京都篇・その1で次回トライするぞと言っていた学校歴史博物館を見学に行って参りました。この日はその後、二条城のライトアップに回ったんですが、まずは博物館の話題から始めましょう。こちらは平成四年に廃校になった建物を利用して、明治時代の京都での学校設立の発端から、その後の日本の学校教育の変遷を辿ることができる博物館として平成十年に開館したものです。 下の写真は博物館正門(明治34年にここの正門として建てられたもの)と、玄関部分(別の小学校の玄関として明治8年に建てられたものを移築)ですが、どちらも昔の小学校の面影を偲ぶことができますよね。もちろん館内には、多くの写真も展示されています。
そもそも明治維新に際して京都では皇室が京都から東京へ移ったことが市民感情に影響し、非常に沈んだ雰囲気になっていたという背景があったようです。これにより京都の衰退が予期されたことから様々な対策が取られましたが、教育に熱心に取り組むことで未来を担う人材を育成しようという動きも強かったらしい。そのため、京都では初期の頃、学校は国が作ったのではなく、民間から集められた寄付によって明治2年に64校の小学校が開設されています。いかに当時の人たちが、京都の未来に危機感を抱いていたかということでしょう。このようにして設立された小学校で、明治4年には日本初の体系立てられたカリキュラムも導入されたそうで、これは日本の組織的な学校教育の起源とも考えることが出来ると思います。 こちらの展示室に入ると、先に書いたような京都での学校発祥について解説したビデオを見せてもらえますが、展示内容や博物館の目的を理解するためにも、これを最初に見ておかれることをオススメしたいです。残念ながら展示室は展示物の保護のため撮影禁止でしたので、ここではお見せすることが出来ませんけど、日本の学校教育の歴史的変遷を辿るコーナーや当時の教科書の内容が閲覧できるコーナー、時代に沿った学校給食の変化を見るサンプル、実際に使われていた教具などもあって、けっこう見ごたえのある内容になっていました。この他に、京都の小学校では地域の特徴的な産業に不可欠な要素として、特に日本画の手法を伝えることにも熱心だったため、後に絵画や陶芸の世界で著名となった人たちも多く輩出しており、展示物の中にはそれらの作家から母校に寄贈された作品も多くあります。また、ここでは折に触れて様々な企画展や日本画教室なども開かれているので、興味のある方はホームページをチェックなさってみて下さい。 展示物以外の校内の様子については撮影しても構わないということで、撮ってみたのが下の写真です。まあ、どこの学校も昭和の頃と言えば、校内はこんな感じだったんじゃないかな?
小学校の建物なんて今となっては口に出して言えないくらい長い間ご縁のなかったところですから、なんか凄く懐かしいなあと思いながら見て来たんですけど、同時に感じたのは、学校制度が確立されいていなかった時代の人たちが教育について如何に熱心に取り組んでいたかということと対比して、現代の学校教育における意識の凋落ぶりいかばかりということでしたね。明治時代の日本というのはどー考えても今に比べて当然みんなびんぼーだったと思うんですけど、そこを押して費用を集めて教育制度を確立しようとした、これに対し、お金もモノも十分にあるのに現代の学校教育は、〜あくまで主観ですが〜 カンペキに破綻してるじゃないですか。こういう状態で続けるなら、もうさっさと学校制度なんか廃止してしまって、勉強したい子供だけ集めて寺子屋でもやった方がマシじゃないかと思うくらいですよ。はっきり言って、勉強したくないガキ集めて無理やり制度だけ維持しても、それはカネと時間のムダってもんだと思うなあ♪ ものみな浮かれるこの春に、ダウが2009年以来の最高値を記録している世の中で、なんで日本の株価が1万円割れなのよ。もちろんこれには経済的、政治的要因があるのは当然ですが、しかしそもそも現代日本において教育が破綻しているという事実が日本の根本的な国力低下を招いているとゆー、この事実をなんで誰も叫ばんのかね。京都における学校設立の発端に"京都の衰退が必至であるという現実を前にして、それを食い止めるためにも人材の育成が必要である"と考えたのは全くもって大当たりの正論だったわけで、同様のことに京都のみならず全国的に取り組んだことにより後の高度成長もあり得たわけだな。しかし、このリクツを逆でゆけば、学校教育が破綻すれば理想的な人材育成も停止、破綻するとゆー論理的帰結はバカでも導き出せると思うぞ。個人的には知ったこっちゃないから勝手にやってろ、てなもんですけど、ま、現在只今の時点で教育改革を断行しないならば、日本はアジアの最貧国目指してまっしぐらであるとは、別に予知能力がなくたって分かるよね。 なんてことを、考えつつ見て来た学校歴史博物館でした。京都に行かれる機会がありましたら、日本の学校教育の今は亡き理想(笑)を偲ぶのもまた一興かと思いますので、訪問してみられてはいかがでしょうか。
さて、次は二条城ライトアップの話題です。京都篇・その1では、お昼の二条城を訪問しましたが、今回は夜桜見物ということで夜間公開に出かけてみました。今年(2011年)は3/25〜4/17に開催され、時間は18時〜21時。これは毎年だいたい同じようなものだと思いますけど、詳しくはホームページで確認なさって下さいまし。なお、夜間公開は通常の閉館時間後に行われ、観覧区域は外部の庭周りのみに限定されますので御殿内部を見ることはできません。そちらは、お昼の公開時間中にどうぞ。 んで、まず横の写真は夕暮れを背景に聳え立つサクラの大木でございます。はっきり桜とは分からないかもしれませんが、そこが夕刻の風情ということではないかと撮ってみました。なかなか幽玄な雰囲気が出ていると思いませんか? それと、↓のは清流園と呼ばれる庭園への通路から内堀方向を見た写真です。時刻はだいたい夕方の六時半くらいかな。
↓↓ 下の写真は六時くらいに撮ったものですけど、そのくらいだとまだかなり明るいですね。私が行った時は満開にまだ少し間があるという時期でしたが、それでもこんなに沢山キレイに咲いていました。
その後、どんどん日が暮れるにつれてライトアップも本領発揮。下の写真の建物は清流園内にある香雲亭です。他に、観覧区域には二の丸御殿の台所も含まれており、これがなかなか圧巻でした。こちらは確か日ごろは公開されていない部分だったと思いますけど、日本の古い木造建築には現在の建材からは考えられないくらいがっちりとした大木が用いられているもので、それは御殿内部よりも天井部分が剥き出しになっているこの台所の方がよく分かると思います。残念ながら薄暗い中だったので写真では肝心の天井部分がよく写っていませんが、一見の価値はあるので行かれることがありましたらぜひご覧になってみて下さい。なお、こちらでは筝曲の生演奏なども披露されていました。古いお城で聴く琴の音というのも、なかなか風流で良かったですよ。
夜間公開では清流園でのお茶席や京都の名産品展なども楽しむこともできるようで、名産品展はけっこう盛大に催されていました。もちろんいろいろなものをその場で買うこともできます。春の京都観光なら、オススメのスポットでしょう。夜はサクラも昼間とまるで違った表情を見せてくれるので、特にこのようなロケーションでは独特の雰囲気を楽しめます。 とゆーことで、こうやって京都をぼちぼち見て行くのはなかなか楽しいと思うようになってるんですが、これはやっぱり近場に住んでる人間の特権かもしれないですね。そこで今度は、祇園祭と御所あたりをカップリングして見物してこよーかなと思ってます。 photo : 2011.4.12. text : 2011.4.19.+ 5.5.
|