第4回 お茶菓子について考える

 

前回までで緑茶を除く主なお茶については知ってる限りのコトを書いてしまったので、今回はいよいよお茶菓子についてあれこれお話してみたいと思います。やはり美味しいお茶には美味しいお茶菓子、古今東西どのような国でも人間の考えるコトは同じなようで、どこのお茶にもマッチングの良いお茶菓子が必ずあるもの。中国茶に月餅、緑茶には練り切りや干菓子、とくればこれはもうやっぱり紅茶にケーキが定番でしょう。それはもちろんなんですが、英国にはかのアフタヌーン・ティという偉大な習慣があって、彼らはケーキばかりではなくマフィンやスコーン、それにサンドウィッチなども一緒に楽しんでしまうみたいです。中国に行くとコレが飲茶になるんでしょうね。

さて、今回のタイトルに使っているお写真、コレはあやぼーお気に入りの某ティ・ルームの大人気アフタヌーン・ティのセットです。もう、この使ってあるティ・セットをみれば、どこのティ・ルームかはバレてしまいますが、やはり本格的なアフタヌーン・ティが楽しみたければココに行くしかないのではないでしょうか。このセットのメニューですが、まずたっぷりのリーフ・ティとミニ・サンドウィッチ、これはトマト、きゅうり、サーモン、チーズの4種類で、それに焼きたてのスコーンとマフィン、最後にケーキもつくというものです。スコーンとマフィンにはそれぞれシナモンバターとクリームやジャムをつけて食べますが、このあたりがやはり本格的な英国式アフタヌーン・ティのメニューというところでしょうか。

そういうワケで、ご自宅お茶タイムにもこのへんをお手本にしてお茶菓子を用意してみるのも楽しいかもしれません。そこで今回はまず美味しいスコーンの作り方をご紹介しておきましょう。これはイギリスで人気のあるシェファード・ティ・ルームで出されているものだそうで、あやぼーも作ってみましたが、なかなか美味しかったですよ。

 

材料 : (直径5cmくらいのスコーン 6〜8個分くらい)薄力粉225グラム、ベーキングパウダー小さじ一杯半、グラニュー糖 50グラム、無塩バター 50グラム、ドライフルーツ・ミックス70グラム、ミルク(または水)60cc、塩ひとつまみ

こちらは刻んであるドライフルーツ・ミックス。昔はオレンジピールやレモンピールを丸ごと売っていたものですが、最近はホームメイドケーキ用に、あらかじめ刻んだものがマーケットのケーキ材料コーナーで手に入ります。オレンジピールなどは、けっこう固くて切るのが面倒だったので便利ですよね、コレ。

 

 

作り方 : 

 

1. 薄力粉、ベーキングパウダー、バターをボールに入れ、指でもむようにしてなじませます。冷蔵庫に入っていたバターは室温くらいに戻しておくと、馴染みやすくなりますよ。薄力粉とベーキングパウダーは、あらかじめ合わせてふるいにかけておくと尚良いそうです。

 

 

2. 粉とバターが馴染んだら砂糖、ドライフルーツ、ミルク、塩を加えて、柔らかく粘らなくなるまで混ぜます。パン粉のようにポロポロしてくるくらいになったらOKです。

 

 

3. 打ち粉をふった台に乗せ、同じく打ち粉しためん棒で厚さ1.5センチくらいに伸ばした生地を、5センチくらいの丸型(なければ直径が同じくらいのコップや空き缶でも良い)で抜きます。ハギレになった生地は、もう一度伸ばしなおして同様にして型で抜いて下さい。次に天板に打ち粉をするかベーキングシートを敷いて生地を均等に配置し、180度に暖めたオーブン(中段)で15分〜20分くらい焼きます。予熱が浅いと20分くらいかかりますね。ふっくら膨らんで表面がキツネ色になって来たら出来上がり。(金串などで刺してみて、中までサクっとなっていたらOKです。)

焼く前に表面に軽くミルクをぬっておくとキレイに仕上がるそうですよ。それから直径5センチというのは目安なんで、食べにくいようなら大きさは調整してみて下さいね。

 

お好みで生クリームやバター+ジャムをつけてどうぞ。出来たてを頂くのが柔らかくて一番美味しいですよ。甘さは砂糖で加減できますし、冷めると固くなるので生地が余るようなら小さなクッキー型などで抜いて一緒に焼いておくと日持ちします。

また甘さ控えめな方がお好きでしたら、ドライフルーツ・ミックスの代わりにクルミ35グラムとローズマリー少々(生ハーブなら枝二本分程度)、砂糖は25グラムくらいに減らして焼いてみて下さい。あっさりとしたスコーンになるでしょう。

昔はよくケーキなども焼いたあやぼーですが、最近は全然。でも1時間半くらいで出来てしまったので、とてもお手軽でした。お友達とのティ・パーティでも手間が掛からないので重宝しそう。貴方も試してみませんか?

では次はティ・サンドウィッチを作ってみましょう。作ると言ってもこちらは特に難しいところはありません。サーモンやトマト、チーズ、きゅうりなどを薄め小さめに切ってはさみ、九分の一にカットするだけ。普通より小さめなところがティ・タイム用のサンドウィッチっぽいんですよね。中身は他に生ハムやパティ、シー・チキンをマヨネーズであえたものなども美味しいと思います。

ところで最近あやぼーが気に入ってるケーキが写真のもの。これは神戸北野の山本通りに最近出来たイグレック・プリュスというお店のケーキですが、特にこのチョコレート・ケーキ(タルト・ショコラ・グランカカオ 470円)が絶品!! チョコレートケーキそのものは、もともとあまり好きではないんですが、生チョコのケーキだけは例外なんです。もう昔の話になりますが、ベルナール・ロワゾー氏のラ・コートドールでいただいたチョコレートのミルフィユを彷彿とさせる出来ばえで、久々の大ヒットでした。もし神戸に行かれることがあったら、是非ともオススメしたいですね。神戸はケーキ屋さんが乱立するくらい沢山ありますが、その中でもお座なりでなく本当に美味しいものを作っているお店は、そんなに多くないと思います。こちらのお店では他にも下の写真のレアチーズケーキ(タルト・フロマージュ・リュバルブ 400円)、モンブラン(550円)が、あやぼー的には特にオススメ。ホテル系のお店なので基本がしっかりしているということだと思いますが、ケーキの他にデニッシュ類、ナチュラル・チーズ、ハーブ・ティなども揃っています。

 

チェーン店のあるような大掛かりなお店ではなく、個人店などで良く出来たお菓子を見つけると嬉しいものなんですが、一般にどこでもお店それぞれで力を入れているケーキ、特に良く出来ているというのもあるものなんですよね。作る人にも特に好きな、若しくは得意な素材があるわけで、初めて入ったお店ならウィンドゥを睨んで意匠が凝っているとか美味しそうなカオをしているとか、じっくり見て選ぶのがコツですよ。

お茶菓子と一言で言いますが、この他にも多様なクッキーや、ちょっと豪華にデザートに仕立てたものなど、こうして見てくるとお茶を楽しむという日常のために、これだけいろいろな「小さな楽しみ」を創造して来たとは、人間というのはつくづく偉大だなと思いますね。もちろん、ご家庭でも工夫次第で楽しいティ・タイムを演出できるでしょう。お客さまを招いた時などは、ホームメイド・ケーキに生クリームを添えて出すとデザートっぽくって、お洒落な雰囲気になりますよ。それから一般にあまり使われていないと思いますが、案外便利なのがケーキなどを食べる時に添えるデザート用のナイフ。特に生クリームを添えた時などは、ナイフがあった方が食べやすくなりますね。

今回このページのために久しぶりにオーブンでスコーンを焼いてみましたが、なかなか楽しかったので今度はケーキに挑戦してみようかなと思っています。果たして上手に焼けるかな? 成功したら、また作り方などご紹介しますので、楽しみにしていて下さいね。では、今回はこのへんで。

2002.4.9.+4.28-29

BGM : Affair In San Miguel (Originally by Rippingtons)

tea! tea! tea! vol2. ハープティのお話 <<

Daily Life Worksho Vol3. 「テーブルウエアの研究」 <<

こちらでは、あやぼーお気に入りのティ・セット・コレクションがご覧になれます。

tea! tea! tea! vol3. 紅茶のお話 <<

>> tea! tea! tea! vol5. ロイヤル・ミルクティとそのバリエーション

>> tea! tea! tea! annex * Sweets Sweets vol1. アーモンドのタルトを作る

>>TOP PAGE