お金をかけずに英会話

<<中級からの学習法>>

その5. 「話す」ための徹底学習術

英語で話すことに慣れよう -イメージトレーニングとテーマトーク -

★場面のイメージを追いながら、英語で話してみる★

英会話110番では、いろいろな場面を想定してよく使われる慣用表現を沢山覚えましたね。では、実際にそういう場面に遭遇した時、本当にそれらの表現がとっさに出てくるでしょうか。その練習をするのがイメージトレーニングです。

例えば、貴方が海外に旅行するとします。あちらの空港に着いて英語しか通じなくなった時に、「荷物を受け取る → 税関を通る →タ クシーをひろう → 行く先を告げる → 料金を払う → ホテルにチェックインする」とか、「お店に入って気に入ったものがあった時、値段や素材などの細かい点について尋ねる → 買うかヤメるか意思を伝える → 買う場合は支払いをどのようにするかを伝える」とかのような一連のシチュエーションには必ず出くわします。そういう時に想定される受け答えに対して、落ち着いてスムースに対応する練習をするわけですね。ですから、もちろんコトバは口に出して、正しい発音とイントネーションで即座に言えるようにしなければなりません。

海外に行った時ばかりではなく、国内で道を尋ねられた時にどう案内してあげればいいのか、これは地図を見ながら具体的に自分たちのいる場所と目的地を想定し、そこから目的地までどう行くかを英語で言うと効果的でしょう。また、日本的な習慣や気候の特徴など、よく外国人が知りたがるようなことについて、どう説明すればいいのかなど、想定される場面はいくらでも考えつけると思います。

こういう練習を一人でするのも良いですが、もしご家族そろって英語を学習しておられれば、ロールプレイ方式で練習することもできます。ロールプレイとは、店員と客、税関係官と観光客など、それぞれが役割を受け持って受け答えすることです。英会話110番には、ご紹介したように様々な場面を想定して応用会話が盛り込まれていますから、始めのうちはそれを正確に再現する練習をするのも良いでしょう。それがこなせるようになったら、自分たちで違った場面を想定して言いたいことが言えるかどうかという練習に発展させてゆけば良いわけです。週末は家族でスピーキング大会ということにして、うまく言えなかったらアイスクリームをおごるとか、一回とちったら減点何点とかのゲーム性を持たせれば、楽しみながら続けてゆけるのではないでしょうか。

「話す」ということも当然「慣れ」ることが大切ですから、このように日常的に英語を口にする機会を増やしてゆけば、おのずと話せるようになってきます。「学校英語」のカリキュラムの中には「聴く」もありませんが、それ以上に決して「話す」ということもありません。これでは例え毎日なんらかの英語の授業があったとしても「話せるようにならない」のは当然のことです。ここにも決定的な欠陥があると言えるでしょう。

ともあれ英会話教室に行かなくても、話す訓練は一人でも出来ますし、相手が欲しければ家族や友人で十分間に合います。お子さんに英語が話せるようになって欲しいと思われる方は、効果に対して確たる保証のない英会話教室に大金をはたいてコドモを押しやるよりも、学習テープなどを利用して正しい発音を心がけ、毎日一緒にコトバを覚えてゆくような環境を作られることの方がはるかにすばらしいと思います。お子さんが小さいほど、こういうのが効果的でしょう。こうすれば、お子さんばかりではなく、ご自身の世界も広がります。

ただ、ひとつ大切なことは、日本人どうしで英会話する時にも、発音は絶対正確にするように心がけることです。悪い発音は伝染病のようなもので、なまっているヒトに言葉を習えば、当然教えられた方もなまるようになってしまいます。このへんをきびしく制御しておけば、日本人どうしで会話の練習をしても外国人と話すのとなんら変わるところはありません。

 

★テーマを決めて話してみる★

ロールプレイや日常の場面を想定しての簡単な会話に慣れたら、今度はもうちょっと複雑なことを話す訓練をしてみましょう。例えば、最近見た映画や読んだ本についての感想や、趣味についてとか、週末にあったことや旅行に行った時の思い出など、友達とよく話題に出てくるようなことについて、英語で話せるかやってみます。こういう話題は外国人と話していても頻繁に出るものですし、練習の段階でもし言いたいことが言えないようなら、言えなかった部分について、その内容で使われる単語や熟語、用語などを調べてもう一度トライします。こうやっておくと、実際にそういう話が出てきた時には用意万端。ちゃんとコトバも調べて覚えてあるんですから怖いものはありません。

日常的な話題をテーマに話せるようになったら、今度は政治信条だとか、国際情勢に関する意見だとか、あまり頻出しないコトバを必要とする話題についても同じようにテーマトークしてみましょう。「自分の意見」を言うのに必要なコトバはわりと決まってくるもので、そのへんも言えなければ調べて言えるようにしておけば良いわけです。

以上のような「話す」訓練は、「聴く」「読む」「書く」とも相互関連を持っていますから、日常の学習カリキュラムには、これまでお話したようなそれぞれの学習術をバランスよく取り入れるようにして下さい。そうすれば、どんどん英語で言えることが増えてゆくと思いますよ。頑張ってね♪

2007.7.6.

 

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