数量形容詞にはmany、muchなど、数や量を漠然と表現する「不定数量形容詞」と、one、two、first、second のように具体的な数を表現する「数詞」とがあります。このページでは不定数量形容詞について解説していますので、数詞については次章を参照して下さい。
1.不定数量形容詞 @) many/few (数)と much/little(量)
@ 日本語で「たくさんの」とか「少しの」と言う時は数でも量でも構いませんが、英語では数か量かによってmany/few が付くかmuch/littleがつくかが厳密に分けられているので、対比的に覚えておく必要があります。 ex) We need a few spoons. (スプーンが何本か必要だ。) We need a little sugar. (ちょっと砂糖が必要だ。) ※ また、much、little、a little は、副詞としても用いられることを覚えておきましょう。 ex) She can understand English a little. (彼女は、英語が少し分かる。)
A a の付かないfew、little は否定語であるため、「少数の例外を除いて否定する」意味を持っていると言えます。全否定の場合とニュアンスが違う点に注意して下さい。 ex1) Few students can read Latin. (ラテン語が読める生徒は殆どいない。) No students can read Latin. (ラテン語が読める生徒は1人もいない。) ex2) There is very little hope of his success. (彼の成功には殆ど望みがない。) There is no hope of his success. (彼の成功には全く望みがない。)
B few や little に、「a」の代わりに所有格やthis、thatなどの代名形容詞が付いた場合は、「a」が付いている時と同様に「少数の存在を肯定する」意味になります。これは、所有格や代名形容詞が冠詞相頭語であるためで、これらが付いている名詞に更に冠詞を付ける必要はありません。 ex) Those few workers are not satisfied with this plan. (何人かの社員は、この計画に満足していない。) He thanked me for my little help. (彼は私のちょっとした協力に礼を述べた。)
C not a few、not a little は、「かなり多くの」の意味になることに注意しましょう。 ex) Not a few customers are interested in the new service. (かなり多くの顧客が、新サービスに興味を示している。) Not a little gold was found in the mountain. (その山で、少なからぬ金が発見された。)
D 「Many a + 単数名詞」 口語ではあまり用いられませんが、主に書き言葉として「非常に多くの」という意味の「Many a + 単数名詞」という表現があります。 ex) Many a story has been told about him. (彼については、非常に多くの話が伝わっている。) = Many stories have been told about him.
「いくつかの、数個の」という意味のseveral は「a few」と同程度の数を表します。従って、可算名詞の複数形にしか付きません。 ex) She stayed at the hotel for several days. (彼女は、そのホテルに数日滞在した。) ※ただし、several が「それぞれの」という意味を表す時は、可算名詞(複数形)、不可算名詞を問わず用いられます。 ex) Each has his several ideal. (人それぞれに理想がある。) They went their several ways. (それぞれ自分の道を行った。)
B) enough 「十分な」という意味で可算名詞(複数形)、不可算名詞両方に用いられます。 ex) There are enough toys for all the children. (子供たちに十分な数のおもちゃがある。) We have enough time to solve the problem. (問題解決には十分な時間がある。) enough は、上例のように名詞の前に付けるのが普通ですが、toys enough / time enough のように後ろに付けることもあります。意味は前に置いた方が強くなるようです。
では、以上のような点に注意して、以下の日本語を英語に直してみて下さい。極力、日本語で考えず、イメージを自動的に英語にする努力をしましょう。もちろん、発音やイントネーションにも注意して下さい。すぐに言えなかった場合は正解例を見て記憶し、少し時間を置いてから言えるかどうか試してみます。これを何回か繰り返すうちに、日本語に対応した英語が難なく出てくるようになると思いますよ。
正解例2 : 冠詞をa にするか the にするかは感覚的なもの。特に「一般にクルマを洗うには」と言う場合はa、意識的にイメージされる特定のクルマがあるような場合はthe、どちらでも意味に違いはありません。 正解例3で、「be satisfied with 〜 = 〜に満足する 」
2007.12.13.+12.15.
>> 基礎確認篇その14.形容詞2.数量形容詞A)基数詞と序数詞
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