疑問文が他の文と合体すると「間接疑問」の形が発生します。間接疑問では疑問の意志を表現するのは主節となる部分(合体させる相手側)なので、疑問内容を示す間接疑問部分は主節に対して目的語となる名詞節の扱いとなり、従って疑問内容を表現していても疑問文の形は解除されて平叙文(=「S+V」の構造を持つ文)になります。 ex) I wonder + Why is he here? ⇒ I wonder why he is here.(私は、なぜ彼がここにいるのか不思議に思った) ・・・ "Why is he here?"は疑問文にするための倒置が解除されて平叙文の形になり、why以下はwonderの目的語となる名詞節になっている。 言い換えれば、疑問のニュアンスは主節部分で既に表現されているので、一文の中でもう一度それを繰り返すと言葉として不自然になるため、間接疑問部分は平叙文の形になる現象が起るとも考えられます。なお平叙文と合体させる間接疑問に「?」は付きませんが、疑問文と合体させる場合は主節に対して「?」が付きます。 では、@疑問詞を伴う疑問文と、A疑問詞を伴わない疑問文に分類し、それぞれの場合について他の文と合体させて間接疑問を作る方法を解説してゆきましょう。主節に続く関節疑問部分は、おおむね以下のように変形します。
※詳細は以下の解説を参照して下さい。※1〜※3は、クリックするとそれぞれの詳細解説にジャンプします。
1.疑問詞で始まる疑問文を間接疑問にする @) 疑問文にするのに主語と述語が倒置される場合は、倒置が解除されて平叙文の形になります。 ex1) I wonder + Why didn't he come? ⇒ I wonder why he didn't come. ・・・ 疑問文にするための倒置が解除されて平叙文の形になる (彼は、なぜ来なかったのかしら) ex2) Do you know 〜? + Where is he now? ⇒ Do you know where he is now? ・・・ 疑問文にするための倒置が解除されて平叙文の形になる (あなたは、彼が今どこにいるのか知っていますか?)
A)疑問文にするのに do、does、didを付け加える場合はそれらが脱落するので、動詞はそれに応じて平叙文としてあるべき形を取ります。 ex1) I wonder + Why does he know such a thing? ⇒ I wonder why he knows such a thing. ・・・ 疑問文に必要なdoesが脱落し、動詞knowがknows に変わる (彼はなぜ、そんなことを知っているのだろう) ex2) I wonder + Where did he come from? ⇒ I wonder where he came from. ・・・ 疑問文に必要なdidが脱落し、動詞comeが過去形came に変わる (彼はどこの出身なのだろう) ex3) I asked him + Why did he say such a thing? ⇒ I asked him why he said such a thing. ・・・ 疑問文に必要なdidが脱落し、動詞sayが過去形said に変わる (私は彼に、なぜそんなことを言ったのか尋ねた) ex4) Do you know〜? + How did he go there? ⇒ Do you know how he went there? ・・・ 疑問文に必要なdidが脱落し、動詞goが過去形went に変わる (あなたは、彼がどうやってそこに行ったのか知っていますか?)
B)疑問詞が主語になっている疑問文の場合は、直後に動詞が続くので「S+V」の構造を持つため、そのまま用いれば良い。 ex) I wonder + Who did the job for him? ⇒ I wonder who did the job for him. ・・・ 疑問詞が主語なので直後に動詞が続き、そのまま用いることができる。 (誰が彼の代わりにその仕事をしたのだろう) ※この場合のdidは代動詞ではなく動詞なので省いてはいけません。
疑問詞で始まる疑問文がDo you think / believe / imagine /suppose /say などと合体する場合は、疑問詞が文頭に出た疑問文になります。これは、これらの語を用いる場合の疑問文の性質が、言い回しに習慣的な影響を与えているためと考えられますが、ここでは単に間接疑問の特例的な形として覚えておけば十分でしょう。 また、これとは別に、例えば"do you know"の文頭に疑問詞が付くような場合は、それは間接疑問の疑問詞が文頭に出たものではなく、"why do you know"、"how do you know"など、「なぜ知っているのか/どうやって知ったのか」などに質問の主眼が置かれていることも合わせて覚えておきましょう。 ex1) Do you think 〜? + Why is he here? ⇒ Why do you think he is here? ・・・ 疑問詞whyが文頭に出て合体する疑問文が続き、その後に間接疑問部分が平叙文の形で続く (何故彼はここにいると思いますか?) ex2) Do you think 〜? + Why does he know such a thing? ⇒ Why do you think he knows such a thing?. (何故彼は、そんなことを知っていると思いますか?) ・・・ 疑問詞whyが文頭に出て合体する疑問文が続き、その後に間接疑問部分が平叙文の形で続く ex3) Do you think 〜? + Who did the job for him? ⇒ Who do you think did the job for him? (誰が彼の代わりに、その仕事をしたと思いますか?) ・・・ 疑問詞whoが文頭に出て合体する疑問文が続き、その後に間接疑問部分が続く。ただし、この場合whoは主語でdidは代動詞ではなく述語動詞(V)であるため、そのまま続ければよい ex4) Do you think 〜? + How did he go there? ⇒ How do you think he went there? (彼はどうやってそこに行ったと思いますか?) 比較) Why do you know how he went there? (あなたは彼がどうやってそこに行ったのか、なぜ知っているのですか?) ・・・ この場合、質問の主眼は「相手がなぜ知っているのか」であって、間接疑問部分の示す「彼がどうやってそこへ行ったかの方法」に焦点があるのではありません。また、同様にこれがHow do you know how he went there? なら、「どういう経緯で知っているのか」が質問の主眼であるということになります。実際には、このような言い回しはあまりされないと思いますが、論理的にはこのような考え方が可能です。 なお、ex1)、ex2)のような文では、間接疑問なら「彼がここにいるのはなぜだと思うか」、「彼がそんなことを知っているのはなぜだと思うか」が質問の主眼であるわけですが、この形は Why do you think (that) he is here? (あなたはなぜ、彼がここにいると思うのですが?) Why do you think (that) he knows such a thing? (あなたはなぜ、彼がそんなことを知っていると思うのですか?) から、thatが脱落した場合と同じ形になり、こちらでは質問の主眼は「なぜ、あなたはそう思うのか」の方にあります。どちらであるかは話の流れや文脈から判断するしかありません。
間接疑問にする時に「S+V」を含む平叙文の形になるのは疑問詞で始まる疑問文の場合と同じですが、疑問詞がないので代わりに原則として接続詞 if / whether(〜かどうか)を用いて繋ぎます。 ex1) I wonder + Does he know the truth? ⇒ I wonder if/whether he knows the truth. ・・・ 疑問詞がないのでif/whetherで繋ぎ、doesが脱落して動詞はknowsに変わる (彼は真実を知っているかどうか不思議に思う = 彼は真実を知っているのかしら) ex2) I doubt + Will he succeed? ⇒ I doubt if/whether he will succeed. ・・・ 疑問詞がないのでif/whetherで繋ぎ、倒置は解除される (彼が成功するかどうか疑問に思う = 彼が成功するかどうか疑わしい) ex)3 Do you know 〜? + Does he intend to attend the party? ⇒ Do you know if/whether he intends to attend the party? ・・・ 疑問詞がないのでif/whetherで繋ぎ、doesが脱落して動詞はintendsに変わる (あなたは、彼がそのパーティに出席するつもりかどうか知っていますか?)
ただし、上例のように"I wonder / I doubt"などを用いる場合はif/whetherを用いて繋げば良いのですが、"suspect(疑う/〜ではないかと思う)"のように意味は似ていても後続部分にthat節を使うこともあります。 ex) She suspected that he was in love with another girl. (彼女は彼が他の女性を好きなのではないかと思った) また、"doubt"はif/whetherの代わりにthatで繋ぐこともできますし、否定された形"I don't doubt"で用いられた時には後続にも疑問の意味はなくなるのでthat節が続きます。 ex) I don't doubt that he will succeed. (私は彼が成功することを疑っていない) これらはそれぞれの語が含むニュアンスや言い回しの慣例などにより決まってくるもののようで、厳密な文法的線引きは難しいところです。従って、沢山の英語に触れて感覚的理解を深めてゆくしかありません。
では、以上のような点に注意して、以下の日本語を英語に直してみて下さい。極力、日本語で考えず、イメージを自動的に英語にする努力をしましょう。もちろん、発音やイントネーションにも注意して下さい。すぐに言えなかった場合は正解例を見て記憶し、少し時間を置いてから言えるかどうか試してみます。これを何回か繰り返すうちに、日本語に対応した英語が難なく出てくるようになると思いますよ。
解答例1.bring around = 説得する、意見を変えさせる、change one's mind = 考えを変える なお、change one's mind を用いる場合、「〜させる」という意味を付加するためにmakeなどの使役動詞を伴う必要があります。 解答例6.shop around = (買い物のために)あちこち見て回る、物色する、 他に、(職を求めて)探し回る、(名案を求めて)あれこれ検討する、などにも使われる make up one's mind = 決心する 解答例7.work overtime = 残業する
2010.12.12.-12.13.+2011.1.7.+1.9.
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