mayは「〜してもよい(許可)」、「〜かもしれない(推量)」が代表的な用法ですが、他にも副詞節の中に用いて「たとえ〜しようとも(譲歩)」を表現したり、祈願文に用いられたりします。mightはその過去形で、時制の一致や仮定法、丁寧な表現には用いられますが、「許可」について過去形にする場合は「be allowed to」を使います。このようにmight はcould 同様、would やshould のように独立した用法はあまりないようです。
@)許可「〜してもよい」 May I keep my shoes on? - No, you must not. (くつを履いたままで良いですか? - いいえ、いけません。)
@ <<否定表現>> 「許可」を求めるmayに対して、否定する場合は「不許可、禁止」を表現することになるわけですが、否定の度合いによって用いられる否定形が変わるので注意して下さい。ふつうは「許可⇔禁止」という正反対の強いニュアンスが出るため、一般に「must not」が使われます。しかし「絶対いけない(must not)」ほどの禁止ではなく、「〜しない方がよい」という程度であれば「may not」を用いることもできます。ただし、自分の質問に対して否定的な答えが返って来た場合は、どちらの場合も禁止と受け取るのが無難でしょう。状況に応じて判断して下さい。 May I speak Japanese here? - No, you may not. (ここで、日本語を話しても良いですか? - いいえ、いけません。)
ちなみに must も、表現される意味に対して否定形が変わってくる助動詞です。これらは言葉のニュアンスという点から考えると理解しやすいと思いますので、mayとセットにして以下のように覚えておきましょう。
A <<過去形、未来形>> 「許可」を表すmayの過去形「〜しても良かった」、未来形「〜しても良いだろう」は、どちらもmay を使って表現することができません。そこで、こういった場合は「be allowed to」が使われます。 過去「〜しても良かった」 was (were) allowed to 現在「〜してもよい」 may / is (are) allowed to 未来「〜してもよいだろう」 will be allowed to He was allowed to use the room. (彼はその部屋を使うことを許された。) He will be allowed to use the room. (彼はその部屋を使うことを許されるだろう。)
B mightを用いた丁寧な表現 mayの変わりにmight を用いると、丁寧な言い回しになります。 Might I ask your age ? (お年を伺って宜しいでしょうか?)
A)推量 「〜かもしれない」 It may rain soon. (もうすぐ、雨が降るかもしれない。) It may not rain soon. (雨はすぐには降らないかもしれない。) この意味での否定は「may not」を使います。
B)祈願文 「〜しますように」 May you succeed! (貴方が成功しますように!) 祈願文は「May + 主語 + 動詞」の形で用いられます。通常の文と区別して覚えておきましょう。
C)譲歩を表す副詞節に用いて、「たとえ〜であろうとも」 However loudly you may shout, nobody will hear you. (いくら大声で叫んでも、誰にも聞こえないだろう。)
D)可能「〜できる」 = can 一般的にはcan を使いますが、古い言い回しでmay を使って「可能」を表現する場合もあります。 You may go there direct by bus. (バスで直行することができる。)
D)慣用表現 @ 「(So) that + 主語 + may」 「in order that + 主語 + may」 = 「<主語>が〜するために」 We need your help so that we may carry out the plan. (我々が計画を実行するためには、きみの助力が必要なのだ。) = We need your help in order that we may carry out the plan. = We need your help in order to carry out the plan.
A 「may well 〜」= 「〜するのも、もっともである」 You may well say so. (きみがそういうのも、もっともだ。)
B 「may as well〜」 = 「〜した方がよい (= had better〜)」 You may as well keep it a secret. (それは秘密にしておいた方がよい。) = You had better keep it a secret.
C「might as well 〜as...」= 「...するくらいなら、〜した方がましだ」 I might as well be starved to death as steal. (盗みをするくらいなら、餓死した方がましだ。) = I would rather be starved to death than steel. You might as well throw money away as spend it in gambling. (賭け事にお金を使うくらいなら、捨てた方がましだ。) = You would rather throw money away than spend it in gambling.
では、以上のような点に注意して、以下の日本語を英語に直してみて下さい。極力、日本語で考えず、イメージを自動的に英語にする努力をしましょう。もちろん、発音やイントネーションにも注意して下さい。すぐに言えなかった場合は正解例を見て記憶し、少し時間を置いてから言えるかどうか試してみます。これを何回か繰り返すうちに、日本語に対応した英語が難なく出てくるようになると思いますよ。
解答例1の「May I try this on?」は、洋服や靴の試着を申し出る時によく使われる慣用表現です。 解答例5の「brake one's word」は、「break one's promise」と同じ意味でよく使います。 解答例6の「Whatever may come」の代わりに、慣用的に「come what may」という言い回しも使えます。なお、この例でshallを用いているのは強い意思表示を強調するための用法で、代わりにwill を用いても構いません。 「...するより〜の方がましだ」という言い方は、解答例10のように「would rater 〜 than」の方が一般的で、口語の場合は「I'd rather〜」、「You' d rather〜」のようにwould を短縮形にして用いるのが普通です。
2007.10.11.. >> 基礎確認篇その10.助動詞 5.mustとought to
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