これらが一般的に広く使われる語であるのに対し、obligeは特に「法や命令などによって強いる」というニュアンスが強い語です。)

permit Permit me to explain.

※Let me explain. よりは、改まった言い方。

私が説明するのをお許し下さい

(permit = 〜することを許可する、可能にする。)

persuade We couldn't persuade him to wait 我々は彼を待つように説得したが、だめだった。
prepare Mother prepared me to receive the bad news. 母は私に、悪い知らせを受け止める覚悟(準備)をさせた
promise Will you promise me never to mention it again? そのことは、二度と言わないと私に約束しますか?
recommend He recommended me to think carefully. 

※ recommend には動名詞を続けることも出来ます。

ex) He recommended visiting Paris.

(彼は、パリ見物に行くのを奨めた。)

彼は私に、慎重に考えるよう勧めた

 

remind Remind me to phone him tomorrow. *注5)   明日私に彼に電話することを思い出させて下さい

 = 明日私に、彼に電話することを忘れないように注意して下さい。 

(remind = (人に)思い出させる、気づかせる)

require He required her to explain it. 

※commandほど強くはありませんが、orderに近いニュアンスを持ち、公式要請など、改まった場面で「命じる、申し付ける、要求する」などの意味で使われる語です。「求める」という日本語訳も出来ますが、ask, beg,requestなどとは根本的にニュアンスが違うので、混同しないようにして下さい。

彼は彼女に、それを説明せよと要求した
teach  She taught him to dance

<比較> She taught him how to dance.

※前者が「教わって踊れるようになった」というニュアンスを含むのに対し、後者"how to dance"は「踊り方を教える」という事実に焦点があって、最終的に踊れるようになったかどうかは含まれていません。

彼女は彼に踊ることを教えた

<比較> 彼女は彼に、踊り方を教えた

 

tell I told him to wait 私は彼に待てと言った
tempt The book tempted me to read more on (/about) the subject. 

※"cause, lead"でも代用可能ですが、"tempt"は元来
「誘い込む、誘惑する」という意味を持っていますので、特に「(魅力を感じて/興味を刺激されて)〜する気になる」というニュアンスで使うのが妥当でしょう。従って逆に、"cause, lead"から"tempt"に言い換えるのは場合によりけりということになります。

その本を読んで私は、その問題についてもっと読みたいという気になった

(tempt = 〜する気にさせる、〜したくてならない気持ちにさせる)

urge Her father urged her to accept the offer. 彼女の父は、彼女にその申し出を受けるようにと、強く勧めた
want I want you to go at once. 私はきみに、すぐ行ってもらいたい
warn I warned her not to go near the dangerous area. 私は彼女に、危険地帯に近づかないようにと警告した
wish I wish him to come*注6)   私は彼に来てもらいたい

   

※注1 このように、同じような意味を持つ単語でも、それぞれのニュアンスを持っている場合があり、単純に互換性のある語であるか、場合によって使い分ける必要があるかはかなり感覚的なものになります。日本語の意味だけ見て判断がつかないことも多いので、沢山の英文に触れて実際的な使い分けのカンを養いましょう。従来の英語学習では、このような「語のニュアンス」を意識せず、単に日本語の意味だけ合わせて英訳しようとする傾向が決定的に強いために、ヘンな言い回しになったり、通じなかったり、丁寧すぎたり、逆に失礼になったりするという問題が出てきてしまいます。この点よく注意して下さい。

  

※注2 "get"や"have"は「使役動詞」と呼ばれるもので、「〜に・・・させる/してもらう」の意味でよく使われます。ただし、"get"がto不定詞を取るのに対し、haveはtoのない「原形不定詞」を取る点に注意して下さい。なお、「使役動詞」には、この他にmakeやletがあり、"get/have"が「〜してもらう」くらいの弱めの意味になるのに対し、"make"は「〜させる」というかなり強いニュアンスを、"let"は反対に「〜してもよい」くらいの使役というよりは許可のニュアンスを表現します。

 ⇒ 「使役動詞」について詳しくは、研究篇2.使役動詞 make/have/get/let を参照して下さい。

   

※注3 "help"は、米)では通常 toのない原形不定詞を取り、英)でもその傾向が強いようですが、主語が「物」の場合や、目的語が長い場合にはto不定詞が用いられます。また、不定詞となっている動詞が、継続的な動作を表現する動作動詞の場合は、動名詞にしても構いません。

ex)

Computers help us to process a lot of data at once. ・・・ 主語が「物」

 (コンピュータは我々が沢山のデータを即座に処理する手助けをしてくれる。)

We helped the boys and girls from Asia to learn about Japan. ・・・ 目的語が長い

 (我々は、アジアの少年少女たちが、日本について学ぶ手助けをした。)

Tom helped his father painting the wall all day long.  ・・・ 目的語が継続的な動作を表現

 = Tom helped his father (to) paint the wall all day long.

 (トムは、父が塀にペンキを塗るのを、一日中手伝った。)

  

※注4 "like"は、「望む、欲する、〜したい」の意味では"wish, want"と互換性があり、"would like to"になると、"want to"より丁寧な言い回しになります。 また、「好きである」の意味では不定詞、動名詞ともに取り、それぞれで意味に違いが出る場合もありますので、注意が必要です。

 ⇒ "like"について詳しくは、研究篇1.動詞の目的語 B)動名詞・不定詞ともに取るもの を参照して下さい。

   

※注5

● "remind (人)+ to + 動詞の原型"で、「[人に]〜することを思い出させる、思い起こさせる、気づかせる」ですが、

● "remind (人)+ of + 名詞"で、「[人に]〜を思い出させる、思い起こさせる、気づかせる」になります。

ex) 

She reminds me of her mother. (彼女は、私に彼女の母を思い出させる。)

He needs to be reminded of his deficiencies. 

 (彼は、自分の欠陥を気づかせられる必要がある。= 彼に、自分の欠陥を気づかせてやらなければ。)

また、よく使われる言い回しで、That reminds me. (あ、それで思い出した)という使い方もあります。合わせて覚えておきましょう。

 

※注6 "wish"と"want"は、どちらも〜を「欲する、望む」という意味ですが、一般に"wish"は実現の可能性がより低い事柄について、「〜であればよいのにと思う」というニュアンスで使われることはよく知られています。しかし、例文のように実現の度合いに関わらず、「要求する、命じる」の意味で"want"より形式ばった言い方として使われることもあり、状況や文脈によっては注意が必要です。

           

2008.10.5.

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