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基礎確認篇★その14.形容詞

1.種類・用法と語順

 

形容詞とは、名詞を修飾して様々な描写を加える働きをします。

 

種類

形容詞には代名形容詞、数量形容詞、性状形容詞の3種類があり、それぞれ以下のようなものです。

・ 代名形容詞 ・・・ this, that, each, every, any, some, his, her,  など、代名詞や不定代名詞の形容詞用法や、人称代名詞の所有格がこの仲間に入ります。

・数量形容詞 ・・・ two, second のような数詞やmany, muchなどの不定数量形容詞のことで、具体的に数や量を描写する働きをするものです。

・性状形容詞 ・・・ beautiful, kind, big, small など、名詞に様々な描写を加える働きをします。一般に「形容詞」と言われて思い浮かぶのがこれでしょう。代名形容詞、数量形容詞以外は全てこの仲間に入ります。

 

2.用法

形容詞には、名詞を直接修飾する場合(限定用法)と、補語として用いられる場合(叙述用法)の2種類の使い方があります。

ex) This is a beautiful dress. ・・・ 限定用法

  This dress is beautiful. ・・・ 叙述用法

大部分の性状形容詞は限定、叙述用法ともに用いることが出来ますが、中にはどちらかにしか用いられないものもあります。また、それぞれの用法で意味が変わってくるものもあり、こういうところも沢山の英文に触れることによって感覚的に身につけてゆくべきところですが、よく使われる代表的なものはピックアップして覚えてしまっておくと役に立ちます。

@) 限定用法のみ

・ elder ・・・ ex) my elder sister(姉)

・ only、sole ・・・ ex) the only person(唯一の人物)、the sole heir (唯一の相続人)

・ mere ・・・ ex) a mere child(ほんの子供)

・ main ・・・ ex) a main street(主要道路)

・ former ・・・ ex) the former president(前の社長)

・ latter  ・・・ ex) the latter half of the 20 century(20世紀後半)

・ wooden ・・・ ex) a wooden house(木造住宅)

・ total ・・・ ex) a total stranger(全くの他人)

・ chief ・・・ ex) the chief engineer(主任技師)

・live[laiv](生きている)・・・ ex) live animals (生きている動物) / a live fence (生垣)

 ※但し、「生演奏」のように「生の」という意味では両方に使えます。 

 ex) That was a live performance. (あれは生演奏だった。)

    = The performance was live.

 

これらの他にも以下のようなものがあります。

ex) existing(既存の)、federal(連邦(制)の)、judicial(司法の)、

  indoor(屋内の)、outdoor(戸外の)、maximum(最大の)、minimum(最小の)、

  neighboring(近隣の)、occasional(時折の)、lone(孤立した)

 

A) 叙述用法のみ

ex) alone(孤独である)、alike(そっくりである)、ashamed(恥じる)、asleep(眠っている)、afraid(恐れている)、

  awake(目覚めている)、alive(生きている)、aware(知っている、気づいている)、

  content(満足している)、liable(法的責任がある)、subject(〜されやすい)

  worth(価値がある)、unable(できない)、well(健康な)

 

B)意味が異なるもの

ex) 

  限定用法 叙述用法
certain

ある、いくらかの、ある種の

I lend him a certain amount of money.

(私は彼にいくらかお金を貸した。)

確かな、確信している

I'm certain that he was in the wrong.

(私は彼が間違っていたと確信している。)

concerned

関係している

the authorities concerned (関係者全員)

all concerned citizens(全ての当該市民)

※過去分詞型の形容詞の場合、後置されることがあります。

心配している

I'm concerned about that. 

(そのことについて心配している。)

due

正当な、十分な、当然の

She should be paid due reward for her work.

(彼女は仕事に対して正当報酬を支払われるべきだ。)

到着予定で、支払期限の来た

The train is due in Tokyo at 7:30 A.M.

(その列車は東京に午前7時半到着予定だ。)

ill

悪い

They are angry at your ill manners.

(彼らはきみの無作法に腹を立てている。)

病気の

He is ill in bed.

(彼は病気で寝ている。)

late

故〜

the late Mr. Turner

(故ターナー氏)

遅れた、遅刻した

I'm sorry I'm late.

(遅れて御免なさい。)

present

現在の

The present mayor is Mr. Rogers. 

(現在の市長はロジャース氏である。)

出席しいている、存在する

The mayor was present at the meeting.

市長はその会議に出席していた。

ready

即座の

I got a ready reply.

(即答を得た。)

用意ができた、喜んで〜する

I'm ready to go.

(喜んで行きましょう。)

 

C) 語形が異なるもの

ex1) drunken (限定) / drunk(叙述)

  I hate a drunken man. (酔った男は嫌いだ。) ・・・ 限定用法

  Her husband is usually drunk. (彼女の夫は始終酔っ払っている。) ・・・ 叙述用法

ex2) live (限定) / alive(叙述)

  A live eel is difficult to hold.(生きているウナギはつかみにくい。)・・・ 限定用法

  The eel is still alive. (そのウナギはまだ生きている。) ・・・ 叙述用法 

 

3.語順

@) ひとつの名詞を修飾する形容詞がいくつか重なる時には、以下のような語順で並べるようにします。

冠詞・限定詞 または 代名形容詞 + 数量形容詞 + 性状形容詞 + 名詞

ex) the three beautiful sisters (美しい三人姉妹)

 

A) 性状形容詞がいくつか重なる場合には、その意味から以下のように並べると英語らしい表現になります。ただ、6段積みの形容詞というのはそれだけで不自然なので、実際にはそんなに沢山並べることはないでしょうが、基本の順序として覚えておきましょう。

大小 + 形状 +  性質・状態 + 新古・老若 + 色彩 + 材料・所属・固有名詞 (新古・老若と色彩は逆になる場合もあります。)

ex) all these small beautiful fresh white rose (これら全ての小さな美しい咲いたばかりの白バラ)

  a tall old English lady (背の高い英国の老婦人)

 

B) 後置修飾

原則と異なって、形容詞や形容詞句が名詞の後に置かれる場合を「後置修飾」と呼びます。これに対し、原則に従って前に置かれる場合を「前置修飾」と呼びます。「後置修飾」には多くの例がありますが、ここではよく使われる代表的なものを紹介しておきましょう。

@ 形容詞が「前置詞+名詞(または代名詞)」などを伴って、長い形容詞句になっている時

ex) a village far from the seaside (海岸から遠く離れた村)

 

A things や -thing, -one, -bodyで終わる不定代名詞を修飾する時

ex) things Japanese (日本風のもの) / something smaller (もっと小さいもの) / nothing serious (大したことではない)

 

B 「名詞 + 分詞」の形

ex) for the time being (当分の間) / at the time appointed(指定された時刻に) / the people concerned(関係者)

 

C 慣用表現

ex) on Monday next = next Monday ・・・ on next Monday とは言わないことに注意

  all present (出席者全員)、a sum total (統計)、Japan proper (日本本土)、from time immemorial (大昔から)

  Secretary general (事務総長)、attorney general(法務長官)

 

単語の意味するところそのものは間違っていなくても、並べ方を誤ると不自然な表現になってしまうことがあります。このような形容詞の語順や後置修飾の例を見ても、日頃から実際の英文に触れて英語感覚を養うことが大切ということが分かるのではないでしょうか。

では、以上のような点に注意して、以下の日本語を英語に直してみて下さい。極力、日本語で考えず、イメージを自動的に英語にする努力をしましょう。もちろん、発音やイントネーションにも注意して下さい。すぐに言えなかった場合は正解例を見て記憶し、少し時間を置いてから言えるかどうか試してみます。これを何回か繰り返すうちに、日本語に対応した英語が難なく出てくるようになると思いますよ。

1. 我々は既存の計画に最後まで拘るつもりだ。

1. We will stick to the existing plan until it is finished.

2. ふたつの箱は全くそっくりだ。

2. The two boxes are exactly alike.

3. その子は海岸でピンクの小さな貝殻を集めた。

3. The child gathered some small beautiful pink shells.

4. これは日本特有の習慣だ。

4. This is a custom peculiar to Japan

5. 私は何か白いものが暗闇でうごめくのを見た。 5. I saw something white moving in the dark.

正解例では、下線を付けた部分の用法、語順に注意して覚えて下さい。

 

2007.12.4.+ 12.5.+12.11.

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