冠詞は前置詞と並んで、英語において日本人が一番苦手な部分ではないかと思います。なんでそうなってしまうかというと、これまた「文法中心主義」の学習方法のせいなんですね。 確かにこういう時にはこの冠詞や前置詞が必ずつくとか、こういう場合は冠詞が省略されるとか、ある程度の常識としての線引きはあります。これは文法を通して学べる部分なんですが、文法というのは一定の法則性をまとめてはあるものの、実際の会話では「気分次第で」みたいなところがあって、それゆえ使い方に微妙なコツのようなものがあり、従って、冠詞や前置詞の使い分けを文法のみに頼ってしまうとその一部しか覚えられないことになります。知識が足りないのですから、使いこなせなくて当たり前。これを克服するにはやはり、実際の英文に沢山触れて、感覚的に慣れてゆくより他ありません。以下で解説する文法的な知識も、あくまで基礎的なものと考えて下さい。
1.種類と特性 冠詞にはご存知のように2種類しかありません。定冠詞(the)と、不定冠詞(a、an)です。名詞には原則的に冠詞が付くわけですが、これもニュアンスによって使われ方に例外があったり、習慣的に省略されたりする場合もあります。まずは、基本として以下のような特性があることを覚えましょう。
2.位置と語順 冠詞は基本的に ・ 「冠詞 + 名詞」 ・ 「冠詞 + 形容詞 + 名詞」 ・ 「冠詞 + 副詞 + 形容詞 + 名詞」 この語順で用いられ、常に名詞を修飾する部分のアタマにくるわけですが、以下のように意味を強めるような語がつく時は語順が変わるので注意して下さい。 @ what (many、such)+ a (an) + 名詞 ex) What a beautiful girl she is! (なんてキレイな少女だろう !) How can you make such a mistake? (どうやったら、そんなマチガイができるんだ?)
A how (as, so, too) + 形容詞 + a + 名詞 ex) He did it in so short a time. (彼はそんな短期間でそれをやってのけたのだ。)
B quite (rather)+ a + 名詞 ex) The article was quite a frame-up. (その記事は、全くのでっちあげだった。)
C all (both、half)+ the + 名詞 ex) All the people believed his words. (全ての人が彼の言葉を信じた。)
では、以上のような点に注意して、以下の日本語を英語に直してみて下さい。極力、日本語で考えず、イメージを自動的に英語にする努力をしましょう。もちろん、発音やイントネーションにも注意して下さい。すぐに言えなかった場合は正解例を見て記憶し、少し時間を置いてから言えるかどうか試してみます。これを何回か繰り返すうちに、日本語に対応した英語が難なく出てくるようになると思いますよ。
正解例では、下線を付けた部分の用法に注意して覚えて下さい。 正解例2では、the other day とyesterday を続けて文末に置くと語呂が悪いので、yesterday を文頭に出す方が自然です。 正解例5、6では、主語となる名詞が単数か複数かで意味が全く違ってきます。動詞の扱いにも注意して下さい。 正解例7のように「半時間」と言う時は、不定冠詞 anであってもこの語順になります。ただし、米語ではa half hour と言う場合もあるようです。
2007.11.28.+ 12.1.+12.3. 基礎確認篇その12.代名詞 補説・不定代名詞の形容詞用法(限定詞)と名詞の関係 <<
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