お金をかけずに英会話

<<中級からの学習法>>

その3.「読む」ための徹底学習術

1.多読に挑戦しよう - ペーパバッグ10000ページ!! なにを読む? -

 

★ペーパーバックを読んでみよう★

日本語の本にも読みやすい本と読みにくい本があるように、英語の本でも同様にそれはあります。それではなぜ、読みにくかったり、読みやすかったりするのでしょうか。

作品そのものの面白さや作家の技量など、さまざまな要素は考えられますが、まず平易で一般的な分かりやすい言葉を使ったものは読みやすいということができます。逆に、古典やニュース雑誌など、一般的でない言葉や独特の文体を使って書かれてあるものは読みにくいと言えるでしょう。従って、多読に挑戦しようとする時、中級レベルの語彙力しかないのに、あまりにも一般的でない言葉ばかり使ってある本を選んでしまうと、読みにくい上に面白くなくて続かないなんてことになってしまいます。一般的でない言葉にまで敢えてボキャブラリーを広げる目的で古典などを精読することも必要ですが、あまりそっち方面にばかり走るのも、実用的な語学力を優先的につけようとする段階では考えものです。

そこで中級レベル、つまりTOEIC470〜730レベルならどんなものを読めば楽しいのかについて考えてみると、語彙が平易で、なおかつストーリー的に面白い作品ということになりますね。

日本でも翻訳版でよく知られているシドニー・シェルダンやダニエル・スティールの作品は、この条件にぴったりハマるため、英語学習者の間でよく奨められるものです。しかも、お話に現代的なものが多いのでストーリーの流れがつかみやすく、一旦ハマると次々読んでしまえる楽しさがあります。翻訳版で読んだことがあるという方なら、知っている作品から原版に挑戦されると、英文の大意も掴みやすいでしょう。

1万ページというとすごいように思いますが、シェルダンやスティール作品の場合、一冊が平均400ページ前後なので、25冊読めば達成できてしまいます。TOEIC730レベルの方なら、ちょっとコツを掴めば2〜3日で一冊軽いですから、数ヶ月あれば十分ですね。まあ、そこまで頑張らなくても、月2冊の目標で読んで一年くらいで達成という軽い気持ちで始めてみられては如何でしょうか。TOEICのレベルが少し下がると、当然多少は難度が増すかもしれませんが、そういう方ほど「だいたいのストーリーが分かればよい」という程度にかまえて、あまり一語一語にこだわらず、英文慣れを目標に読み流す感じでやると良いと思います。こういう読み方を「多読(速読)」と言います。「多読」とは元来沢山の本を読むこと、速読とは精読に相対して使われる言葉で平たく言えば「流し読み」のことですが、多読しようとすると、方法としては精読よりも速読の方が適していると言えます。

シェルダンのペーパーバックは今のところ2005年に出ている"Are You Afraid of the Dark?"が最新のようで、これが19冊め。スティールは最近ちょっとチェックしてないので正確には分かりかねますが、彼女はシェルダンよりも多作なのでそろそろ50冊くらいは出てるんじゃないかな。全部読めば3万ページは軽く超えるってことですね。数冊読むとそこそこコツがつかめますから、そのへんからは勉強のために読んでんのか、楽しいから読んでんのか、境目がなくなってきますけど、こうなると20冊が30冊でもどんどん行っちゃいますよ。

では、どの作品から読めばいいかと思われる方のために、ストーリー的に特に面白いオススメをご紹介しておきましょう。(※ペーパーバックのタイトルデザインは変わることがあるので、現在では以下のサンプルと表紙が違っている場合もあります。)

 

Sidney Sheldon

 

If Tomorrow Comes 

主人公のトレイシー・ウイットニーは大銀行に勤める若く美しい女性。前途洋々としていた彼女の人生は、詐欺にかけられた上に自殺に追いやられた母親の死をきっかけに転落の一途を辿ることになります。一旦はワナにはめられて監獄送りの憂き目を見る彼女ですが、出獄すると見事に復習を達成。その後、二転三転するストーリー展開はスピーディでハマりこむこと間違いなし。

あやぼー的にはシェルダン作品の中で一番好きなものです。トレイシーのキャラも魅力的。

 

Master of the Game 

邦題「ゲームの達人」で、日本でもよく知られているシェルダンの代表作でしょう。南アでダイアモンドを発掘し一山あてた父親を持つケイト・ブラックウェルが、父の残した財産をもとにビジネスの世界で大成功をおさめながらも、家族には恵まれず、数奇な運命を辿る一生を描いた作品。

アメリカの上流社会を舞台にした道具立ては、日本の小説ではちょっと太刀打ちできないゴージャスさです。

Danielle Steel

 

Zoya

ロシア貴族の姫君として何不自由なく育ったゾヤ。しかし、ロシア革命の火の手が上がるや、彼女の運命は思いもかけない方向へ。革命から逃れて祖母とアメリカへ亡命する彼女ですが...。冒頭で極寒のペテルスブルグの原野と豪雪の中を疾駆する馬車のシーンはあまりにもリアルで印象的。

ごくごく最初に読んだスティール作品で、特に印象に残っているものです。

 

Accident 

こちらはぐっと現代的な作品。中流階級の何の変哲もない主婦ペイジ・クラークは、そこそこ恵まれた生活と夫や二人の子供にも満足している幸せな女性でした。しかし、娘アリソンが突然の事故に巻き込まれ大怪我を負うところから、過酷な介護生活が始まります。気弱な夫はこの困難に直面する勇気を持たず、仕事に逃げてアテにならない。従って彼女一人が苦労しまくりながら娘の回復に献身するハメに。

日本でもありそうなお話だけに、シチュエーションを想像しやすく読みやすい作品だと思います。

Wanderlust

恵まれたお嬢様育ちのオードリー・ドリスコルですが、年老いた祖父と広大な屋敷の面倒を見ながら退屈な毎日を送っていました。このまま私は年老いてゆくのかしら...。それが耐えられなくなった時、彼女は愛用のライカを手に旅立ちます。苦労知らずのオードリーが様々な世界に接しながら、やがて愛を掴んでゆくまでの冒険に満ちた心温まるストーリーです。

2007.7.2.-7.3.

 

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