VOL3. ハイドロ・カルチャーを育てましょう
今回は人気のハイドロ・カルチャーについてお話しましょう。 ご存知の通り、ハイドロ・カルチャーは土ではなくハイドロ・ボールに植えて育てられた観葉植物で、直射日光を必要とせず水だけで育てられるため屋内用のグリーンとして大変適しています。また土を使わず清潔なハイドロ・ボールに植えられていますから虫が発生するということもなく、キチンなどの水回りでも安心して飾れます。 昔のハイドロ・カルチャーと言えば、大抵ガラスの器に植えられていたものですが、あれはなんだか寒々しい感じがして、あまり人気があったとは言えないのじゃないかと思います。けれども実際には、ああいうガラスの器ばかりではなく気の効いた陶器製のカラフルな器などでも育てられるため、最近ではお洒落な雰囲気の鉢に入ったものが多く出回るようになりました。
これは私が2〜3年前に初めて手に入れたハイドロ・カルチャーの一つ「テーブルヤシ」さんです。他のページで使っている写真にも、よく脇役として友情出演してくれているのですが、なんかすごく南国ムードがあふれていると思いませんか? なかなか可愛いヤツです。 その名の通りテーブルサイズの小ささで、始めの頃に比べてかなり葉は増えましたが、それほど大きくはなっていません。鉢も買った時のままのもので植え替えたりはしていませんが特に支障はないようです。 土植えの植物の場合、とにかく2〜3年も経てばバカでかくなるのが多くて、そうすると鉢も大きくなるので重くなったりして世話が面倒なんですが、その点ハイドロは、この通り特に巨大化しませんので、いつまでもテーブルの上に置いておけるのがいいところです。 いつもはキチンの出窓のところに置いていますが、冬は寒くなるので、もう少し暖かい2階の出窓に置いてやります。ただ、ハイドロは直射日光を当てるとだめになってしまうので、必ずカーテンごしなどの間接光が明るいところを選んで置くようにしてあげて下さい。テーブルヤシさんの場合、もともと寒さに強い性質なのか特に温室に入れたりしなくても冬越ししますが、サンデリアーナなどのドラセナ類は15度以下に気温が下がると即死するという植物なので、冬は温室に入れるか常に暖房が効いている部屋に置いてあげるのが無難だと思います。そのあたりは同じハイドロでも植物の種類によって適当な環境がありますので、配慮してあげて下さいね。
ウチに来たころに比べて1.5倍ほどの高さに成長して来ていたので、古い葉を枯らす時期だったのかもしれませんが、それにしてもどんどん葉が枯れてゆくのを見ているのは辛いものです。でも今ではすっかり元気になっていて、最近また足もとから新しい茎を出し始めたりもしているので、まずは一安心。このコも普通はキチンに置いてますが、冬は暖かいところに移してあげます。このナナスも冬の寒さは、わりと平気な植物なので、特に温室などに入れなくても大丈夫なようです。 ちなみに上のテーブルヤシさんもこのナナスちゃんも、どちらも一鉢1200円でしたが、これは器がご覧の通り特にキレイだったので普通より高かったと思います。スーパーマーケットの園芸コーナーなどで見ると、この半分くらいの値段のものもありました。植物の種類として多いのはサンデリアーナなどのドラセナ類やプミラのようなアイビー系統のようですね。ナナスやテーブルやしはあまり見かけません。
実はさっきもお話したように上でご紹介したナナちゃんが枯れかけたので、もし枯れちゃったらどーしよー、とパニクっていた時に、たまたま神戸の東急ハンズで同じ種類のを見かけて買っちゃったんですよね。結果的には、さっきのナナちゃんも持ち直したのでダブル・ナナスになってしまいましたが、もともとあまり見かけない植物だけに手に入る時に買っておこうと思って購入したんです。ハンズでもプミラなどはたくさんありましたが、ナナスは一鉢しかありませんでした。 こちらはまだコドモなので、上のナナスに比べて半分くらいの背丈しかありませんが、上のも始めはそのくらいの大きさでした。すくすく大きくなって欲しいものです。
さて、このへんでハイドロ・カルチャーの水遣りについてお話してゆきましょう。 ガラスの器に入ったものの場合は水の量が見えるので底から三分の一くらいのところまで水をやり、すっかりなくなってしまったのを確認してから1〜2日してまた同じくらい入れるようにします。このハイドロ・ボールというのは結構水を含むものなので、あまりやりすぎると根ぐされの原因になってしまうからです。水のやりすぎには、くれぐれも注意して下さい。 また、上でご紹介したテーブルヤシなどのように、中身が見えない器の場合は大抵、右の写真のような赤いアタマの水位計が器に取り付けられていると思います。 この水位計には上限、下限を示す横線がついているので、内部にある指標のアタマが水位計の真中あたりを示すところまで水を入れ、この場合もすっかりなくなってしまって1〜2日経ってから、同じくらい水を足すようにしましょう。
では、ハイドロ・カルチャーを育てる上でのポイントをまとめておきましょう。
だいたい以上のようなことに気をつけてあげていれば、土植えより遥かに世話が楽で害虫にやられたり病気になったりすることもないので育てやすいのがハイドロ・カルチャーだと言えるでしょう。室内に気軽に置けて、めんどくさがりやさん向けのグリーンかもしれません。また器もインテリアに合わせてカラフルなものが選べるのも楽しいところです。 植物というのは何気ない存在のようでいて空間に瑞々しさを添えてくれるものです。皆さんも街で見かけたら、一鉢買ってみませんか?
さて、次回は観葉植物の王者、アイビーについてお話しましょう。寒さにも強く肥料もそれほど必要としないで育つ丈夫な植物。リーフが可愛いので人気もありますよね。お楽しみに!! 2001.12.5.
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