四の五の言わずに黙って暗記 - 文法なんてカンタンだ!!

基礎確認篇★その10.助動詞

5.mustとought to

 

「〜しなければならない」という「義務」を表現するのに使うmustですが、ought to も mustとほぼ同じ意味で使えます。ただし、ニュアンスとしは must が一般的に広く使われるのに対し、ought to は「責任、道徳的義務」のような比較的改まった意味合いで使われる傾向があるようです。また、ought という助動詞には必ずto不定詞が続くことになっているので、「ought to」の形で覚えておきましょう。否定形は「ought not to」です。

 

@)義務「〜しなければならない」

I'm afraid I must go. (残念ですが、行かなければなりません。

You ought to help him in this case. (この件では、あなたは彼を助けてあげるべきです。)

 

@ <<否定表現>>

「〜しなければならない」という表現に対する否定の度合いは、以下の2種類があります。ニュアンスによって否定表現も変わりますので、注意して下さい。

1.禁止 「〜してはならない」 ・・・ 強い否定 must not / ought not to

You must not go out. (外出してはいけません。)

You ought not to sell him out. (彼を裏切るべきではありません。)

 

2.不要 「〜する必要はない」 ・・・ 弱い否定 don't have to / need not

You don't have to help him. = You need not help him.

(彼を助ける必要はありません。)

 

A <<過去形、未来形>>

must には過去形も未来形もありませんので、「have to」を用いて表現します。この発音は「ハフトゥ」のようになり、ve が濁らない点に注意して下さい。ただし、時制の一致に関しては、must は形を変えません。

過去「〜しなければならなかった」 had to

現在「〜しなければならない」 must / have to

未来「〜しなければならないだろう」 will have to

He had to pay $5000 to repair the house. (彼は、家を修理するのに5000ドル支払わなければならなかった。)

He will have to put off his plan till Monday. (彼は計画を月曜日まで延期しなければならないだろう。)

※put off〜 「〜を延期する」

 

B <<慣用表現>>

1.口語で「〜しなければならない」という時には、よく「have got to」という慣用表現が使われます。合わせて覚えておきましょう。

I'm afraid I've got to go. = I'm afraid I must go. (残念ですが行かなければなりません。)

 

2.have only to」=「〜しさえすればよい」

You've only to touch the button to move this machine. (この機会を動かすには、ボタンに触れさえすればよい。)

   

A)推量 「〜にちがいない / 〜するはずだ」

He must be at home   (彼は家にいるはずだ。)

This book ought to be a good seller. (この本はよく売れるはずだ。)

 

この意味での否定は「must ⇔ cannot 」、ought to は義務を表現する場合と同じく「ought not to」となります。

This book cannot (ought not to) be a good seller. (この本が、よく売れるはずはない。)

 

★may、must、ought to などの、肯定否定関係一覧表★

許可⇔禁止、義務・必要⇔禁止・不要、肯定的推量⇔否定的推量を表現する助動詞の関係は入り組んでいるので、整理して頭にいれておきましょう。

許可「〜してもよい」 may  禁止「〜してはいけない」 

must not ( = ought not to) ・・・ 強い禁止

may not ・・・ 弱い禁止

義務 (必要)「〜しなければならない」 

must / ought to 

不要「〜しなくてもよい」 

don't have to / need not

肯定的推量 「〜にちがいない」 

must / ought to 

否定的推量「〜であるはずがない」 

cannot / ought not to

 

では、以上のような点に注意して、以下の日本語を英語に直してみて下さい。極力、日本語で考えず、イメージを自動的に英語にする努力をしましょう。もちろん、発音やイントネーションにも注意して下さい。すぐに言えなかった場合は正解例を見て記憶し、少し時間を置いてから言えるかどうか試してみます。これを何回か繰り返すうちに、日本語に対応した英語が難なく出てくるようになると思いますよ。

1. 簡単に気持ちを変えてはいけません。

1.  You must not (ought not to) change your mind easily. 

2. 彼は昨日、朝早くに起きなければならなかった。

2. He had to get up early in the morning yesterday.

3. 即座に決定を下す必要はありません。

3. You don't have to make a decision instantly.

 = You need not to make a decision in an instant.

4. 私はすぐに会議を招集しなければならないだろう。

4. I'll have to call a meeting soon.

5. このパーティに無料で参加するには、友達を連れて来さえすればよい。 5. You have only to bring along your friend to join the party for free.
6. 彼は健康を害しているにちがいない。 6. He must be in bad health. 
7. 彼女が、そんなに有名な女優であるはずはない。 7. She cannot be such a famous actress.

解答例で下線を引いた言葉は、イディオムとして慣用的に使われるものです。合わせて覚えておくようにしましょう。

make a decision (決定を下す)、in an instant = instantly (即座に、すぐに)

call a meeting (会議を召集する)、bring along ([ものを]持ってくる、[人を]連れてくる)、for free (無料で)、

be in bad health = be in ill health (病気で、健康状態の悪い) ⇔ be in good health (健康で、健康状態の良い)

 

2007.10.13..

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