等位接続詞同様、従位接続詞にも習慣的に他の語と呼応して用いられるものがあります。以下は代表的な例ですので、必ず押さえておきましょう。
1. not 〜 until ... / not 〜 till ... (...して初めて〜) We cannot realize the worth of health until we lose it. (我々は健康を害して初めて、その価値が実感できるものだ) It was not until I came here that I could feel at home. (ここに来て初めて私はくつろぐことが出来た)
2. not 〜 because ... (...だからといって〜ない) Don't look down on them because they are poor. (貧乏だからといって、彼らを軽蔑してはいけない) You must not envy a man because he is rich. (人が裕福だからといって、妬んではいけない)
3. not because 〜 but because ... (〜ではなくて...だから) I love him not because he is rich but because he is warm and kind. (私は彼が金持ちだからではなくて、暖かくて優しいから愛しているのです)
4. whether 〜 or ... (〜か...か / 〜しようと...しようと) I wonder whether he will come or not. (彼は来るのか来ないのか、どちらなんだろう) I don't care whether he will come or not. (彼が来ようと来るまいと、私には関係ない)
5. for fear (that) + 主語 + (should) ... / lest + 主語 + (should) ... (〜しないように... / 〜するといけないから) He wrote the name down for fear that he (should) forget it. (彼は忘れないようにその名前を書き留めた) = He wrote the name down lest he (should) forget it. ※この場合の接続詞thatは省略されることがよくあります。また、lest はこれ1語で for fear that と同じ意味を持つ接続詞です。
**********
<<研究>> 「so 〜 that... 」と 「so that」 よく使われる「so 〜 that...」や「so that」ですが、これらはそれぞれいくつかの意味を持っています。ここで体系立てて覚えてしまっておきましょう。
@)so + 形容詞 or 副詞 + that ... / such + 名詞 + that (非常に〜なので...) 接続詞用法のsoは基本的に等位接続詞ですが、従位接続詞thatとセットで用いられることが非常によくあります。ただし、この場合のsoは文法的に厳密に言えば副詞用法で、この構文の場合はこれだけなら「とても、非常に」という意味です。従って、続くのは形容詞か副詞ということになりますね。また、suchは「非常な、大変な」という意味の形容詞なのでこれには名詞が続きます。 このことから分かるように、例文で接続詞の役割を果たしているのはどちらもthatですが、ただ、口語ではこのthatがしばしば省略されることがあることも覚えておきましょう。 The tradition goes back so far that no one can really tell how it first began. (その風習の起源は非常に古いので、それがどうやって始まったのか誰にも分からない) He is such a good man that no one would think of having a quarrel with him. (彼は非常に良い人なので、誰も彼と口論しようとは考えないだろう)
A)so + 動詞 + that ... (〜するように / 〜となるように) Man is so made that he cannot remember things so long. (人間というものは、そんなに長くはものごとを覚えていられないように出来ているのだ) ※これはあまり見かけない使い方かもしれませんが、こういう使い方もあるので知識として覚えておいて下さい。
B) 「結果」を表現する so that (その結果、それで、そこで) It was extremely hot, so that I took off my coat. (非常に暑かった。それで私はコートを脱いだ) この場合の so も副詞用法で、本来thatの方が接続詞の役割を果たしているわけですが、このthatも口語ではしばしば省略されます。これを等位接続詞soを用いて書き換えると・・・ = It was extremely hot, so I took off my coat. なお、「結果」を表現するso that の前には「, 」を入れます。また、この意味で接続詞として用いられているsoの場合も前に「, 」を入れるのが一般的なようです。
C) 「目的」を表現する so that = in order that (〜するように / 〜するために) You ought to go to bed now so that you will be fresh in the morning. = You ought to go to bed now in order that you will be fresh in the morning. = You ought to go to bed now in order to be fresh in the morning. (明朝さっぱりと起きられるように、もう寝なければいけませんよ) この so も副詞用法で、「結果」を表現する場合と同じく本来thatの方が接続詞の役割を果たしているわけですが、米語ではこのthatもしばしば省略されるようです。これを等位接続詞soを用いて書き換えると・・・ = You ought to go to bed now, so you will be fresh in the morning. これを日本語にすると、「もうベッドに入りなさい。そうすれば明朝さっぱりと起きられるでしょう」という意味になるので一見すると「結果」を表現しているように見えますが、未来のことを言っているので「目的」と判断されるようです。 なお、目的を表現するso that の前には「, 」を入れませんが、この意味で接続詞として用いられている soの前には「, 」を入れても入れなくても構わないようです。従ってこれはニュアンスで使い分ければ良いでしょう。また、「in order that」は「so that」よりも形式ばった言い方になることも覚えておきましょう。
以上のように副詞用法の「so」と従位接続詞「that」はよくセットで用いられるわけですが、「that」はしばしば省略される傾向にあり、またこれらが歴史的に混用されたためもあるのか、今日の口語では副詞用法のso that からthat が脱落して接続詞化し、soのみで使う例が一般的となっているようです。文法的に厳密な分類をしてゆくと理論的にはこのように考えられますが、こういうことは「学問としての英語」の域にあることなので、「コミュニケーション手段」として英語を学習している段階では、知識の片隅に置いておく程度で良いと思います。 ***************** では、以上のような点に注意して、以下の日本語を英語に直してみて下さい。極力、日本語で考えず、イメージを自動的に英語にする努力をしましょう。もちろん、発音やイントネーションにも注意して下さい。すぐに言えなかった場合は正解例を見て記憶し、少し時間を置いてから言えるかどうか試してみます。これを何回か繰り返すうちに、日本語に対応した英語が難なく出てくるようになると思いますよ。
2008.9.3. 基礎篇★その17.接続詞3.従位接続詞A)句接続詞として使う << >> 基礎編★その18.間投詞
|