あやぼーの文法教室*文法なんてカンタンだ! -  中級篇2. 準動詞 (RSS2.0)

四の五の言わずに黙って暗記 - 文法なんてカンタンだ!!

中級篇★その2.準動詞

2.動名詞 A)動名詞の用法

   

動名詞は基本的に名詞としての性質を持っていますが、名詞として主語、目的語、補語になる他に、通常の名詞同様、他の名詞を修飾して形容詞的に用いられることもあります。また、よく使われる慣用表現にも動名詞を用いたものがありますので、合わせて覚えてしまいましょう。

    

1. 名詞的用法

@)主語、補語となる

ex1) Swimming across the river is not easy. ・・・ swimming は主語

(その河を横切って泳ぐことは、容易ではない = その河を泳いで渡ることは、容易ではない)

動名詞も仮主語it を文頭に出して、例えば、It is not easy swimming across the river. とすることもできる場合がありますが、一般的にはあまり使わないようです。

ex2) Doing nothing is doing ill. ・・・ 最初のdoingは主語、後のdoingは補語

(何もしないことは、悪いことをすることだ = 小人閑居して、不善をなす)

          

A)目的語となる

動名詞は、動詞の目的語となるばかりではなく、前置詞の目的語としても用いられます。これに対し、不定詞は前置詞の目的語としては使われません。

@動詞の目的語となる

ex) She finished typing the letter. ・・・ typing は動詞finished の目的語

(彼女は、手紙をタイプすることを終えた = 彼女は、手紙をタイプし終えた)

⇒ 動詞の目的語としては動名詞、不定詞ともに使われますが、動詞によってはどちらを取るかが決まっているものもあります。これについては、研究篇その1.動詞の目的語を参照してください。

    

A前置詞の目的語となる

ex) We won't be able to solve the problem without telling him the truth. ・・・ telling は前置詞withoutの目的語

(我々は彼に真実を話すことなしに、問題を解決することは出来ないだろう、)

     

2. 形容詞的用法

形容詞的用法の動名詞は「目的、用途」を表現して「〜するための・・・」という意味になるのに対し、現在分詞は「動作(行為)が継続している状態」を表現して「〜している・・・」という意味になります。動名詞が形容詞として使われるこういう用法は比較的限定されていて、慣用的に用いられるものが多いようです。

また、動名詞は名詞としての性質が強く、名詞を修飾しながらもその名詞とハイフンでつながれて、セットでひとつのものを表すこともよくあります。

ex) 

a swimming-pool (a pool for swimming) ・・・ 動名詞「泳ぐためのプール=水泳用プール」

a dining-car (a car for dining) ・・・ 動名詞「食事するための車=食堂車」

<<比較>> a sleeping girl (a girl who is sleeping) ・・・ 現在分詞「眠っている少女」

   

3. 慣用表現

動名詞を使った慣用表現で、よく使われるものを以下に挙げてみました。他にも多くあると思います。

@ It is no use 〜ing / It is no good 〜ing (= It is of no use to 〜)・・・「〜してもムダである」

ex) 

It is no use crying over spilt milk. (こぼれた牛乳について泣くことはムダである = 後悔は先に立たず/覆水は盆に返らず)

It is no good discussing the problem. (その問題を議論することはムダである)

     

A There is no 〜ing (= It is impossible to 〜)・・・「〜することはできない」

ex) There is no accounting for tastes. (人の趣味を説明することは出来ない = 蓼食う虫も好き好き)

     

B cannot help 〜ing (= cannot but 〜)・・・「〜せざるをえない」

ex) I couldn't help telling him about the matter. (私は彼に、その件について話さざるをえなかった

 = I couldn't but tell him about the matter. ・・・ butの後のtellは原形不定詞

       

C cannot/never … without 〜ing ・・・ 「…すれば必ず〜する」 (= Whenever S+V, S'+V' 「〜する時はいつでも・・・」)

ex) I cannot/never see this album without thinking of my old friends in hometown. 

(私は故郷にいる古い友人たちのことを考えることなしに、このアルバムを見ることは出来ない

 = 私はこのアルバムを見ると必ず、故郷にいる古い友人たちのことを考える)

 = Whenever I see this album, I think of my old friends in hometown.

    

D feel like 〜ing (= feel inclined to、have a mind to 〜)・・・「〜したい気がする」

ex) I feel like traveling around the country. (私は、その国を旅行して回りたい気がする)

    

E on 〜ing(= as soon as S+V / when S+V)・・・「〜するとすぐに、〜した時に」

ex) On hearing the sound, he noticed what was happened. (その音が聞こえるとすぐに、彼は何が起こったのかに気がついた)

 = As soon as he heard the sound, 〜 

    

F in 〜ing (= when S+V / while S+V)・・・「〜する際に」

ex) Watch your step in going down the stairs. (階段を下りる際には、足元に注意しなさい)

= Watch your step when you go down the stairs. 

    

G worth 〜ing (= worth while to 〜)・・・「〜する価値がある」

ex) This suggestion is worth discussing. (この提案には、議論する価値がある

= It is worth while to discuss this suggestion.

    

H of one's own 〜ing (= 〜 by oneself)・・・「自分で〜した」

ex) This is the novel of my own writing. (これは、自分で書いた小説です)

= This is the novel written by myself. / This is the novel which I wrote by myself. 

     

I go 〜ing

ex) go shopping (買い物に行く)、go hunting (狩に行く)、go fishing (釣りに行く)、go skiing (スキーに行く)

古い言い回しではgo on skiing などとも言ったようです。しかし、現在は「go 〜ing」の形が一般的で、慣用的によく使われるものが多くあります。

    

J keep/prevent … from 〜ing ・・・「…に、〜させないでおく/…が〜することを妨げる」

ex) The storm keep/prevent us from going out. 

(嵐は、私たちを出かけることから遠ざけた = 我々は、嵐で出かけられなかった)

   

K look forward to 〜ing ・・・「〜することを楽しみに待つ」

ex) I'm looking forward to seeing you again. (あなたにまた会うことを楽しみにしています。)

※look forward to のto は前置詞なので、動名詞を目的語に取ります。

    

L be in the habit of  〜ing ・・・「〜することを常とする」

ex) He is in the habit of walking one hour a day. (彼は、一日一時間、歩くことを習慣としている)

     

M be on the point of  〜ing (= be about to 〜)・・・「〜しようとしている」

ex) She was on the point of going out. (彼女は、出かけようとしているところだった)

 

N What do you say to 〜ing? ・・・「〜することは、どうですか?」

ex) What do you say to coming with us? (我々と一緒に来るのはどうですか?)

※このto は前置詞なので、動名詞を目的語に取ります。

             

では、以上のような点に注意して、以下の日本語を英語に直してみて下さい。極力、日本語で考えず、イメージを自動的に英語にする努力をしましょう。もちろん、発音やイントネーションにも注意して下さい。すぐに言えなかった場合は正解例を見て記憶し、少し時間を置いてから言えるかどうか試してみます。これを何回か繰り返すうちに、日本語に対応した英語が難なく出てくるようになると思いますよ。

1. 良書を読むことは、人生において有益である。

(動名詞を主語に使って)

1. Reading good books is useful in (your) life.

     

2. 私は昨夜、その本を読み終えた。

(動名詞を目的語に使って)

2. I finished reading the book last night. 

3. 彼は、良い映画を制作することに精通している。

(動名詞を前置詞の目的語に使って)

3. He's well acquainted with producing good movies. 

 

4. 彼の望みは、我々の事業に参加することだった。

(動名詞を補語に使って)

4. His hope was joining our business.

    

5. どちらが勝つか言うことは出来ない。

= どちらが勝つか分からない。

5. There is no saying which side will win. 

    

6. 私は、その申し出を受け入れざるをえなかった。 6. I couldn't help accepting the offer.
7. その知らせを受けるとすぐに、彼は急いで出かけた。 7. On receiving the news, he went out in a hurry. 
8. 以下の例は、ここで言及するに値する。 8. The following example is worth mentioning here. 
9. 何が、昨日あなたが会議に出席することを妨げたのか。

 = あなたはなぜ、昨日会議に出席出来なかったのか。

9. What kept you from attending the meeting yesterday?

     

10. しばらく待ってみるのはどうですか? 10. What do you say to waiting for a while?

     

解答例3.be acquainted with 「〜に精通している」

解答例7.in a hurry = in haste 「急いで」

解答例10.What do you say? だけで、提案した事柄について「どうですか?」と尋ねるのに使うこともできます。

        

2009.11.10.+11.11.

 

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