2003.7.14. 2005.3.29.reproduce
どれほどグリーンが好きだろうと、私にだってあります、スクリッティ以外のお気に入り。私の人気をグリーンと二分するのが、かのブライアン・フェリィさまですが、好きな理由はグリーンと全く同じ。あの、底意地の悪い歌詞に惚れています。 一時期グリーンは"ANOMIE & BONHOMIE"の発表で大きく点をかせいで、ブライアンさまを首位の座から、け落しかねない勢いでしたが、ほんと、あれで私惚れ直しましたからね、グリーンには。うーん、こう来たか、ってな感じで、プロヴィジョンの時不満だった部分がすっきりしたっていうか、彼自身も特にプロヴィジョンのことは自分で作っといてボロカス言ってますが、私が感じたのと同じ不満を持ってたみたいでした。で、あの時に"ANOMIE & BONHOMIE"みたいのを作るべきだったと言ってましたね、あれの発表後。でも「洋楽ファンのひとりごと」であれこれ書いてますが、特に今はフェリー先生の"Frantic"なんかにハマりこんでたりします。ま、何はともあれ彼ら二人、本当に卓越した詩才をお持ちです。 さて、そんなこんなでこのお二人は私にとって別格なんですけど、ここでは、その他の方の作品も含めて私のお気に入りアルバム・ベスト10を並べてみようと思います。みなさんも、ご自分のベスト10とかあったら教えてね。これで人生変わりました、っての待ってます。で、まずは言わずと知れたこの2枚。
ROXY MUSIC 「AVALON」!!! ほんとに私は、これで人生変わりました。私が英語詩に、かくものめりこむきっかけになったのがこのアルバム。もののみごとなトータル・アルバムで、1分くらいのインターミッションである”INDIA”という曲でさえ、無駄に入ってるわけじゃない。とにかく音も歌詞もすごいアルバムですが、この中では特に”True To Life”がめちゃ好き。1000回は絶対聴いてる。洋楽ファンなら知らない人ないってくらいの名盤中の名盤です。
SCRITTI POLITTI 「CYPID & PSYCHE '85」 改めて言うまでもないんですけどね、サイトやってて。まあ作品としては"ANOMIE & BONHOMIE"の方が更にいいというか、深い気はしますが、やはり一枚選ぶとなればこのアルバムに敬意を表しておきましょう。80年代、コレで踊り狂ったというヒトも決して少なくはありますまい。
うーん、これってどちらも15年近く前に初めて聴いたやつなんだよね。あやぼーに進歩がないのか、それともこれらのアルバムが偉大すぎるのか。ともあれ、今に至るも最も好きな2枚です。でも、私って、わりかしジャンルで音楽聴く人じゃなくて、気に入ったらクラシックからロック、ポップス何でもいい。とにかく本当のスピリッツを感じさせてくれる正真正銘のアーティストなら凄いなあって尊敬しちゃいます。「アートというのは何種類もない、たった一つだ」とオスカー・ワイルドも言ってますが、ジャンルで音楽の好き嫌いを決めるなんて、ナンセンスですよね。で、以下のお気に入りも、そんなテイストを反映しているかも知れません。 特に90年代は80年代ほど通常のロックやポップに気に入ったものがなかったこともあって、よく聴いてたのはジャズやフュージョン、ダンスやソウルのアルバムでした。10年近く前から静かな山の中に越したこともあって、あまり音楽自体聴かなくなってましたけど、だから、ここに挙げるのもかなり古めです。では、続けて行ってみましょうね。
PAULINE WILSON 「INTUITION」 CMだかドラマだかにも使われてたらしいから、知ってる人も多いかも。この人のヴォーカルはホントすばらしい。おしゃれだけど底力があって実力を感じさせます。その後、彼女がヴォーカルをやっていたSEAWINDの古いアルバムもその声に魅かれてずいぶん聴きました。この中では、特に"Mysterious/Colors Of The Wind"と"INTUITION"って曲がお気に入り。何百回となく聴きましたけど、これのイメージで書いた小説とかもあったりする。そのうち公開するから読んでね〜。
KENNY G 「BREATHLESS」 さあ、この辺からシュミがぐちゃぐちゃになってくるぞ。何と言ってもこのアルバム、正真正銘のジャケ買いだった。私って美形に目がないのよ。でも音楽も当然すごくいい!! で、この中では "The end of the night"が一番好き。これを聴きながら何回マイ・ダーリンと夕暮れの中を走ったことか。(...ごめん、シュチエーションがわかんないね。マイ・ダーリンって私の最愛のクルマ、しゃーるくんのことです。ちまたではユーノス・ロードスターって呼ばれてます。このコがまだウチに来たてのころ、このアルバムが出たのだよ。だから思い出が沢山あるアルバムなのよね...。)
CANDY DULFER 「SAX-A-Go-Go」 私はキャンディというふざけた名前にも関わらず、このCDのジャケットを見るまで、これを女性が吹いてるとは夢にも思っていなかった。認識不足だったと思うけど、そもそもサックスと女性という組み合わせが頭の中になかったんです。いやー、こんなカッコいいサックスってのもなかなかないですよ。日本にもファン多いですよね。このアルバムの曲はもうホントにどれもいいけど、よく聴いたのはスローな"I Can't make you love me"かな。もちろんファンキーなナンバーも大好きです。彼女のアルバム聴くならやっぱりコレから始めて欲しい、ってくらいの代表作ですね。
STEVIE NICKS 「TIME SPACE」 私は美形に目がないと書きましたが、それは女性でもいっこうにかまいません。某ロック誌で彼女の若い頃の写真を見て、ひゃー、びっじーん、と思った私は、さっそくレコード屋さんへ。だいたい私ってこのパターンが多い。思えばグリーンもブライアンもこれだった。で、このタイム・スペースはいわゆるベスト盤なんですが、選曲は彼女自身が行いタイトルもつけた上、1曲1曲に作った時の様子がコメントとしてつづられているんです。いやー、この声に惚れました。もともとマック(マクドナルドではない。フリートウッドマックだよん)は好きで、大昔、アナログ版で確か"RUMORS"を買ってたくらいだから、知らずに気に入ってたんだね。これをきっかけに、ソロもマックのもたくさんCD聴きました。 このアルバムに関して言えばベスト盤だけあって、どれもこれもめちゃいいけど、"Edge Of Seventeen"や"Stand Back"など、小説を書きながら聴き狂った覚えがあります。フル・ヴォリュームでヘッドフォンで聴くんです。思考が冴えわたってきますよ。(殆ど、アブナかったり...)
T'PAU 「THE PROMISE」 さて米ロック界の歌姫が出た所で、スティーヴィー・ニックスがアメリカ人なら、イギリスのど迫力、女性ヴォーカリスト・キャロル・デッカーを挙げないわけにはゆきません。なつかしーって思う方もあると思いますが、どうしてこのあと活動が止まっちゃってるのか、やっぱりこのアルバムが凄すぎたかなと思ったりするんですが、ともかくもセカンドの"RAGE"がパーフェクトなアルバムだったからサードは退屈になるかなと思ってたのに、のっけからものすごい迫力。この”SOUL DESTRUCTION"だけでもめちゃ良かったのに、その他にもいい曲がいっぱい入ってました。キャロルの声もすっごい好きですね。ライヴ見たかったー。そういえば、このひとも写真見て気に入ったんだった。自分の好きなテイストを持ってる人って、ひと目見ると、お、と思うんですが、ホント多いです、このパターン。で、これも小説書くのにBGMにしてたな。こんなすごい女の歌ばっかり聴きながら書いたもんだから、主人公がものすごいオテンバになってしまったが...。
本題に戻そう。なんか10枚で終わらなくなってきそうだー。まあ、いいか。とにかく続けますね。 でこれまで、ずーっと海外のアーティストばっかりでしたが、一人忘れられない日本人がいる。私の歌謡曲嫌いは子供の頃からなんですが、この人だけは特別。ニューミュージックって今考えるとこの人だけだったかも...。ゆーみんって基本的に歌謡曲だし。(おお、暴言!! もちろんそれが悪いって言ってるんじゃないのよ。私だって大昔、何も知らなかった頃は友達のヴォーカルでピアノ弾いてゆーみんのカヴァーをやったことだってあるくらいだから、それはそれでいーんですけどっ!!) で、その私の好きな、このラインナップの中に入れても遜色ないと思ってる日本人っていうのは原田真二さん。アルバムの方は、やはりココは「FEEL HAPPY」にしておきましょう。 なんでここにとーとつに、と思われるかもしれませんが、多分、カーペンターズくらいしか知らなかったじゃりガキのころ、初めて聴いた洋楽系の音だったからです。彼は、ビートルズやエルトン・ジョン、スティーヴィー・ワンダーなどが好きだと言ってただけあって、当時19歳ながら、すごくいい音楽のセンスを持ってました。ロック・アーティストなんて言葉をおそらく芸能界で初めて使った人でもあるんじゃないでしょうか。今や日本じゃ死語ですがね。それから、印象深かったのは、レコード大賞新人賞の辞退。あれは、嬉しかった。彼の音楽は基本的に歌謡曲と違うんだから、受賞なんかしてほしくないなあと思ってたんで、感動したのを覚えてます。 このアルバムでは松本 隆氏の歌詞もドラマティックでぴったり来てたけど、原田さんって英語わかるヒトなんですよね。そもそも彼は資質的にただの歌謡歌手とは違ってて、そこへ持ってきてそれなりに歌詞わかって洋楽聴いてたから、もともとは自分でもそういうスピリチュアルな歌詞を書いてたんだそうです。でも芸能界デヴューするにあたってそれじゃ一般リスナーに難しすぎるってんで松本氏の歌詞を彼の曲につけたんだって。だからと言ってイミのない歌謡曲に仕立て上げたわけではなくて、可能な限り真二の意向を生かした歌詞を、松本さんご自身も随分思い入れを持って書かれたようです。 Our Songという名曲があるんだけど、これはトリプル・デヴューが成功してメジャーになって自分の歌詞をつけることが出来るようになってから発表された作品で、概念的な愛とか世界について歌ったものでした。私は真二らしくていい曲だなあ、と思ってたんですが一般客にはあのスケールは大きすぎたかもしれません。まあ、アイドルやらされてましたからねえ...。ただ、英語圏も含んだヨーロッパには、思想と文化ってもんがあるので、(日本には特に明治維新以来、ない。戦後は更に、徹底的に、ない。)そこから来る影響というのは結構深いもののようです。音だけ聴いてたんじゃ分からない部分が歌詞に含まれてますから、アーティスティックな資質を持ってて更に英語力に恵まれてると、そういう影響からか作る曲にも深みが出てくるものなようですね。文化ってのは怖いもんです。 そんなこんなで、このアルバムも入れちゃうことにしました。一番好きなのは"PLASTIC DOLL"だったな。曲がキレイで、松本さんの歌詞も素敵で、何回聴いたか分かんないって曲ですね、これも。 古い話になってしまいましたが気を取り直して洋楽に戻ろうかな。80年代のイギリスと言えば、何聴いてもよかったけど、忘れちゃいけません、スタイル・カウンシル。
STYLE COUNCIL "INTRODUCING" これはスタカンのファーストで"Long Hot Summer"とか入ってるやつ。この"Long Hot Summer"でファンになったんだよね。コンサートも行きました。何が感動的だったと言って、トレイシーがワン・コンサートまるごとありそうなくらい歌って、そのあとポールたちも思う存分聴かせてくれて、挙句アンコールもすんで場内は明るくなってて、主催者側も「もうアーティストは帰りました」って放送してるのに、...出てきちゃうんだよー、こいつらは。ポール・ウエラーってそういう人だよー。いつも成功しまくると解散して挙句のはてにソロになっちゃうってのも、スターに祭り上げられてしまいたくないからじゃないでしょうか。クラブで演ったり、ファンをバックステージに招いたりとかね。こういう人見るとほっとするっていうか、ハートがあるなあ、音楽も観客も愛してくれてるなあって思って嬉しくなります。スタイルカウンシルについてはこちらで各アルバムの紹介とかしてるので、興味がありましたら是非見てみてね。
VIVIENNE MCKONE(ヴィヴィアン・マッコーン) このファーストのタイトルには彼女の名前がそのまま使われていました。おしゃれで軽くていい音を楽しみたい人には絶対のおすすめ。屋敷豪太さんがドラムで参加している作品だったんですけど、彼のソロ・アルバムも結構好き。 で、単に軽いだけじゃなくてヴォーカルにも深みがありますから聞けば聞くほどいいなあ...、と思えるアルバムです。全曲好き。でも特に1曲挙げるとすれば、"Beware"でしょうか。前出のPAULINE WILSON 「INTUITION」とこのアルバムを聴きまくって書いた小説があるんだよね。それはそれで結構そんな雰囲気のおシャレな小説になりました。
Espiritu(エスピリトゥ) 「ALWAYS」 最後はなんでこれかってゆーと、この中の"TAKE MY HAND"ってドラマティックな曲がめちゃ好きだから。ヴィヴィアン・マッコーンに比べると、ずっと土の香りがするアルバムです。この作品はヴァネッサ・キノネスの事実上ソロアルバムなんだけど、彼女はパリで生まれて、お父さんがフランス人、お母さんがペルー人。それにお父さんが船の関係で仕事をしていたそうで、あちこち一緒に回ってたらしい。その経歴や血のせいもあるのか多国籍っぽくて、ヨーロッパと南米両方の文化を感じさせるアルバムになってますね。グローバルなクラブ・サウンド、とでもいうか、クロウトうけしそうな作品のようにも思えます。 実はこの"TAKE MY HAND"のおかげで、10年ほど進行が止まっていた小説が(私は7,8歳の頃から、小説を書くのがシュミなのだ。ゆえに、そういう作品はいくらもあるのさっ)一気に出来上がったという感謝もこめて、ここに選ばせていただきました。そう考えてゆくと、いい音楽っていうのはやっぱり創造力を刺激してくれるものなのかも、と思ってしまいますね。最近はあまりそういうものに出会えなくて、そのせいか全然小説とか書けないんですけど...。 というこで、以上がマイ・ベスト10でした。(礼)
でも一枚邦楽が入ってるんで、それを除外してもう一枚だけ追加させて下さい。
RALPH TRESVANT アルバムタイトルも同名で、ニュー・エディションから離れてソロでのデヴュー・アルバムでした、これは。この中の"I Love You (Just for you)"を初めてラジオで聞いたとき、一瞬「グリーンかっ」と思ったくらい声が似てる...。なにしろ90年代も入ってしばらくたってたから、「グリーン、どうしてるのかな」と思ってた頃のことで、なにしろあの声が好きだから淋しい思いをしてたんですよね。始めは声が似てるからという理由で聞いたんですが、アルバム自体もすごく良くて"SENSITIVITY"を始めとして聴き狂ってました。でもこのことがあったせいか、ひさひさひさひさひさっし、ぶり、に、"ANOMIE & BONHOMIE"でグリーンの声を聞いたときは「きゃー、本物だー、ほんもののグリーンの声だー」と涙出そうになったんだ、私は。 こんな風に書くと、ラルフが代用だったみたいで申し訳ないんですが、やっぱりグリーンは私にとってそれほど特別ってことだったみたいですね。もちろん、ラルフのアルバムも最高にいいですよ。おすすめ。
ああ、こんな話してると、終わりがないねえ...。どちらかというと、一枚のディスクにはまり込んで聴きまくる方だから、それほどたくさん聴いてる方じゃないと思うんですが、わりとあるもんです、お気に入りって。そのうち第2弾、とかやるかもしんない。...もう、いいって?
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