最上級は基本的に「三者以上の集まりの中で最も～」という意味に用います。このページでは最上級を使った基本的な文の作り方や注意点をまとめておきたいと思います。 １. 基本形 ex) He is the fastest runner in this class. (彼は、このクラスで最も速い走者です) ・・・形容詞(限定用法) の最上級 She is most beautiful in this class. (彼女は、このクラスで最も美しい) ・・・形容詞(叙述用法) の最上級 He runs fastest in this class. (彼は、このクラスで最も速く走ります) ・・・副詞の最上級 上例のように限定用法の形容詞の最上級にはtheを付けますが、叙述用法の形容詞には付けません。ただし、後に名詞がないために叙述用法に見えても、名詞を補って考えられる時はtheを付けても構いません。このことから、比較級に付く定冠詞は比較級そのものと言うよりは、名詞の方に付属していると考えることが出来るでしょう。 また、副詞の最上級にはtheを付けないのが原則ですが、特に強調する時には付けることもあります。なお、米語では副詞の最上級にもtheを付ける傾向にあると言われます。
形容詞の最上級であっても、以下のような場合はtheを付けません。 ⅰ) 同一物/人の部分について、他の部分と比べて言う ex) This slope is steepest here. (この坂は、ここが最も急だ) ・・・ひとつの坂の一部について他の部分と比較 これは、同一物の部分について表現したい時はtheを付けないということですか、例えばThis slope is steepest. という文があればそれは「その坂は最も急である」というだけの意味ですから、この場合の"steepest"は叙述用法の形容詞であるとも考えられるわけです。このように文の形だけでは、部分を言っているのか単に叙述用法なのか分からないこともあると思われますので、その時は前後関係から判断する必要があります。 これに対して the が付くと部分ではなく、通常の最上級と考えることができます。 This slope is the steepest (slope) in this area. (この坂は、この辺りで最も急(な坂)だ) ・・・ ある地域でいくつもある同種のもののうち、最も比較の対象となる性質が強いもの = This slope is steepest in this area. (この坂は、この辺りで最も急だ) ・・・ 単に、叙述用法の形容詞だからtheが付いていない例
ⅱ) 比較対象がなく、単に意味を強めるために用いられた最上級 ex1) This tea is finest. (このお茶は、非常に品質が優れている) ・・・品質の良さを強調 これに対してtheが付くと以下のような意味になります。 This is the finest tea of all. / This tea is the finest (tea) of all. (これは全ての中で最も品質が優れたお茶だ / このお茶は、全ての中で最も品質が優れている) ・・・ 同種のものの中で最も比較の対象となる性質が強い ex2) His point of view is most convincing. . (彼の見解は、非常に説得力がある) = . His point of view is very convincing. ※ このような用法のmostは、veryの代用と考えて良いでしょう。
ⅲ) 「a most + 原級」では、most = veryの意味になる ex) She is a most diligent student. (彼女は非常に勤勉な学生である) これに対してthe most は言うまでもなく、通常の最上級の意味になります。 She is the most diligent student in this class. (彼女は、このクラスで最も勤勉な学生である)
ⅳ) most が「たいていの～、大部分の～」の意味に用いられる場合 ex) Most learned men did not know the fact. (たいていの学者は、その事実を知らなかった) これに対して theが付くと以下のような意味になります。 The most learned man did not know the fact. (最も学識のある人でも、その事実を知らなかった) どちらも「その事実があまり知られていない」という一般論が文の主意と言えますが、mostの意味そのものはこのように違ってきます。そのため、名詞の形がそれぞれ複数形、単数形になっている点にも注意して下さい。なお、下の方の例は、次の３で解説している使い方の一例ですが、これは文脈によっては「その最も学識ある人は、その事実を知らなかった」という単なる最上級の意味になることもあります。どちらであるかは、前後関係から判断するようにしましょう。
３. 最上級が「最も～でも」の意味に使われる場合 主に主語に最上級が付く場合、「最も～でも (= even ～)」の意味になることがあります。 ex) The most foolish man knows what he should do in this case. = Even the most foolish man ～. (どんなにバカな人間でも、この場合にどうすべきかは知っている)
4. 最上級の強調 最上級の意味を強めるために直前にmuch(ズバぬけて)、by far (はるかに)、the very (まさに)などを置くことがあります。 ex) This is by far the best. (これは全く本当に優れている)
では、以上のような点に注意して、以下の日本語を英語に直してみて下さい。極力、日本語で考えず、イメージを自動的に英語にする努力をしましょう。もちろん、発音やイントネーションにも注意して下さい。すぐに言えなかった場合は正解例を見て記憶し、少し時間を置いてから言えるかどうか試してみます。これを何回か繰り返すうちに、日本語に対応した英語が難なく出てくるようになると思いますよ。
解答例８．、９．一般に「～を気にかける、心配する、留意する」には"care about"が使われますが、特に否定文で「気にしない、かまわない」の意味に用いられる場合はabout を使わない用例もあります。例えば「他人の言うことなど気にしない」は"do not care what other people say"となるように、about を使うか使わないかは表現したいニュアンスで決まると言えるでしょう。 解答例６．～１０．最上級と冠詞の結びつきで、意味がどう変わるかしっかり把握しておきましょう。
2011.2.10.+2.18.+2.23.-2.24. 中級篇★その4.比較表現1. 比較級と最上級 ⅱ) 比較級の注意点 <<
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