あやぼーの文法教室*文法なんてカンタンだ! - 研究篇1. 動詞の目的語 (RSS2.0)

四の五の言わずに黙って暗記 - 文法なんてカンタンだ!!

研究篇★その1.動詞の目的語

3.動名詞・不定詞ともに取るもの

 

ここで紹介する動詞は、原則的に目的語として動名詞を取っても、不定詞を取ってもほぼ意味が変わらないものです。ただし、

● 「bother, choose, intend」は動名詞を取ることは稀で、通常は不定詞を取る傾向があるとか、

● 「begin」は動名詞を取ると「突然〜し始める」というニュアンスが出るとか、

● 「like」は英国では不定詞を取れば"would like to(〜したい)"と同じ意味に、動名詞を取ると「(習慣的に)好きである」になるとか、

● 「hate (⇔ like)」は不定詞を取れば「今はイヤだ(〜したくない)」、動名詞を取れば「(習慣的に)キライだ」になる傾向があるとか、

このように、文法的に完全に「意味が変わらない」と線引きしてしまうことは難しく、実際の会話などでは細かなニュアンスに違いが出てくることがあります。これらは文脈や話の流れから判断のつくことが多いものだと思いますが、こういった細かい点にも注意して覚えておいて下さい。

attempt

Mary attempted to finish the work in one day. *注1)

 = Mary attempted finishing the work in one day.

メアリは、その仕事を一日で終えようと試みた

bear ex1) I can hardly bear to see her. 

ex2) I cannot bear being along so long.

ex3) This cloth will bear washing

私は、彼女を見るにしのびない

私は長いこと一人でいるのに耐えられない

この布地は洗濯に耐える。= 洗いがきく。

(bear = 〜するのを我慢する、耐える。通常はex1・2)のように「can+否定語」で否定文や疑問文に用いますが、ex3)のように「モノが使用に耐える」という意味で、肯定文に用いられることもあります。)

begin ex1) Ted began to talk about his mother.

ex2) Ted began talking about his mother.

テッドは、彼の母について話し始めた

テッドは、いきなり彼の母について話し始めた

(動名詞・不定詞ともに「〜し始める」という意味に変わりはありませんが、ex2)のように動名詞を使うと「突然〜し始める」というニュアンスが出ます。)

bother No one bothered to visit him. 

 = (まれに) No one bothered visiting him.. 

誰もわざわざ彼を訪れようとはしなかった。
cease ex1) The singer ceased to be talked about.*注2)

   

ex2) They ceased talking.

その歌手は、人にウワサされることが途絶えた

 = 人のウワサにのぼらなくなった

彼らは、話やめた

(cease = 終わる、途絶える、止む、止める)

choose We chose to go out for dinner.

 = (まれに) We chose going out for dinner.

我々は、外食することを選んだ。= 外食することにした。

(choose = 選ぶ、好む。活用はchoose>chose>chosenなので、スペルに注意。)

continue They continued to talk about the new plan until late at night.

 = They continued talking about the new plan until late at night.

彼らは、新しい企画について夜遅くまで話し続けた
hate ex1) I hate getting up early.*注3)

ex2) I hate to do it.

私は、早起きはキライだ

私は、そんなことはしたくない

intend ex1) He didn't intend to hurt your feelings.. 

ex2) (まれに) He intended giving up the sea and becoming an actor.

彼にはきみをキズつけるつもりはなかった。

彼は船乗りをやめて、俳優になるつもりだった

like ex1) I like to play tennis..*注4)  

   

ex2) I like playing tennis.

私は、テニスをするのが好きです

  /英)私はテニスをしたい

私は、テニスをするのが好きです

  /英)私はテニスをするのが好きです

love I love to go out with him.*注5)

 = I love going out with him.  

私は、彼と出かけるのが好きだ
neglect Don't neglect to write a letter to her*注6).

 = Don't neglect writing a letter to her.

彼女に手紙を書くのを忘れないようにしなさい。

(neglect = [不注意や無関心から、うっかり]〜し忘れる、〜しないでおく)

omit ex1) Don't omit to put out the light. 

 = Don't omit putting out the light.

ex2) He omitted reading the article.

 = He omitted to read the article.

灯りを消し忘れないようにしなさい。

   

彼は、その記事を読み忘れていた。

(omit = 〜しそこなう、〜することを控える、〜するのを忘れる)

plan We plan visiting England next month.  

 = We plan to visit England next month.

※"plan"は上例のように用いても間違いではありませんが、"plan to"は堅苦しい言い回しになるので、口語ではbe planning to/plan on〜ing用います。*注7)

私たちは来月、英国を訪ねるつもりです
prefer She preferred staying home.*注8

 = She preferred to stay home. 

※preferredのスペルに注意!!

彼女は、家にいる方が好きだ
propose He proposed to ask her to luncheon.*注9

 = He proposed asking her to luncheon.

彼は彼女を昼食に誘おうと言い出した

(propose = 〜したいと言い出す、提案する)

start They started to work. *注10

 = They started working.

cf) They started work. (※この場合のworkは名詞) 

彼らは働き始めた

   

彼らは仕事を始めた

   

※注1 "attempt"は「失敗の可能性もある初の試み」というようなニュアンスを含むこともあり、"try"より堅苦しい言い回しになります。従って、通常は"try to"を使いますが、"try"はよく使われるように不定詞を取れば「やってみようと努力する」という「努力そのものに焦点を置く」ニュアンスが出るのに対し、動名詞を取ると「試しに〜してみる」という「実際に行う行為そのもの」に焦点を置く表現になることも合わせて覚えておきましょう。

 ⇒ "try"について詳しくは、研究篇1.動詞の目的語 C)動名詞・不定詞ともに取るが意味の異なるものを参照して下さい。

※注2 "cease"が状態動詞を目的語に取る時は、動名詞にしません。

また、口語では通常"cease to/〜ing"の代わりに"stop 〜ing"を使います。"stop"は、このように「〜をやめる」という意味では動名詞を使いますが、不定詞を取ると「〜するために立ち止まる」という意味になりますので、混同しないようにしましょう。ちなみに、"stop to"で用いられるto不定詞は副詞用法になります。

 ⇒ "stop"について詳しくは、研究篇1.動詞の目的語 @)動名詞しか取らないものを参照して下さい。

※注3 この例文はそれぞれ"I hate to get up early."、"I hate doing it."とも言えるわけですが、動名詞を使うと「習慣的にキライである」、不定詞を使うと「今はイヤである」というようなニュアンスが出る場合もあります。

※注4 アメリカでは、動名詞か不定詞かであまり厳密な区別はないようですが、英国では不定詞だと"would like to(〜したい)"と同じ意味になり、動名詞だと「(習慣的に)好きである」というニュアンスが出るようです。なお、「〜したい」と言う場合は、一般によく使われる"would like to"を使っておけば間違いありません。

※注5 "love"には基本的に"like"のように「〜したい」という意味はありません。ただし、口語では、

Would you like to go out for dinner? (夕食に出かけませんか?)

 ― I'd love to. (いいですね。)

のように、「〜したい」というニュアンスの肯定表現として使われることがあります。ごく一般的に使われる慣用表現として、覚えておくと良いでしょう。

 

※注6 neglectを「無視する」という意味で覚えておられる方も多いと思いますが、これは大体の場合、「[人、物事を]無視する」という意味で目的語には名詞が来ることが多いのに対し、不定詞や動名詞が来ると通常「[うっかり]忘れる、しないでおく」という意味になるので、合わせて覚えておいて下さい。

※注7 "be planning to"とは言っても、"be planning 〜ing"とは言わないことも覚えておきましょう。

※注8 "prefer"はよく「〜より〜の方が好き」という比較に用いられることがありますが、この場合の「〜よりも」の部分は一般に"than"ではなく"to"を使います。従って、比較に用いる場合は"to"の重複をさける必要があるため、"prefer 〜ing to 〜ing "の形で用いられます。

ex) I prefer staying home to going out. (私は、出かけるより家にいる方が好きだ。)

また、"rather than"を使って、以下のように言うこともできます。

ex) I prefer to stay home rather than to go out.

 = I prefer to stay home than to go out. ・・・ ratherが脱落

 = I prefer to stay home than go out. ・・・ rather, 後のtoが、ともに脱落

 

※注9 "propose"は既に「プロポーズ」と日本語化していることもあり、「結婚の申し込みをする」という意味で覚えておられる方も多いと思います。しかし、不定詞や動名詞を伴うと「〜したいと言い出す、提案する」という意味が出るので合わせて覚えておいて下さい。なお、この意味では演説などで、「提起したい」というような改まった言い方として用いられることもあります。

ex) The Republicans propose to combat urban problems primarily through private enterprise. 

(共和党は都市問題に対し、主として民間企業の援助のもとに解決に邁進することを提起したい)

 

※注10 ただし、以下のような場合は不定詞が使われる傾向にあります。

@ "start"が進行形になっている (starting to)

A 主語が「もの」の場合 (ex) The car started to move. )

B 目的語になる動詞が感情や知的状態を表現する時 (ex) He started to worry.)

また、目的語の内容が開始したことの方に関心があり、継続するかどうかが問題ではない場合には、動名詞が使われる傾向もあります。 (ex) They started talking.)

   

2008.10.1.

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