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Dialogue・Book1の中には、ボーイングをベースとしたプライヴェート・ジェットやバハマのヴィラ、パリ郊外の城など、そのモデルになったものが実際に存在する場面がいくつか登場します。どれも私のお気に入りの洋書からの引用ですけど、その写真をここでちょっとだけお見せしてしまおうと思います。これらの写真は個人のホームページにおいて、あくまで個人的な目的のために掲載しておりますので、転載等は一切ご遠慮下さいますよう宜しくお願いします。(※The intention of this page is purely enjoyment and for providing information about the なお、下のタイトル部分をクリックして頂くと、各項目の写真集がご覧になれます。
Scene1. Jet&Villa 綾がウォルターの初レコーディングに際して、彼らをフランスに送るために用意したプライヴェート・ジェットがこれ。お話ではプライヴェートですが、このStatesmanは本来、ボーイング727にカスタム・デザインで内装を施したチャーター機なので、予算が許せば我々でも豪華な空の旅が出来るというわけですね。もちろん、世界中どこにでも飛んでくれるらしいです。これは80年代のものなので727ですが、現在ならまた最新の機体でチャーターできるものがいくつもあるでしょう。機内の写真は見開きページになっているのをスキャンして繋いだものですから、ちょっと見づらいかもしれませんが雰囲気は十分伝わると思います。 ヴィラの方は、作中ではバハマになってますが、本当はアカプルコに実在するVilla Nirvanaがモデル。バハマにしたのは私のシュミというか、私の敬愛するブライアン・フェリー氏が、かの名作"Avalon"の一部をレコーディングしたのもバハマのコンパスポイントスタジオだったというのが大きいです。 "Nirvana"とはサンスクリット語で"the region of highest bliss"、つまり"至福の地"とでも訳すべきネーミング。まさに、このようなヴィラに相応しい名前でしょう。こちらも実際は丸ごと借り切ってひと夏過ごすなんてことが出来る建物なんですが、お話では加納家の別邸ということになっています。 "日の暮れともなるとそのテラスの端に立てられた高い四本のコラムの頂点にランタンで灯火をともし、その向こうに雄大な海を控えて暮れゆく空の燃えるような色彩の饗宴を楽しむことができる。もうひとつのプールは建物の反対側に位置しマスターベッドルームのテラスと続いているが、ユニークなのはその水が部屋にまで引き入れられていることだ。"なんてところは、写真集で実際の光景をご覧頂くことができますよ。一度はこういうところで休暇、過ごしてみたいものですね。
Scene2. Castle&Cottage こちらでは作中、"修三さんが買い取って五年の歳月をかけて修復した"という城のモデルをいくつか見て頂くことができます。これらはフランス各地に点在するものですが、それらが混交してお話の中の城のイメージになりました。中でも外観的に一番近いのは横の写真の白を基調にした優美な雰囲気のものかな。 ただし、"起源を16世紀にまで遡る"とか、"エデンとも言いたいような深い森を抱く庭園に囲まれて、至る所にゆったりと水路が流れている。数百年の齢を経た巨木が小道の両側におびただしく並んで夏の陽光を遮りながら煌き、森に点在する古い彫刻もまた、長い間そこに据えられて風雨にさらされて来たものだ"とかいう描写の元になったのはまた別のものです。そちらには本当は16世紀以前に城として機能する建物は存在していたようで、それが16世紀になって立て直され、その後、改築に改築を重ねて現在の形になったらしいですね。ま、そのへんに歴史の重みを感じて頂ければ、この場面をよりイメージして頂きやすくなるかと思います。写真集では、エントランスの光景や、綾がウォルターとブランディを飲みながら話していたサロンの雰囲気なども垣間見ることが出来ます。ちなみに、庭についてはScene3で改めて解説いたしましょう。 そして、この城の敷地内にあるという、綾が"昔は庭師のための建物だったみたい"と言っていた小さなコテージですが、これはギリシアの全く一般的なヴィレッジ・ハウスがモデルです。これも先ほどの城と同じく、いくつもの家の様子が混交してこのコテージのイメージになりました。従って、それを取巻く広大なバラ園も私が"Secret Garden"の印象を強めるために付け加えたものです。豪壮華麗な城とは対照的な建物ですが、しかし、こちらにも華麗な城に匹敵する美と歴史が秘められていることを感じてもらえると嬉しいです。
Scene3.The Garden 最後は"パリ郊外の城"を取巻く大庭園、と言うよりもこれはもう"広大な森の中に城がある"と言った方が正しいかと思いますが、その庭の様子をご覧に入れましょう。モデルはCourancesという城で、このネーミングは庭園を縦横に走っている豊かな水路(eaux courantes = the running water)から来ているそうです。ちょうど横の写真のような感じですね。 この地には先ほども書きましたように16世紀以前に既に城が存在し、建て直し、改築などの紆余曲折を経て1870年にフル・レストアがかけられ、ほぼ現在の形になったようです。しかし、1870年に手が入れられる直前までは、実際に約40年間に渡って放置された状態にあったとか。このあたり、実話を作中に応用させて頂きました。 ところで、実はこの庭はUKのロベールさんちのローデンの城を取巻く森のイメージにもなっています。こんなところで三兄弟はひと夏過ごしたんだな、と、想像してみると楽しくありませんか? 確かにメリルが夢中になってスケッチしまくりそうな庭ですよね。もちろん、綾とウォルターもこんなところで仕事したり休暇を楽しんだりしていたわけです。そう言えば、あとがき2でご紹介したスティーヴィー・ニックスも、ウォルターのようにどこだかのお城でレコーディングした作品があると何かで読んだことがあります。 ともあれ、これらの写真を見ていると、私も一度はこんなところで過ごしながら"崇高な小説作品に取り組む"なんてことをしてみたいなあと思ったりしちゃいますね。夏を過ごすには本当に素晴らしいところでしょう。
Text : 2010.12.26.-12.28. >> 〜あとがきのオマケ〜
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